【試乗】DSオートモビル 新型 DS3 E-TENSE│歴代DSの上質さとEVの静寂性を、パリデザインでおしゃれにまとめたBセグメントSUV!
カテゴリー: DSの試乗レポート
タグ: DS Automobiles / SUV / FF / DS3クロスバック E-TENSE / EDGEが効いている / c!
2021/03/08
▲フォーミュラEで培ってきたEVの技術を、落ち着きあるSUVに足し算。EVならではの静寂性と独特な優しいセッティングは、他とは一線を画す存在未来感ほどほどの絶妙な和みのEV
SDGsの脱炭素で再生可能エネルギーな世の中が迫ってきて電動化はやぶさかではないものの、ドイツ車的な2トン半近いハイエンドEVがエコってのもピンとこないし、新規参入メーカーの「クルマ未満」じみたEVにひっかき回されるのも勘弁。おそらく車に車以上の何かを求めるエッジな人々のコンセンサスは、そんなところではないか。
ならば最注目は、シトロエンから独立して6年半が経つDSだ。ついに初の市販EVとなるDS 3クロスバックE-テンスを日本市場にも送り込んできた。
リアゲートのエンブレムとフロントグリルの格子模様が多少異なる以外、先行する1.2Lガソリンターボのピュアテック130と外観は変わらない。DS 3クロスバックのICE(内燃機関)=ガソリン版は155psの「パフォーマンスライン」も追加されたが、EV版のE-テンスの最大出力は100kW=136ps、最大トルクは260N・mと、ガソリン車の標準たる130ps/230N・mと横並びに近い。
車幅は1800mmに満たず、車高も立体駐車場にギリ収まる1550㎜。全長は4100mm強なので、街中での取り回しの軽快さはいうまでもない。小さな車格ながらも、前席ウインドウはアコースティックガラスで二重化されており、もとよりガソリンモデルでも相当に静粛性は高いが、EV版はさらに圧倒的なほど静か。
▲ファッションや建造物などをモチーフとし、車という枠を超えてデザインされたエクステリアは、フランス流のラグジュアリーさを体現している
▲5人乗りながら居住空間を犠牲にすることなく、最大で350Lのラゲージ容量を確保
▲照射先の状態を解析し自動調光を行う、最新世代のDS MATRIX LED VISIONヘッドライトを装備している
▲急速充電CHAdeMO規格や200Vの普通充電が行え、50分の急速充電で最大80%までの充電が可能EVとはいえゼロ発進からのアクセルを踏んだ瞬間の転がりだしは、ガツンとトルクが立ち過ぎるでもなくマイルド。むしろ、電気モーター特有のワープみたいな加速感を避けている節さえある。完全停止までしないが街乗りはワンペダル操作もできるし、ガソリン車より300㎏ほど重いものの、発進時や四つ角を曲がる程度では重量増を感じさせない。柔らかいが張りもストロークもある乗り心地は、同門のプジョーやシトロエンとも一線を画す。
それでいて内装は小さな高級車そのものである点は、EVも同じく。E-テンス専用となる白一色の「リヴォリ」内装は、それこそ包み込まれるように柔らかな雰囲気とタッチで、このインテリアのためだけにE-テンス一択のマダムが絶対にいるだろう。「それ、どこの?」と聞かれる程度に、多くの人にまだ知られていない点もくすぐるはずだ。
後席に乗り込むと、邪魔にはなっていないがシート下に、ガソリン車にはないカドが認められる。リチウムイオンバッテリーを後車軸の前方に収める関係で、リアサスはフランス車得意のトレーリングアームではなく、左右リジッドを斜めのロッドで吊るした「パナールロッド」方式なのだ。
ハイドロで名をはせたシトロエン DSから65年近く、最新鋭のDSがパナールロッドって、いくらなんでも原始的すぎないか? というツッコミどころはあるだろう。だがパナールロッドはBセグの車格で50kwh容量のバッテリーという重量物を受け止めるのに必要なソリューションでもある。乗り味にトレーリングアームのガソリン車とほぼ差がないことを鑑みれば、物理的には文句のつけようがない。
ちなみに、2年前に開かれた国際試乗会で生産試作にちょい乗りしたとき、このパナールロッドのリアサスは結構な固さだった。ようは「DSらしいマジック・カーペット・ライド」へと、2年の間に仕立てられたのだ。
▲ギヨシェ模様やレザーのステッチなど、他ブランドでは見られない唯一無二のデザインを取り入れるなど個性的なインテリア(画像は日本でも選択可能な、リヴォリカラーのフランス仕様)
▲2枚のガラスを重ねたアコースティックガラスを標準装備するなど、高い静寂性をもつ(画像はガソリン車)
▲フォーミュラEの技術が応用されたエネルギー回生システム。自然なエンジンブレーキを再現するDモードと、アクセルオフでしっかりと減速するワンペダル操作用のBモードを選択可能未来的でテックなにおいがするだけのEVではなく、アナログ的というか触感や視覚のうえで、従来的な車の良さという点でもE-テンスは語りかけてくる。強めにブレーキを踏むとブレーキディスクの摩擦と回生モーターの抵抗が噛み合わず、ジャダーが少し出る兆候はあるが、制動がヌケるわけではない。
航続距離はWLTP(国際基準の排出ガス・燃費試験法)モードで320㎞。補助金込みで乗り出しは大体500万円ほど。国産にも既存の高級輸入EV車にもない、ハイエンドなスモールEVとして貴重なポジションといえる。
【試乗車 諸元・スペック表】
●グランシック
| 型式 | ZAA-D34ZK01 | 最小回転半径 | 5.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.12m×1.79m×1.55m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.56m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.55m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1580kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.19m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ブラン バンキーズ |
||
| オプション色 |
クリスタルパール、ノアールペルラネラ、ブルー ミレニアム、ウィスパー |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | ZAA-D34ZK01 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラン バンキーズ |
| オプション色 | クリスタルパール、ノアールペルラネラ、ブルー ミレニアム、ウィスパー |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.12m×1.79m×1.55m |
| ホイール ベース |
2.56m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.55m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1580kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.19m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | ZK01 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 136ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
260(27.5)/3674 |
| エンジン型式 | ZK01 |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 136ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
260(27.5)/3674 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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