【試乗】新型 光岡自動車 バディ|RAV4に宿った「違う時代」
カテゴリー: 光岡自動車の試乗レポート
2021/10/15
▲光岡自動車が送り出すニューモデル、バディに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が公道試乗でレポートする今度の光岡もハイライトはやっぱり「雰囲気」
光岡自動車は国産車をベースに懐かしさを感じさせるモデルを作るメーカーだ。
もともとレプリカを独自のノウハウによって作っていた経緯があるからこそ、一見デッドコピーのようでありながら、ベースのデザインをデフォルメしたオリジナリティを醸し出している感じがする。
以前にロックスターというオープンモデルを試乗したが、その完成度の高さに驚いた。今回は光岡シリーズの試乗記の第2弾として、トヨタ RAV4ベースに作った“ミツオカ バディ20ST” FFモデルを紹介しよう。
このモデルのすごいところは、何といってもその雰囲気。
80年代のシボレー C10のような顔つきと、ジープ グランドワゴニアと70年代のステーションワゴンを合体したようなリアビューが、どこか懐古的なほっこりした気分にさせる。
サイドビューは、16インチと70(ナナマル)のグッドイヤーのホワイトレターが、とてもよく似合うフェンダーアーチだ。こういったデザインだとインチダウンすると優しい雰囲気になる。ホイールキャップはとがった印象をなくし新鮮味がある。






どんぶらこ、どんぶらこ、とした走りがネバーマインドな気持ちにさせる
キャビンから前方の眺めは、平べったいボンネットと切り立ったスラントフェンダーとノーズによって非常に見切りがいい。シートに座って前方を眺めただけでノスタルジーを味わえる。
サービスエリアのタイトなスペースからバックで出てみたが、オーバーハング部分の大きさの予測がオリジナルRAV4より分かりやすく感じた。
高速と箱根のワインディングを走らせてみた。中身はRAV4の2L NAユニットのFFモデルだ。とても素性のいいベースだけに、パワートレイン系は申し分ない。
ベースとなるモデルは最新モデルだからこそ、雰囲気はクラシックでも安心して普段使いができる点がいい。
走り出すとオリジナルRAV4よりもゆったりした発進だ。気持ち、ばね上が重いような雰囲気だが、これまた古き良さを感じさせる乗り心地である。
おそらく、オーバーハングの長さとインチダウンとオールテレインという性能のキャラクターによるモノだろう。高速道路を、どんぶらこ、どんぶらこ、と走る感じが気持ちを急がせない。
箱根のタイトな山間部はゆったりと景色を見ながら走らせる。カーブでは不安はないものの、タイヤの重さがどうしても急なステアリング操作を嫌がる。とはいえ、こういったキャラクター故に不満はないはずだ。
少し急な上り坂の発進時に、フロントのオーバーハングによる重さなのか、FFにもかかわらずトラクションがいいと感じた。グッとフロントに荷重をためてスタートするようだ。まるで、大きなフルサイズのSUVに乗っている感じも、しないでもない。
車としての性能は、オリジナルのRAV4をマイルドにさせた味わいと言っていい。このスタイリングが気に入った方なら、走りは関係ないと思うかもしれないが安心していいだろう。
車としてはゆったりとした雰囲気の走りで、心も焦ることなく慌てることは皆無の気分にさせる。ベースはRAV4でも、違う時代が宿ったようだ。
そんなゆったりした気持ちで、この車を待っていてほしい。このバディは、今予約しても再来年の生産分にしか割り当てられない、大人気のモデルなのである。




【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 20ST
| 型式 | 6BA-MXAA52 | 最小回転半径 | 5.5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.73m×1.87m×1.69m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.69m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.61m/1.63m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.89m×1.52m×1.23m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1560kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1835kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.2m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
T800シルバーメタリック、ダブルエックスブルーマイカ、MJブラックマイカ、ガンメタリック |
||
| オプション色 |
グローブワンホワイトパール、ベルベットレッドマイカ、グランジデニムブルーパール、80'sミント、デイ・オブ・グリーンマイカ、スリラーレッド、95イエロー、ディープパープルメタリック、ノースカロライナブルー/ホワイト、ストリートホワイト/ホワイト、トップガングレー/ホワイト、スターオレンジ/ホワイト、フューリーイエロー/ホワイト、ピーチベージュ/ホワイト |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | M20A-FKS | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 55リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1986cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 171ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
207(21.1)/4800 |
| 型式 | 6BA-MXAA52 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | T800シルバーメタリック、ダブルエックスブルーマイカ、MJブラックマイカ、ガンメタリック |
| オプション色 | グローブワンホワイトパール、ベルベットレッドマイカ、グランジデニムブルーパール、80'sミント、デイ・オブ・グリーンマイカ、スリラーレッド、95イエロー、ディープパープルメタリック、ノースカロライナブルー/ホワイト、ストリートホワイト/ホワイト、トップガングレー/ホワイト、スターオレンジ/ホワイト、フューリーイエロー/ホワイト、ピーチベージュ/ホワイト |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.73m×1.87m×1.69m |
| ホイール ベース |
2.69m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.61m/1.63m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.89m×1.52m×1.23m |
| 車両重量 | 1560kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1835kg |
| 最低地上高 | 0.2m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | M20A-FKS |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1986cc |
| 最高出力 | 171ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
207(21.1)/4800 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 55リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
【関連リンク】
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