4ドアのGT-R仕様!? 若者が「令和のデートカー」として選んだ日産 スカイライン(R32型)
2025/07/28

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
GT-Rの雰囲気をまとった4ドアのスカイラインR32型に一目ぼれ
ぱっと見て「これはGT-Rじゃないのか?」と思った方もいるかもしれない。ぜひドアの数に注目していただきたい。
こちらは正真正銘、R32型の4ドアセダン「GTS-4」なのである。現在21歳の新納さんがGT-R風に仕立てられた、この不思議な車を入手したのは今から1年ちょっと前のこと。

幼少期に誰の影響を受けたわけでもなくデコトラに興味を持ち、現在に至るまで一貫して自分が生まれるよりも前の「昭和的」なモノやコトに魅了されてきたという新納さん。
そこから映画『ワイルド・スピード』シリーズの影響を受けて、スカイラインGT-Rの熱心なファンになった。
▲ミニカーも愛車と同じ仕様にカスタムして楽しんでいる「最初に買ったのはR34型のスカイラインでした。ただ、車体色はシルバーで、4ドア、自然吸気エンジン、オートマというおとなしい仕様だったので、だんだんと物足りなさを感じるようになって」
しかし、憧れのR32型GT-Rは近年の価格高騰により、簡単には手が出せない存在となっていた。そんな中で出合ったのが、この大規模な改造が施されたGTS-4だった。
「あまりにカッコよくて見た瞬間に『これしかない!』と思いました。価格はGT-Rほどではないにしても、かなり高価でした。それなのに現車確認もせず、電話一本で購入しちゃったんです。というのも、この車は北海道のお店で販売されていたので(笑)」
じつに若者らしい思い切った決断である。そうした意気をくみ取ったのか、販売店の社長が自らハンドルを握り、陸路とフェリーを使って納車してくれたという。
改めて説明すると、R32型スカイラインGT-Rに4ドアの設定はない。ただし、後継モデルであるR33型には、スカイライン生誕40周年を記念して生産された4ドアの限定モデル「スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40thアニバーサリー」が存在した。
新納さんの愛車は、前オーナーが1989年式のGTS-4をベースに制作したものである。GT-Rの外観的特徴であるフロントフェイスやブリスターフェンダーが再現されているだけでなく、テールランプをはじめとするリアビューも2ドアモデルと同様のパーツに交換済み。

もともとワインレッドだったボディは、メタリックブルーに塗り替えられている。
さらに前席にはレカロシートが装着され、後席も張り替え済み。エンジンやタービンといったメカニカル面にも多くの手が入っている。もちろん3ナンバーで公認取得済みで、このまま車検も通る。


「率直に言ってすごく乗りにくい車です(笑)。半クラッチがシビアでクラッチワークをしくじると即エンストします。それとビッグタービンを装着しているため低速トルクがなく、上り坂で前走車に置いていかれることもよくあります」
▲ピッタリ入るドリンクホルダーがないので、ドライブ中のペットボトル置き場はここが定位置。ちょっとした不便はご愛嬌かなり手ごわそうな車だが、主な用途を尋ねると新納さんは「デートカーです」と即答した。サーキット走行など、スポーツドライブにはあまり関心がないという。
横浜在住なので、日産車が横浜を舞台に駆け回るTVドラマ『あぶない刑事』のロケ場所巡りなどをして楽しんでいる。また、クセの強い操縦性にもめげず、付き合っている彼女を隣に乗せて実家の熊本まで自走で帰省したこともある。

ガソリンスタンドや大黒PAなど、車好きが集まるスポットに出かけると、物珍しさから親ほども年齢の離れた人からも声をかけられるという。中にはそんな会話がきっかけで交流するようになったスカイラインオーナーもいる。ベテランオーナーたちの経験談は、愛車に関する貴重な情報源になっている。
「いまは自動車関係の会社に務めていますが、将来はスカイライン専門のショップを開きたいと思っています。この車もワンオフパーツだらけで将来の維持が不安なので、いずれエンジンをパーツ供給が豊富な『RB26』に換装したいですね」
とはいえ、愛車のホイールはすでに10セット以上を所有。年齢を考えると並外れている。若きスカイラインオーナーの深い愛情と熱意にただただ脱帽である。


新納 進之介さんのマイカーレビュー
日産 スカイライン(R32型)
●年間走行距離/約5000km
●マイカーの好きなところ/GT-R仕様にカスタムされたデザイン
●マイカーの愛すべきダメなところ/ちょっぴり乗りにくいところ
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/スポーツ走行はせずに普段使いしたい人

ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌と自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はフォルクスワーゲン クロスポロと日産 ラルゴの他、バイク(トライアンフ)とたくさんの自転車。
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