トヨタ iQ VS スマート フォーツーカブリオ PART2:使い勝手が優れているのはどっち?
2008/12/17
PART2 使い勝手が優れているのはどっち?
トヨタ iQ
スマート フォーツーカブリオ
幅方向の圧倒的なゆとりはiQの美点の一つ
前席の居住性は、2車ではまったく“別世界”だ。iQはサイドウインドウ、フロントスクリーンの下端がやや高め。よって包まれ感、安心感がある。それと幅方向で圧倒的なゆとりがあるのが美点。メカ以外は案外とオーソドックスな印象をもつiQの数少ないサプライズというべきか。左右席の間隔にゆとりがあるので、もっと大きな車に乗っているような得した気分も味わえる。インテリア全体の“作風”も、2車ではおおいに異なる。iQはプレミアムを謳い、ポップなスマートとは正反対のムード。濃い茶色の内装色は落ち着いてはいるがやや重たく、もう少し明るい色調を望みたいところ。またオプションのレザーシートだが、座面部分(本革)とサイド部分(フェイク)の縫い合わせ部分が、素材が違うためにビニールレザー側の“シワ”が引きつっていて、ひと目でフェイクと見破れてしまう。またシンプルでスペースを稼ぐのに精一杯だった風で、もう少し身の回りの収納ポケット類など、デザイン、工夫をこらして増やしてほしかった気もする。
4座使用状態でのラゲージスペースは、小猫も忍び込む気になるかどうか? といった“隙間”に過ぎない。段ボールは畳まれた状態なら載る(笑)。計測データは10cmだが、ブリーフケースでもスリムなタイプでなければ入れられない。つまりiQは、実用性を考えるなら2名乗車が基本といえる。ただし後ろにエンジンがないから、ラゲージスペース床下に深さのあるサブトランクが設けられている。
後席の背もたれを倒すと(ヘッドレストを取り外さなければならないのは面倒)、ザックリと言えば、小型ミニバンの3列目シートを倒した程度のスペースが確保できる。参考までに、後席をチップアップさせると、前側からのアクセスにはなるが、床面からの高さを使ったラゲージスペースにすることもでき、その下にもポケット状のスペースが用意されている。
リアゲートがスマートのように下側のゲートが手前にせり出さないのが好みなら、こちらのほうが扱いやすいだろう。ただしバックドア外側の、いかにもココに指をかけなさい…といった形状の無粋なハンドルは、もう少しデザイン的な処理はできないものか?
1名乗車なら長さのある荷物も積めるスマート
包まれ感、安心感があるiQに対してスマートは、例のごとく床がやや高く着座位置もやや高めな上、ウインドウ下端が相対的に低く、よくいえば見晴らしがいい。インパネは先代のようなカタツムリの目玉みたいなメーターなどはなく、直線基調の抑えの利いたデザイン。先代のほうがコンセプチュアルで、色、素材の使いかたは適度にポップだが、デザイン的にはそれほど楽しげというほどではない。また右ハンドル仕様だけなのか、助手席側の床の奥行きが運転席側よりも“浅い”。フル乗車テスト時にスタッフの1人が「スマートは足が伸ばせない」と証言していたのはこのせいか。ただし床面は高いが乗降性に配慮してか、サイドシル形状は足の運びに合わせて下側にえぐられた形状だ。
通常の状態でのラゲージスペースは、実は小さなスマートのほうが大きい。それは2シーターで、背後のスペースを完全にラゲージスペースに割り当てているためだ。テールゲートも上下2分割を採用するため、ガラスハッチ側だけ開け閉めして使用できる。買い物袋などを積み込むのに便利である。
また、助手席の背もたれを前倒しできるのも強み。計測値は149cmだったから、1名乗車なら、長さのある荷物も呑み込める。このあたりは、いざというときの実用性をおろそかにしないヨーロッパ車らしいところだ。
今回のまとめ
“エイ”のイメージのセンターパネルや図案化された雲の絵のようなメーターバイザーなど「普通でもいいかも」といったディテールは散見される。が、iQはコンパクトカーらしからぬ幅方向のゆとりが独自の居住空間を作り出しているのがいい。次回予告
取り回しや駐車しやすさを検証しよう!
取り回しや駐車しやすさを検証しよう!
今回のテスト車両


| トヨタ iQ | |
|---|---|
| テスト車両 | 100G“レザーパッケージ” 160万円 |
| 駆動方式 | 2WD |
| トランスミッション | CVT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 2985×1680×1500 |
| ホイールベース(mm) | 2000 |
| 車両重量(kg) | 890 |
| 最小回転半径(m) | 3.9 |
| 乗車定員(人) | 4 |
| エンジン種類 | 直3DOHC |
| 総排気量(cc) | 996 |
| 最高出力 [kW(ps)/rpm] |
50(68)/6000 |
| 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
90(9.2)/4800 |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 32L |
| 10・15モード燃費 (km/L) |
23.0 |
| 実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
| タイヤサイズ | 175/65R15 |


| スマート フォーツーカブリオ | |
|---|---|
| テスト車両 | mhd 213.0万円 |
| 駆動方式 | 2WD |
| トランスミッション | 5AT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 2720×1560×1540 |
| ホイールベース(mm) | 1865 |
| 車両重量(kg) | 850 |
| 最小回転半径(m) | 4.2 |
| 乗車定員(人) | 2 |
| エンジン種類 | 直3DOHC |
| 総排気量(cc) | 999 |
| 最高出力 [kW(ps)/rpm] |
52(71)/5800 |
| 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
92(9.4)/4500 |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアム |
| 燃料タンク容量 | 33L |
| 10・15モード燃費 (km/L) |
23.0 |
| 実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
| タイヤサイズ | 155/60R15 175/55R15 |
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