【試乗】新型トヨタ プリウス|公道試乗で感じた「PHEVモデル」の進化と技術力
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
タグ: トヨタ / ハッチバック / プラグインハイブリッド / プリウス / 松本英雄
2023/08/27
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、トヨタ プリウス2.0 プラグインハイブリッド Zに試乗した際のレポートをお届け先代を踏襲してアップデートされたデザイン
最新のトヨタ プリウス PHEVの公道試乗記を記す前に少しばかり、歴代プリウスのおさらいをしたい。
まず、デザインについてだが、2代目プリウスから続く他社にはない独創的なフォルムがひとつのブランドとなっている。最新モデルの流れを組んだデザインであることが理解できるであろう。

プリウスが登場した当時、ジャーマンスリーのメーカーはこのハイブリッドシステムのメカニズムについて、2020年頃には徐々に少なくなるという目算であったが、トヨタは独自のシステムを確率しグローバル化させた。
これは欧米で主導権を握る自動車産業において、日本の誇りある技術である。
2010年頃にジャーマンスリーの筆頭であるメーカーのNo.2の技術者と話をしたのだが、プリウスのメカニズムがどれだけ複雑なのかを教えられた。彼の結論は「今の我々のノウハウではできない」というものであった。
欧州はCO2削減の意識が高く、当時から今後世界中もそのような方向に進むことは容易に考えられた。
その時からトヨタの構想としてあったのが、BEVとハイブリッドの利点を生かしたPHEV(プラグインハイブリッド)だ。

プリウスはPHVモデルを2012年より販売しているが、それ以前にさかのぼること3年前の2009年より国内外の一部にリースとして販売。データの蓄積と、次世代のモデルとしての認知度向上に努めた。
こういった経緯は新型が出ると忘れられてしまうが、プラスなこともマイナスなこともノウハウとして蓄積され、より良いモデルが生まれるのである。

なぜここまで前置きが長くなったかというと、初代から試乗してきたこのプリウスが、今回本当に素晴らしいモデルへと生まれ変わったからだ。
先代は、とにかくハンドリングに重みを感じてルーフが重いような動きがあった。しかも、空力を意識しすぎていたため、高速時にワイパー使うだけでも車体に影響があったのである。
このことを幾度となくエンジニアに伝えたことを思い出す。
ちなみに、PHEVはバッテリー容量が大きくなり重量が増す。そのため150kgほど重い。それだけに、余裕のある走りが可能ということだ。
HEVのシステム最高出力が196馬力のところ、PHEVは235馬力である。トルクこそほぼ変わりはないが、ほぼ40馬力ほど向上しているのだ。

他のモデルとは一線を画す性能
まず乗って感じることは、BEVかと思うくらいに静粛性が素晴らしい。
そして乗り心地がしなやかで、ハイブリッドモデルよりも断然心地よい。路面からのアンジュレーションが重い車体にもかかわらず、収束も速い。

また、運転していて目線が上下に移動しにくい。先代のプリウスと比較しても、長距離移動では疲れが大きく変わってくる。
実際にステアリングを握り高速道路を500km弱走ったが、加速、ブレーキ、カーブでのスタビリティなど、どれをとっても先代のモデルとは一線を画している。

また、エンジンが始動するときであっても、余裕のあるバッテリーキャパシティによってエンジン負荷が大きくならず、HEVの始動時よりも静かであるように感じられた。

高速の合流部で一気に加速をしてみたが、ロードホールディングも抜群だ。
スポーツカーのような加速状態でも、ステアリングのコンタクトは安全を考慮したジオメトリーであることが理解できる。
PHEVとHEVの価格差は、Zグレードであるとおよそ100万円であるが、ただの航続性能だけではないプレミアムなエッセンスを感じられるだろう。
HEVとは似て非なるモデル。そう思わずにいられない。それがプリウスPHEVなのだ。

▼検索条件
トヨタ プリウス2.0 プラグインハイブリッド Z × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●トヨタ プリウス2.0 プラグインハイブリッド Z
| 型式 | 6LA-MXWH61 | 最小回転半径 | 5.4m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.6m×1.78m×1.43m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.75m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.84m×1.5m×1.14m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1570kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1845kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.15m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
アッシュ、アティチュードブラックマイカ、マスタード、ダークブルー |
||
| オプション色 |
プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドII |
||
| 掲載コメント |
※T-Connect利用料金は初度登録日から5年間無料です |
||
| 型式 | 6LA-MXWH61 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | アッシュ、アティチュードブラックマイカ、マスタード、ダークブルー |
| オプション色 | プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドII |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.4m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.6m×1.78m×1.43m |
| ホイール ベース |
2.75m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.84m×1.5m×1.14m |
| 車両重量 | 1570kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1845kg |
| 最低地上高 | 0.15m |
| 掲載用コメント | ※T-Connect利用料金は初度登録日から5年間無料です ※交流電力量消費率(WLTCモード)134Wh/km 市街地モードWLTC-L燃費 113Wh/km 郊外モードWLTC-M燃費 123Wh/km 高速道路モードWLTC-H燃費 151Wh/km ※充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ)87km |
| エンジン型式 | M20A-FXS | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1986cc | 燃費(WLTCモード) |
26km/L
└市街地:23.7km/L └郊外:28.7km/L └高速:25.5km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 達成車 |
||
| 最高出力 | 151ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
188(19.2)/5200 |
| エンジン型式 | M20A-FXS |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1986cc |
| 最高出力 | 151ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
188(19.2)/5200 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 26km/L
└市街地:23.7km/L └郊外: 28.7km/L └高速: 25.5km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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