【試乗】新型 トヨタ アクアGRスポーツ|モータースポーツのノウハウを詰め込んだコンパクトカー
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2023/08/09
▲2022年11月にデビューしたトヨタ アクアGRスポーツ。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗のインプレッションをお届けする車のポテンシャルを引き立てる「GR SPORT」シリーズ
トヨタ自動車のモータースポーツ部門「GR(GAZOO Racing)」は、数々の国際的なレースシーンに参戦し、そこから得られたノウハウを市販車に投入しているブランドである。
つまり、ベースモデルのトータルパフォーマンスを向上させて、そのモデルがもつ本物の良さをカスタマーに知ってもらうということだ。
その中でも、今回紹介する「GR SPORT」は、通常使用で車本来の良さを引き立たせるチューニングが施されたモデルになる。
今回の試乗では、富士スピードウェイ周辺で試乗したので雰囲気をお伝えしたい。

まず初めにアクアGRスポーツから報告しよう。
トヨタのヒット車種であるアクア。ベースモデルの2代目は先代と比べグッと大人のフォルムとなり、ボディの作りも一気に向上しているのが印象的だ。
▲こちらがノーマルモデルのアクア(2代目)それが、今回のGRスポーツでどのようにチューニングしたのか非常に楽しみである。
GR側からの説明では、ボディ剛性を向上させるチューニングが基本であると説明された。
具体的には、フロアパンのトンネル部分にブレースという棒状の構造物を追加し、ボディ剛性を向上させているという。
また、リアの剛性を向上させるために、バンパーにも補強材を入れている。

これらは実際どのような効能があるか説明すると、例えばコーナリング時における前後の歪みやねじれを抑えてサスペンションの追従性安定させることにより、スタビリティの確保につながる。
また、意図したセッティングを忠実に再現するためには、ボディ剛性向上は不可欠な要素でもある。
ただし、やみくもに補強すればいいということではない。車重の増加はもちろん偏った剛性追加はサスペンションをチューニングしたときにバランスが悪くなることもあり、専門的なデーターから補強箇所を考える必要があるのだ。
また、アクア GRスポーツは専用のチューニングとしてコイルスプリング、ダンパー、バンプストッパーも専用チューニングされている。

そこに大径化されたホイールとスポーツタイヤを履かせ、モータースポーツ由来のエアロパーツをまとっている。
このコスメティックチューニングとは言わせないバックグラウンドがGRの魅力である。


では実際に試乗するとする。
静粛性はスタンダードアクアよりも路面からのノイズが少し大きいと感じるが、スポーツ車両には致し方ない。
とはいっても荒いアスファルト路面でなければ、ほぼわからない程度だ。

ステアリングをほんの少し(5度ぐらいだろうか)あてると車体がシャープに反応し、ちょっとした段差でも締め上げられたサスペンションであることがよくわかる。
また、スタビライザーのロール剛性も上げていることがわかる。
しかし、高速コーナー、連続したカーブ、アンジュレーションがある道を走らせて感じるのは、サスペンションのセッティングにまだ成熟が足りない印象がした。
締め上げられたアーム類の剛性とダンパー減衰力、タイヤとのマッチングがいまひとつ動きを阻害しているかのようでモータースポーツにある機敏でスムーズな動きではなく、ただシャープな方向に振ったように思われた。
だが、エアロパーツの見せ方や市街地でもシャープな印象の挙動は、興味がある人からは好感度があるにちがいない。わかりやすいセッティングなのだから。

しかし、ノーマルモデルをレトロフィットのチューニングでできないことをするのが、メーカーの手が入ったチューニングだと思うが、短時間の試乗では少々荒削りなような印象を感じた。
機会があれば高速道路や200kmぐらいのドライブをして、トータルな部分を見てみたいモデルである。
▼検索条件
トヨタ アクアGRスポーツ(2代目)×全国【試乗車 諸元・スペック表】
●1.5 GRスポーツ
| 型式 | 6AA-MXPK11 | 最小回転半径 | 5.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.1m×1.7m×1.49m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.6m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.47m/1.47m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.83m×1.43m×1.19m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1425kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ブラックマイカ、アーバンカーキ、ダークグレー |
||
| オプション色 |
プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドII、ダークグレー/プラチナホワイトPマイカ、ダークグレー/エモーショナルレッドII、ダークグレー/アーバンカーキ |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 6AA-MXPK11 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラックマイカ、アーバンカーキ、ダークグレー |
| オプション色 | プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドII、ダークグレー/プラチナホワイトPマイカ、ダークグレー/エモーショナルレッドII、ダークグレー/アーバンカーキ |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
インパネ |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.1m×1.7m×1.49m |
| ホイール ベース |
2.6m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.47m/1.47m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.83m×1.43m×1.19m |
| 車両重量 | 1150kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1425kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | M15A-FXE | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 36リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | - |
| 総排気量 | 1490cc | 燃費(WLTCモード) | 29.3km/L └市街地:31km/L └郊外:30.9km/L └高速:27.7km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 91ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
120(12.2)/4800 |
| エンジン型式 | M15A-FXE |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1490cc |
| 最高出力 | 91ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
120(12.2)/4800 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 36リットル |
| 燃費(JC08モード) | - |
| 燃費(WLTCモード) | 29.3km/L └市街地:31km/L └郊外: 30.9km/L └高速: 27.7km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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