【試乗】新型 フォルクスワーゲン ゴルフ TDI|力強くも繊細な挙動から、高級化路線が一層進んでいることがわかる
2022/04/22
▲2021年12月に国内導入された8代目 ゴルフ TDI。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする最新モデルにもディーゼル「TDI」が登場
ゴルフ4あたりからフォルクスワーゲンは高級化志向となって、本国では魅力的なディーゼルユニットが発売されていた。
2LのTDIユニットを搭載したゴルフは、150km/hからもグッと押される加速を繰り返すハイパフォーマンスの印象が忘れられない。
しかし、日本に正式に登場するのは7代目となってからであった。
先代に搭載されていたEA288型4気筒ディーゼルターボは、パフォーマンス的には悪くなかったが、他社のモデルと比べるとプレミアム感は薄い印象であったことは否めない。
そして、基本プラットフォームは2012年に登場した“MQB”であるが、ゴルフ8となってCセグメントでは最も新しいMQBevoとなりさらに進化したことは、eTSIモデルの試乗記にて紹介した。
圧倒的な剛性感や振動を抑える新素材の追加など、質感を高めたプラットフォームである。
今回試乗した新型ゴルフのディーゼルモデル「TDI」には、この定評あるプラットフォームにEA288を進化させた「EA288evo」が搭載されている。
さっそく試乗のインプレッションをお届けしよう。
“プレミアム感”が増したCセグメントハッチ


短いクランキングでエンジンを始動すると、明らかに振動が少ない。しかも、静粛性も大きく向上しており、プレミアム感ある装いとなった。
セレクトレバーをDレンジに入れてアクセルを少し踏む。ツインクラッチDSGのトランスミッションの制御が繊細になった印象だ。
低速の低い回転域からトルクが安定していて大きなトルクを感じるユニットだが、繊細で力強い雰囲気だ。
フォルクスワーゲンの高級路線を進めたフェルディナント・ピエヒ氏がご存命であったらさぞかし喜ぶに違いない。それほど制御が細かいTDIとなった。
ガソリン+マイルドハイブリッドのeTSIモデルに比べても、比較にならないほど持続するトルク感がある。市街地ではとても扱いやすい。
▲搭載されるのは、最高出力150ps、最大トルク360N・mを発揮する、2Lディーゼルターボエンジン一方で、アイドリングストップからのリスタートのスムーズさは、eTSIに軍配が上がる。
ただし、今後ディーゼルにもマイルドハイブリッドを搭載したモデルが登場する可能性は高いだろう。

一般道から高速道路に入るが、加速感はとてもいい。安定感あるエンジン特性は、乗り心地をも良好に保つ。
もっとも、サスペンションはしなやかでいて深みのある上下の動きによって、Cセグメントのハッチバックということを考慮すれば、文句なしに高級感ある乗り心地だ。
これなら同乗者も快適だろう。
高速で連続するカーブも、古い言い方かもしれないが、まさに「ピタリと吸い付く」感じだ。しかも、どこの領域からも踏み込めば上品かつ頼りになる加速をする。
スポーティな乗り方でも十分楽しく、ガソリンモデルより燃費もいい。
しかも、ディーゼルの特性を知ればもっとスポーティなドライビンが可能となるだろう。
トルクが最も高く出るところをキープし、アクセルコントロールでシフトアップさせると高揚感ある加速を繰り返す。
また、先代のTDIに比べ、ブレーキフィールやコントロール性が向上しており、優しい運転ができる点もポイントだ。
うちわの話で恐縮だが、運動神経抜群の”フォルクスワーゲンシンパ“の親戚が、GTIかTDIどちらを購入するかで迷っていた。
そして、2月に両方試乗してTDIに決めていたようだ。(ちなみに、2月にオーダーをし、6月以降のデリバリーだという。)
当初はGTI狙いだったそうだが、乗ってみたらTDIのスポーティさにほれたのだろう。
私も実際にTDIに乗ってみて、その気持ちがわかった。それほどまでに、乗っていて楽しいモデルなのだ。

【試乗車 諸元・スペック表】
●TDI アクティブ アドバンス ディーゼルターボ
| 型式 | 3DA-CDDTS | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.3m×1.79m×1.48m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.62m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.51m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1460kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト |
||
| オプション色 |
ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-CDDTS |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト |
| オプション色 | ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.3m×1.79m×1.48m |
| ホイール ベース |
2.62m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.51m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1460kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DTS | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 21.3km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
20km/L
└市街地:14km/L └郊外:20.3km/L └高速:24.2km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
360(36.7)/2750 |
| エンジン型式 | DTS |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
360(36.7)/2750 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 燃費(JC08モード) | 21.3km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 20km/L
└市街地:14km/L └郊外: 20.3km/L └高速: 24.2km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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