【試乗】新型 フォルクスワーゲン ゴルフ GTI|高級スポーツハッチ最良のセッティングから生まれる、スタビリティの高さと重みある乗り心地
2022/04/02
▲2021年12月に国内導入された8代目 ゴルフ GTI。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする引き続きFFにこだわっている最新の「GTI」
初代ゴルフ GTIが登場してから8代目を迎え、45年余り経過している。
この「GTI」は、コンパクトなハッチバックにして、最高のパフォーマンスを提供するというアイデンティティをもっていた。
しかし、1997年に登場した4代目ゴルフあたりから、スタビリティが高く快適なモデルへと進化した傾向にある。この頃から、クオリティもどんどん高くなっていった印象だ。
年々、他社を含めて「ハイパフォーマンス=4WD」の傾向が強まっているが、ゴルフ GTIはエンジンパフォーマンスが向上してもフロントドライブの2WD(FF)にこだわったチューニングを行ってきていることも事実だ。
ボディ剛性のバランスがすこぶる向上した8代目ゴルフのGTIは、どのようなチューニングで魅了してくれているのだろう。
箱根のワインディングと高速道路にて試乗したので、その際のインプレッションをお伝えしたい。
GTIの歴史から導き出されたセッティング


まずは、新型ゴルフGTIのデザインなどを見てみよう。
昨今のデザイン傾向は、グリルを下方にもっていき空力特性を向上させつつ、クリーンなイメージをつくり出しているように思える。
GTIのトレードマークとされている赤いラインのコンビネーションは、一度は廃止しながらも5代目で復活。8代目にも採用されている。
さらにハニカムグリルを採用して、加飾でスポーティさを演出。下方の意匠を際立たせて、地をはうイメージをつくり出しているようだ。


シートは歴代GTIお決まりの「タータンチェック」柄。
クラス最高のパフォーマンスを示すモデルであっても、このシートを目にすると気持ちがおおらかになり、コンフォートな雰囲気をつくり出す。

Dレンジに入れて走り出す。ユニットが暖まっている状態だったこともあり、静粛性はすこぶる高い。
7速DSGは、以前の6速と比べるとアクセルのレスポンスによる唐突さがとても減少しており、極めてスムーズだ。
しかもその7速を、速度と状況に応じて実に細かくセレクトしてくれるので、スムーズで歯切れのよいシフトを実現している。
タイトな山間部の上りは、トラクションが命だ。適度な乗り心地だけを考えたセッティングならば、減速時にリアの不安定さを生じ、加速時にはトラクション不足が生じる。
しかし、このゴルフ GTIは、コーナリング中であっても、加速すれば確実なトラクションでスムーズで安心感あるドライビングが可能。
ぐっと右足を深く踏み込むと、一気に戦闘態勢へと切り替わり、どこからでも加速を楽しめる。
搭載されるのは、製造から14年近く経過し成熟したEA888ユニット。2Lターボとは思えない粘りあるトルクをもち、ターボおよび燃料マネージメントが見直され、よりスムーズで高級感ある4気筒ユニットとなった。
しかも、サスペンションは路面とのコンタクトを大切にしており、重厚感ある乗り心地を実現している。

うねりある路面でも、狂いのないステアリング操作が可能であるが、初めて乗る人からすると少々ハードな印象があるかもしれない。
しかし、それは高速とワインディング双方での安心感を追求した、45年にもわたるGTIの歴史から導いたセッティングである。
ドイツならではの思慮深い機械的な考察から完成させた、現代における高級スポーツハッチ最良のセッティングだと思う。
FFとしての高いスタビリティと重みある乗り心地は、老舗GTIの素晴らしさを体感でき、所有した喜びを感じるに違いない。

【試乗車 諸元・スペック表】
●GTI
| 型式 | 3BA-CDDNP | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.3m×1.79m×1.47m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.62m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.52m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1430kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト |
||
| オプション色 |
キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3BA-CDDNP |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト |
| オプション色 | キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.3m×1.79m×1.47m |
| ホイール ベース |
2.62m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.52m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1430kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DNP | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 可変気筒装置 | ◯ | 燃費(JC08モード) | 13.7km/L |
| 総排気量 | 1984cc | 燃費(WLTCモード) |
12.8km/L
└市街地:8.9km/L └郊外:13.2km/L └高速:15.5km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 245ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
370(37.7)/4300 |
| エンジン型式 | DNP |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | ◯ |
| 総排気量 | 1984cc |
| 最高出力 | 245ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
370(37.7)/4300 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 燃費(JC08モード) | 13.7km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 12.8km/L
└市街地:8.9km/L └郊外: 13.2km/L └高速: 15.5km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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