【試乗】新型ボルボ V60クロスカントリー|V60本来の良さをクロスカントリーが引き出す
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
タグ: ボルボ / 4WD / V60クロスカントリー / 松本英雄
2019/05/06
▲新型V60を箱根の山間部で試乗する機会を得たのでその模様をお届けするボルボを試すには絶好の天気
4月も中旬にさしかかろうとしているにも関わらず、試乗会が行われた箱根の強羅周辺は雪。
雪と極寒の国スウェーデンで鍛えたボルボを試乗するには、むしろもってこいの環境となった。
今回試乗したのはV60クロスカントリー。日本でも人気のあるステーションワゴン・V60をベースに、最低地上高を65mm、全幅を45mm拡大し、走破性を向上させたモデルだ。
ベースとなったV60についてだが、サスペンションは、しなやかな動きというよりもスポーティなセッティングだったこと。荷物を満載にしたときに最適になるセッティングかもしれないが、リアはもう少し動かしても良いのではと感じたことを覚えている。
はたして、V60クロスカントリーはどのように変化したのであろうか。
ボルボには、バイワイヤ式のAWD設定がPHEVモデルにある。リアを電気モーターで駆動させるタイプだ。
一方で、今回のV60クロスカントリーには、プロペラシャフトが付いた4WDシステムが採用された。
こういった4WD性能の比較にも少し触れていきたい。
クロスカントリーこそ本当のV60と思うほど安定感が高い
相変わらずシートやインパネなどの質感はいい。車に乗り込んだ瞬間、わかる。
また、車高が65mm上がっているため、ヒップとシートの距離が短くなり意外と乗降がしやすい。
▲落ち着きをもたらす色使いとソフトなクラスターの形状はスカンジナビアデザインの真骨頂といえる
▲タンブラーが縦にスッポリ入るほど車高が高められている搭載されるエンジンは、ボルボでいうT5と呼ばれる2L 4気筒ターボユニット。
それに8速ATが加わり、後輪にも最適な動力が分配される4WDだ。実はガソリンエンジンと4WDの組み合わせは初となる。
エンジン始動時から、静粛性は申し分ない。Dレンジに入れたときの振動も抑えられている。
試乗コースのスタート地点から県道までの道のりは結構な上り坂が続いたが、適切なギアをキープしてくれた。4人乗車にも関わらずスイスイと駆け上がる。
タイトなコーナーも、適度なロールをさせて路面をしっかりと捉えている。フロント部の剛性感がV60よりも高いので、非常に安定したコーナリング性能が得られた。
その結果、車高を上げたにも関わらず、サスペンションがフワフワせず思ったとおりの動きをしてくれる。
リアの動きもしなやかだ。V60よりも突っ張らない。走破性が向上しているのは、この動きでわかる。
途中、急な坂で後輪が浮きそうになったが、伸び側のストロークも確保しているようで、何事もなく前に進み4WDらしい動きをしてくれた。
▲県道の道に入り速度を上げてみる。みぞれ混じりの雨と雪の路面は注意が必要だがコーナでの安心感はあるサスペンションのセッティングと4WDシステムが、前後に伝える動力をちゃんと制御しており、車体の動きも安定している。
冒頭に記述したバイワイヤ式のAWDを採用したボルボ車は、ドライと雨の高速に強い。
しかし、雪や氷の路面であると、リアにかかるトルクが大きくなりオーバーステア気味になる。バイワイア制御は難しいのだ。
一方で、今回のV60クロスカントリーに採用されたようなプロペラシャフト式の4WDは、急激なトルクの移行が少ない。よって、雪や氷の滑りやすい路面でもしっかり食いついてくれるのだ。
そういった点でも、このV60クロスカントリーは、本来もっている素性の良さを発揮したモデルといえる。路面状況に関係なく、遠くに行きたくなる1台である。


【試乗車 諸元・スペック表】
●T5 AWD プロ
| 型式 | DBA-ZB420 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.79m×1.9m×1.51m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.88m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.64m/1.63m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1810kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2085kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.21m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
アイスホワイト、ブラック |
||
| オプション色 |
クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、サヴィルグレーメタリック、バーチライトメタリック、ペブルグレーメタリック、パイングレーメタリック、オニキスブラックメタリック、メープルブラウンメタリック、フュージョンレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | B420 | 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 11.6km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 254ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
| 型式 | DBA-ZB420 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | アイスホワイト、ブラック |
| オプション色 | クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、サヴィルグレーメタリック、バーチライトメタリック、ペブルグレーメタリック、パイングレーメタリック、オニキスブラックメタリック、メープルブラウンメタリック、フュージョンレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.79m×1.9m×1.51m |
| ホイール ベース |
2.88m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.64m/1.63m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1810kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2085kg |
| 最低地上高 | 0.21m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | B420 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 254ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
| 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(JC08モード) | 11.6km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿するほか、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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