シボレー コルベット (渡辺敏史)【海外試乗】
カテゴリー: シボレーの試乗レポート
2013/10/28
内装の質感やシートといったところも、今日的なヨーロピアンスポーツと充分に比するものへとアップデートされた。が、内包するメカニズムにはコルベットのワン&オンリーがしっかり宿っている。そのロマンに気持ちが移入出来る人にぜひ乗っていただきたい
伝統を継承しつつ、洗練された速さの「質」
伝統的エンジニアリングを継承
今年、60周年の時を迎えた世界最長寿のスポーツカー。コルベットは先代にあたるC6世代でFIA-GT選手権での常勝が認められ、ハイパフォーマンススポーツの世界でも一目置かれる存在となった。
フルモデルチェンジのC7に求められるのは当然ながら先代を上回る=世界一線級の速さを持つリアルスポーツの資質だ。が、一方でアメリカンクーペとしての「らしさ」を求めるファンが多くいることは、その歴史ゆえでもある。
難しいハンドリングを迫られる中、C7はコルベットの伝統的なエンジニアリング、つまりV8 OHVや横置きリーフのユニークなサス、そしてフルフレーム構造などを継承した。
苦悩の決断かと思いきや、開発陣にとっては議論の俎上にもなかったというから、彼らはこのソリューションに絶対的な自信を持っていることになる。無論それらは今日的な技術でアップデートされているが、半世紀以上前に編み出された技術が911やGT-Rを脅かすというところに、マニアの昂ぶりがあることは言うまでもない。
コルベット以外の何物でもない
C7は単に速いだけではなく、速さの質が驚くほどに洗練されている。適切なパッケージとパワーでごりごりコーナーを削り取るのがC6だとしたら、C7はその所作を裏漉ししたかのように細やかで、そのぶんフィードバックにもガツンとくるような痛さがない。
ごく低速域でこそ硬さを感じるライドフィールも速度域が高まれば実にしなやかで、スポーツモードでも乗り心地に長けている感すらある。
加速にしても旋回にしても確実に速くコントローラブルになったぶん、人と車の生々しい格闘感が薄まったのは事実だ。が、眼前に広がるロングノーズならではの美しい景色とV8の豪快な吹け上がりからなる高揚感はやはり特別だ。なにより、降りてその姿をみれば、それはコルベット以外の何物でもない。
SPECIFICATIONS
| グレード | COUPE | ||
| 駆動方式 | FR | ||
| トランスミッション | 7MT | ||
| 全長×全幅×全高(mm) | 4495×1880×1230 | ||
| ホイールベース(mm) | 2710 | ||
| 車両重量(kg) | 1499 | ||
| 乗車定員(人) | 2 | ||
| エンジン種類 | V8OHV | ||
| 総排気量(cc) | 6153 | ||
| 最高出力[ps/rpm] | 460/6000 | ||
| 最大トルク[N・m/rpm] | 624/4600 | ||
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