日産 ジューク NISMO RS【試乗レポート】(松本英雄)
2015/01/20

価格以上の完成度を誇るメーカーのファクトリーチューンモデル
日産 ジューク NISMO RSは、ボディ剛性を向上しエンジン出力が190psから214psまでアップしている。エアロパーツも飾りではなく安全性に寄与しているという。既存グレードの16GT FOURより約83万円も高価なNISMO RSの仕上がりはどうだろうか。
車速感応式電動パワーステアリングのセッティングも変更してあり、ステアリングを握り左右に少し回す程度では普通の重みだが、さらに切り込みを入れていくと重みが増す。慣れるまでは少し不自然に感じたが、最小舵角でスポーティにコーナリングをするためにはステアリングは重めの方がコントロールしやすいというものだ。
エンジンは、チューニングされたターボとは思えない素直なトルク特性で、極めて扱いやすい。これは搭載される8速CVTとの組み合わせが秀逸だからだろう。加速中のトルクの落ち込みも少なくスムーズな加速を続け、どこの回転域からでも適切なトルクを発揮する。
固めにセッティングされたサスペンションはステアリングの初動操作に対してスムーズに反応する。さらに路面の凹凸に対しては車体を抑えながら安定した姿勢を保つ。ボディは、製造ラインの塗装前段階で補強やスポット溶接を施しているだけあり、全体として剛性のバランスがとれている。補強部品の後付けで剛性を高めたボディとは明らかに違う。
4WDのシステム制御にも感心した。普通、コーナリング中に路面の凹凸を拾うと下からの強い突き上げで車体は不安定になりステアリングの修正が必要となるが、ジューク NISMO RSはそのような修正をしなくとも安定した姿勢を維持する。これはボディ剛性の高さとサスペンションの優秀さに加え、車輪の左右トルク配分が状況に遅れることなく瞬時に制御されるからだ。スポーツ4WDのシステム制御に一日の長がある日産だけに、蓄積された経験が生かされているのだろう。
路面への動力伝達技術はスポーツ走行と安全性に直結する。ジューク NISMO RSは後付けのチューニングに83万円ほどかけても到底達成できないだろうというレベルまで、バランス良く性能を向上している。





【SPECIFICATIONS】
■グレード:NISMO RS ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1618cc
■最高出力:157(214)/ 6000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:250(25.5)/2400-6000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4165×1770×1570(mm) ■ホイールベース:2530mm
■車両重量:1410kg
■JC08モード燃費:12.6km/L
■車両本体価格(税込):343万4400円
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