【試乗】新型日産 ノート AUTECH クロスオーバー|作りこまれた4WDの走行性能をもつSUVグレード
2022/04/24
▲2020年12月にフルモデルチェンジした新型日産 ノート。その中の人気グレードであるAUTECH クロスオーバーを自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が公道試乗車高を高くしたSUVグレード
3代目にあたる新型日産 ノートの出来栄えは上々だ。少し前の日産からするとデザイン・設計・生産の三位一体感がある。これは大きな躍進といえるだろう。
ノートシリーズには上位車種として、より優れた質感と乗り味のノートオーラもある。その中でもリアに強力なモーターを携えた4WDのオーラは、電動化したコンパクトカー4WDでは現在最も優れていると以前に試乗記で触れさせてもらった。
今回試乗したのはノート AUTECH クロスオーバー FOUR 4WDだ。ノート FOUR 4WDをベースに、日産のカスタマイズ部門であるAUTECH(オーテック)ブランドが味付けしたクロスオーバーモデルである。
以前試乗したノート FOUR 4WDの質感は、オーラには劣るものだった。オーラ同様にリアに68馬力のモーターを搭載しているが、乗り心地や路面とのコンタクトはもう少し高めたいといった評価だ。
▲シャープな顔つきはノート同様。フロントグリルとLEDデイライト部のデザインが異なる
▲車高が高くなった分ワイルドさを増した印象を受けるでは、ノート AUTECH クロスオーバー FOUR 4WDはどうだろうか。最低地上高を125mmから150mmに高めて専用のチューニングを施しているという。
少々脱線するが、今回のようにAUTECHが手がけたモデルは、どれをとっても日産から出てくる同様のモデルよりもサスペンションの質が高い。
ノート AUTECHクロスオーバーFOURのように車高がノーマルより25mmも上がる場合、まず考えなければならないのは重心が高くなることで起きる不安定さを取り除くことである。
一般的に車高を上げると、たいていはタイヤが逆ハの字のようになってしまう。そうなると見た目の格好も悪く、ステアリングのコンタクトも設置感が薄くなりがちになる。
▲インテリアは通常モデルとほぼ同じ
▲シートはAUTECH専用の仕様スポーティなSUVらしさが出ている乗り味
しかし、その点はしっかりと対応がなされていた。ステアリング系の剛性感は高く路面とのコンタクトもしっかりとしている。バネレートを上げているにもかかわらず、ノーマルと比べても遜色ない。
あくまでもノーマルに比べてであるが、サスペンションの動きを正確にとらえようとしている。ボディのバイブレーションも少なく、質の高さがうかがえるのだ。
コーナリングはバネの硬さの変更によってロールも抑えられている。上下の動きに対してもバネレートに合ったダンピングによりおさまりがいい。
願わくばもう少しソフトなタッチになると質感も向上するにちがいない。人によってはゴツゴツとしていると思うかもしれないが、スポーティなコンパクトクロスオーバーと思えば合点がいくだろう。
▲後席は大人が座っても狭さを感じさせないスペースがしっかり確保されている完成度が高い4WDの性能
デザイン的には車高が上がった分フェンダーアーチとタイヤの関係に無理があるので、力業でリフトさせた感じは否めないが、このあたりは愛嬌であると思いたい。
いずれにしてもノーマルよりも乗り心地の質は上がっている。5ナンバーサイズのコンパクトハッチでしかも4WDの性能はとてもいい。
この車の最大の利点は、前後モータードライブによる4WDによって負荷が少ない状態で走行していると静粛性が高い点である。
しかも、滑りやすい路面ではスロットルを踏んでロードをかけておけば、積極的に後ろから押し出す制御によってドライビングに手を差し伸ばしてくれるはずだ。
兄貴分のノートオーラに比べてしまえば、乗り心地は不満があるかもしれない。
質の違いはあるが、5ナンバーサイズで出力のパフォーマンスはオーラと同様だ。そしてオーラにはない150mmという最低地上高は、決められた制約がある人には利点となるであろう。
▲コンパクトカーの利便性を損なわずにSUVらしさを味わえるモデルである【試乗車 諸元・スペック表】
●ノート AUTECH クロスオーバー FOUR 4WD
| 型式 | 6AA-SNE13 | 最小回転半径 | 5.2m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.05m×1.7m×1.55m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.58m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.49m/1.49m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.03m×1.45m×1.24m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1360kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1635kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.15m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ダークメタルグレーメタリック、オリーブグリーンチタンメタリック |
||
| オプション色 |
ピュアホワイトパール3コートパール、ガーネットレッドカラークリアパール、オーロラフレアブルーパール2コートパール、ミッドナイトブラックパール、オーロラフレアブルーP/スーパーブラック、プレミアムホライズンオレンジPM/Sグレー |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 6AA-SNE13 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ダークメタルグレーメタリック、オリーブグリーンチタンメタリック |
| オプション色 | ピュアホワイトパール3コートパール、ガーネットレッドカラークリアパール、オーロラフレアブルーパール2コートパール、ミッドナイトブラックパール、オーロラフレアブルーP/スーパーブラック、プレミアムホライズンオレンジPM/Sグレー |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.2m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.05m×1.7m×1.55m |
| ホイール ベース |
2.58m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.49m/1.49m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 2.03m×1.45m×1.24m |
| 車両重量 | 1360kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1635kg |
| 最低地上高 | 0.15m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | HR12DE | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 36リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1198cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 82ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
103(10.5)/4800 |
| エンジン型式 | HR12DE |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1198cc |
| 最高出力 | 82ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
103(10.5)/4800 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 36リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
この記事で紹介した車
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