ホンダの隠れた名車 グレイスは、ホンダセンシングの良さをより引き立てるモデルだ(試乗レポート)
カテゴリー: ホンダの試乗レポート
2017/09/11

初期型は良い意味で期待を裏切るポテンシャルを持っていた
初めてグレイスに試乗したのは2014年12月。その3ヵ月前に試乗した現行型フィットと基本的には同様のコンポーネントなので、セダンであるグレイス用にチューニングがされているとはいえ、フィットを超えることはないのではと考えていた。
ところが運転してみるとこれがとても良かった。DCT(AT)はまだ成熟レベルではなかったが、フィットハイブリッドよりもスムーズで、今となっては貴重な5ナンバーサイズセダンにして乗り心地と静粛性はとても良いモデルと思っていた。
デザインだが、テールランプは欧州車を意識したグラフィックで、ボディの造形はホンダ車の中では際立っている印象がある。とはいえ、フロントデザインにもう少し力強さがあればバランスが良いと思ってはいたが。
このような第一印象もあり、今でも私自身、グレイスへの評価は高い。そのグレイスも、フィットの大幅なブラッシュアップにより必然的に3年目の改良が実施されたというわけだ。
静粛性もミッションのフィーリングも文句なしの隠れた名車
試乗したモデルは、グレイスの中でもトップグレードの「HYBRID EX・Honda SENSING」だ。
見た目だが、空力的に有利な意匠に加え、目元のデザインの変更でシャキッとした印象。加えて、ホイールベースとリアに向かって伸びのある造形のバランスが、ハッチバックのフィットに比べて良く見える。


まずは市街地での試乗。乗り心地はとても良く、静粛性も確実に向上している。しかもDCTはとてもスムーズでゆったりとした大人っぽいフィーリングになった。現代の車としては小振りなサイズも走行中の快適性や安定性は抜群だ。高速の風切り音もフィットより小さい。
やはりグレイスは隠れた名車だと感じる。

安全&快適装備「ホンダセンシング(Honda SENSING)」の性能チェック!
ホンダセンシングの機能を試してみた。今まで、ホンダは他社よりも予防安全装備の性能が劣っていたことは否めない。そのため、今回はどこまで進化したのか試したかったのである。「ACC(追従型クルーズコントロール)」「LKAS(車線維持支援システム)」「誤発進抑制機能」「歩行者事故低減ステアリング」「路外逸脱抑制機能」「先行車発進お知らせ機能」「標識認識機能」など、搭載機能はコンパクトカーながら“てんこもり”だ。
高速道路でACCとLKASを試してみる。ブレーキによる減速フィーリングも、リニアな速度調整がされていて安心感がある。レーンキープも安定感がありコンパクトカーの中では優れているといえるだろう。ステアリングの切り方も優しく自然と導いてくれ、決して強引ではない。
ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせの中では、最も自然な制御がされていて、価格以上のバリューを感じる。
ホンダセンシングの初期段階から見ているだけに、ここまで進化するとホンダの安全装備に関する功労者はどんな人なのかと思わず想像してしまう。ただこの進化は、グレイスの持つ安定性がさらに高まったことによる恩恵も大きい要因なのだ。


【SPECIFICATIONS】
■グレード:HYBRID EX・Honda SENSING ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC+モーター ■総排気量:1496cc
■最高出力:81(110)/6000 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:134(13.7)/5000 [N・m(kgf・m)/rpm]
■モーター最高出力:22(29.5)/1313-2000 [ kW(ps)/rpm]
■モーター最大トルク:160(16.3)/0-1313 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:7AT
■全長×全幅×全高:4450×1695×1475(mm) ■ホイールベース:2600mm
■車両重量:1190kg
■ガソリン種類/容量:レギュラー/40(L)
■車両価格:235.3万円(税込)
【関連リンク】
- ホンダ グレイス(現行型)のカタログはこちら
- ホンダ グレイス(現行型)の中古車はこちら
- ※今回のマイナーチェンジモデルに限定したリンクではありません。ご了承ください
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