往年のライトスポーツカーをほうふつさせる、マツダ ロードスターRF(試乗レポート)
2017/05/31

ルーフを閉じても素晴らしいデザイン
個人的にではあるが、最近発売した国産モデルの中で、最もスタイリングがカッコイイと思うのが今回試乗した『マツダ ロードスターRF』である。
先に発売されたフルオープンのロードスターは開放的で、ライトウェイトスポーツカーそのものである。しかし耐候性という点ではメタルトップやハードトップに劣るのは致し方ない。今まで何台かオープンカーを所有してきたが、フルオープンにしたタイミングは本当にわずかであった。ほとんど幌を閉じて走るのである。
この価格帯のオープンカーは、幌を開けたときのスタイリングを重視しているため、コストの面からもルーフを閉じたときのスタイリングが犠牲になってしまうことが多い。しかしながらロードスターRFは違った。フルオープンにこだわらず、ルーフの開放感を第一にしつつも快適性を兼ね備えた素晴らしいデザインにまとめることができたのである。


気持ちの良い2リッターエンジンとシフトフィール
今回の試乗ではスタイリングはもとより、快適性能がどれだけ向上しているかがわかる山間部と高速を中心としたロングドライブを行った。出発地点のマツダR&Dセンター横浜から箱根、伊豆スカイラインを抜けて下田までの、高速とワインディングを十分堪能できるコースだ。
開放的な場所になるまでファストバックのスタイルで走る。通常のロードスターに比べて高速でも上質な静かさに包まれ、オープンボディであることを忘れさせる。またステアリングのセッティングが若干緩い雰囲気になっているので、センシティブではなく高速での横風や路面のワダチで車にフラつきが生じたときでも修正が容易で疲れにくい。2リッターエンジンも余裕があるので、必死になって回転を上げなくてもゆとりのある走りができるのだ。
今回の試乗はMT車であったが、以前試乗したAT車以上にボディ剛性が高くバイブレーションも少なく申し分ない。厚木から小田原厚木道路を経てMAZDAターンパイクでワインディングを試す。料金所からの上り坂はエンジンのトルク特性が勝負となるのだが、気持ちよくエンジンを回すことができて楽しすぎる。ギア比の設定もクルージングとワインディング両方に適したものになっており、シフトフィールも剛性感があってカチカチと決まる。ヒール&トーもとてもやりやすく、不必要なダブルクラッチのヒール&トーなんかしてノスタルジーの感傷に浸りながら楽しんだ。マツダの人馬一体思想のもとで、ロードスターRFは大人の乗り物へと仕上げられていた。
マツダの中でロードスターRFは特質なドライビングフィールを持っているモデルだ。昔ながらの素朴さが残る操作感は、いま現在の自動車メーカーが作る中で唯一ではないかと思うほど往年のライトスポーツカーをほうふつとさせるフィールだ。ワインディングのいくつものコーナーを抜けながら、今後もこれだけは大切にしてほしいと思った。
タイトなスポーツカーでありながら同乗者への気配りも忘れていない
途中、伊豆スカイラインでリトラクタブルファストバックを開けて走ってみた。風がちょうどよく車内に巻き込んで程よく髪がなびく。これならパッセンジャーシートにレディを同乗させても風の巻き込みで文句は言われない。適切なギアをチョイスしてスムーズに運転すれば、同乗者もオープンカーの開放感とともに快適で上質な時を味わうことができるであろう。リトラクタブルファストバックは、スポーツーカーの基本であるロングノーズショートデッキをさらに強調したデザインでありパッケージングとして素晴らしい。またマシングレーといわれる色合いもシックで高級感さえ感じられる。軽やかにワインディングをこなして、高速はゆったりとクルージングできる。タイトな空間を大人に感じさせるのは運転の技量とマチュアな心だろうか。

【SPECIFICATIONS】
■グレード:VS(6MT) ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1997cc
■最高出力:116(158)/6000 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:200(20.4)/4600[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD(FR) ■トランスミッション:6MT
■全長×全幅×全高:3915×1735×1245(mm) ■ホイールベース:2310mm
■車両重量:1100kg
■JC08モード燃費:15.6(㎞/L)
■ガソリン種類/容量:ハイオク/45(L)
■車両価格:357.48万円(税込)
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