エンジンに大きく手が加えられ、さらに気持ちいい走りを可能にしたロードスターとRF
カテゴリー: マツダの試乗レポート
2018/09/27

滑らかな乗り味に進化したロードスター
ロードスター、RFともにエクステリアやインテリア、パワートレインに改良が行われた。特にロードスターの方はエンジンに大きく手が加えられている。ピストンリングを中心に各部フリクション低減と一度の燃焼で2回だった燃料噴射を3回の噴射にしてより細かく燃焼をコントロールできるようになった。

今回から採用している高輝度のグレーメタリックのホイールがタイヤハウス内を引き締めたのと同時に、Aピラーのブラックと相乗効果で精悍さが増したように感じる。
操作系でいうとステアリングが固定式であったがテレスコピック式となって細かなポジションを合わせることが可能となっている。ポジションを合わせてスタートだ。
軽やかにクラッチはキレが良い。1速にスパッと入る。アイドリングからエンジンのガサツキがかなり低減している。クラッチを繋げるととにかく滑らかな走り出しだ。2速、3速とシフトアップするが以前にあったエンジンの嫌な振動はなくなりレスポンスも上々だ。
一般道から高速に入る合流では1.5Lのポテンシャルをフルに発揮してみる。スムーズで高回転までストレスが少ない。フライホイールの軽量化などでピックアップもよくクラッチの切れもよくなったように感じる。
アクセルがリニアに反応するとコントロールがしやすい。乗り心地も滑らかになる。ロードスターRFがオススメであったが、改良したロードスターは滑らかで大人の仕様となった。
気持ちよく伸びるエンジンになったRF
次にロードスターRFの試乗だ。とても良い印象でクローズドコースを終えているので一般道ではどのような変化があるのかと考えながら試乗する。
今回は旧モデルも用意されていたので、初めに旧型のモデルに試乗だ。多少走行距離も延びてはいるが旧型もなかなかイイ。サスペンションも馴染んできていて乗り心地がこなれた印象であった。
ただエンジンはこれほどガサツキがあるエンジンだったか、と感じながら改良型に乗り替える。

国道までのガタガタな踏切を通過する。すると明らかに旧型の方が振動が少なく、改良型はサスペンションの動きが左右で動きがバラバラになっている感じであった。
個体によって違いはあるものの明らかな違いで、2回ほど同じ場所を走ってフィーリングを確認する。ボディは固いがしなやかではない。クローズドでの試乗はフラットな路面だったせいか気にならなかったが、凹凸の多い一般道のアスファルトは何か違いを感じる。
マツダ側はエンジン以外サスペンションのセッティングも同じだという。そう思うと生産の精度によって剛性に違いも出てくる。
様々な思いをはせながら一般道から高速へ入る。改良された2Lは気持ち良く伸びのあるエンジンだ。エグゾーストからの音はいささか大きいように感じるが体に伝わる音と振動で乗っている演出は申し分ない。
とはいっても静粛性はRFに軍配が上がり長距離は断然オススメだ。改良の価値は十二分に感じる。今回の試乗では一般道でも圧倒的にRFの方が良いと思っていただけにロードスターの1.5Lユニットが予想を超える仕上がりであった。
どちらともに言えることは成熟したエンジンになったということである。そして精度も向上して確実に全体のバランスが良くなってきている。これからの発展も見逃せない。

【SPECIFICATIONS】
■グレード:S スペシャルパッケージ ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1496cc
■最高出力:97(132)7000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:152(15.5)/4500[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:6MT
■全長x全幅x全高:3915 x 1735 x 1235(mm) ■ホイールベース:2310mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/40(L)
■WTLCモード燃費:16.8(㎞/L)
■車両価格:275.94万円(税込)
■グレード:RF RS ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1997cc
■最高出力:135(184)7000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:205(20.9)/4000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:6MT
■全長x全幅x全高:3915 x 1735 x 1245(mm) ■ホイールベース:2310mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/45(L)
■WTLCモード燃費:15.8(㎞/L)
■車両価格:381.24万円(税込)
【関連リンク】
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