スバル WRX S4/STI【試乗レポート】(松本英雄)
カテゴリー: スバルの試乗レポート
2014/09/26

CVTのS4とMTのみのSTIがラインナップ
スバルから純血のスポーツセダンWRXが発表されたのは記憶に新しい。ラリーなどのモータースポーツ性が高いインプレッサWRXから独立してさらなる進化を試みたWRXは待ちに待ったモデルといえる。
WRXには2つのモデルがある。1つは直噴ターボと独自のATを組み合わせたS4。こちらは燃費の良さと安全性を磨きつつ、MTに自信がなくてもスポーツ走行が楽しめるモデル。
2つ目は高出力ターボと6MTのみの正統派STIとも言えるスポーツモデル。油圧式ではなく、機械式のサイドブレーキを採用したのもモータースポーツを意識した泣かせる部分で、その本気度がうかがえる。
S4にはGT-S、STIにはタイプSというともにSが付くグレードがあり、スバルファンならご存じのビルシュタイン製のダンパーが装着されている。今回はすべてのグレードを試乗することができた。
スポーティかつ安定した走りをあらゆるシーンで楽しめるS4
初めにS4を試乗する。路面状況が良いサーキット内の道路ということもあるが、走り出した瞬間に静粛性がかなり高いことが分かる。同社の他のモデルよりもボディの剛性が驚くほど向上している。レヴォーグをさらにソリッドにした印象だ。サスペンション取付け部のピボット剛性も高くアライメントの変化も少ない。サスペンションが路面の細かな凹凸にもしっかりと対応していて、車体の挙動が安定している。2.0GT-Sモデルはスポーティな味付けだが、サスペンションの動きはシャシーとのバランスがより取れている2.0GTの方がスムーズな走りだった。

直噴ターボとCVTトランスミッションの相性も良好で、エンジンの能力が無駄なく最大限に高められている。「インテリジェント」「スポーツ」「スポーツシャープ」の3つの走行モードが選べるSI-DRIVEシステムが搭載されており、特にスポーツシャープモードにしたときは、ステップアップ式のAT風なセッティングになり、CVTとは思えないほどスポーティな走りを味わうことができる。街乗りから高速、ワインディングとすべてを高次元で満足させる。
STIはWRXの実力が垣間見える渾身の1台
では乗り手を選ぶSTIはどうだろう。サーキットでハイスピードで試すことができた。
初めはSTI タイプS。エンジンはインプレッサSTIにも搭載されたEJ20ユニットであるが、熟成を重ねてスムーズさが増し扱いやすくなった。

走り出して時速160km/hを超えてコーナーにさしかかっても高いスタビリティを発揮していた。そこからのブレーキングでもきれいにトレース可能で、タイトなターンを少しオーバースピードで入っても、姿勢に乱れもなくコントロールできる。サーキットでも揺るがない十分なポテンシャルを持った高いシャシー性能は、まるで特別にあつらえたかのような仕上がりである。
そして標準のSTIは、程よいロール剛性としなやかなサスペンションで、ラリースト好みのより粘りのある追従性の高いセッティング。ブレーキングするとリア部が不安定になってしまうことがあるが、これにはそういった不安定な要素もない。WRXのポテンシャルが本当に高いことが分かる渾身の1台であった。


【SPECIFICATIONS】
■グレード:S4 2.0 GT EyeSight ■乗車定員:5名
■エンジン種類:水平対向4DOHC+ターボ ■総排気量:1998cc
■最高出力:300/5600[ps/rpm] ■最大トルク:400/2000-4800[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4595×1795×1475(mm) ■ホイールベース:2650mm
■車両重量:1815kg
■車両本体価格:334.8万円(税込)
■グレード:STI 2.0 タイプS ■乗車定員:5名
■エンジン種類:水平対向4DOHC+ターボ ■総排気量:1994cc
■最高出力:308/6400[ps/rpm] ■最大トルク:422/4400[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6MT
■全長×全幅×全高:4595×1795×1475(mm) ■ホイールベース:2650mm
■車両重量:1765kg
■車両本体価格:411.48万円(税込)
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