【試乗】新型 三菱トライトン|「今までの三菱車で最良」と言っても罰は当たるまい
2024/05/21
▲2024年2月に国内で発売となった新型 三菱 トライトン。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、公道でのインプレッションをお届けする4WDピックアップという三菱の伝統
三菱のピックアップトラックの歴史は1978年までさかのぼる。フォルテと日本では呼ばれ、海外ではL200 など様々な名前で呼ばれていた。特にフォルテは少し古い三菱車をご存じの方なら記憶にあるピックアップトラックではないだろうか。
その後、三菱は4WDのピックアップを積極的に開発していくわけだが、さかのぼれば戦後4WDのノウハウと生産を世界で唯一JEEP社から伝授された後の三菱自動車は、4WDの知識が満載である。
そんな特徴をもつ三菱製ピックアップの第4世代として、2005年にタイで登場したのが日本名“トライトン”である。初代は日本に2006年から輸入されたが、2014年に登場した2代目は国内では販売されなかった。
そんなさなか2023年に3代目トライトンが登場。その後、日本にも導入された。そのモデルこそ、今回試乗した「三菱 トライトン GSR」である。GSRといえば、スポーティな走りでラリーシーンで活躍した最高峰モデルに名付けられた名称だ。
今回は岩場とマッドのクロスカントリーと、アスファルトの県道のターマックを走行したので、この貴重なダブルキャブピックアップの感触をお伝えしたい。

▲トライトンには2つのグレードが存在し、スタンダードモデルがGLS、上級グレードが今回試乗したGSR(写真)本格オフロードコースで試走
エンジンは2.4L直4ディーゼルターボであり、204psとトルクは470N・mを発揮する。出力そのものも大切なファクターであるが、クロスカントリーや一般道においてこの手のモデルは出力特性が大切である。
走行モードは状況に合わせていくつか用意されている。ダイヤル式のセレクターとドライブモードの変更も分かりやすい。
山を上り下りするクロスカントリーには、足回りの動きとエンジン特性、自動的に左右前後の各ブレーキをつまんでトラクションをコントロールするシステムが重要だ。これらのセッティングは経験によるノウハウが走破性を引き出す肝となる。
▲試乗コースは本格的なクロスカントリーである『富士ヶ嶺オフロード』スロットルを踏むと非常に力強いユニットだ。6速ATも無駄な滑りを少なくしながらトラクションも伝えるタフな仕様である。
MTの方がダイレクトで走破性が良好と言う方もいるが、それはある程度熟練を要す乗り方だ。絶対的な性能がモデルにあればATの方が滑らかでいい。
そして何より驚いたのは、乗り心地とボディ剛性の高さである。キャビンはともかく、通常ここまで長いボディと荷台はねじれを感じ、トラクションにも関係してくる。それがこのトライトンはバタバタせずしっかりと路面をとらえるのだ。
タイヤはオールテレーンのため泥にはそれほどトラクションは生まないと思っていたが、なんのなんの、グイグイ上っていく。この場所で先代のトヨタ ランドクルーザー(200系)を試走したことがあるが、比較してもはるかに走破性が良く滑らかなドライビングだ。

下りはヒルディセントコントロールのあり・なしをどちらとも体験したが、個人的にはなしで試した方が直進性を上手にコントロールできそうだ。
総じて、とにかく4WDの知見のノウハウを見せつけられたという印象だ。エクステリアは好みもあるが、装飾的なパーツからも本格的な力強さが備わっていることが伝わってきていいと思う。

オンロードも好感触。今までの三菱車で最良レベルだ
クロスカントリーでこれはいいと太鼓判ものであるが、ターマックも走ってみる。
約5.4mの長さと1.93mの車幅は大きいが、岩場でも感じたが見切りもよく長さを車庫入れで感じる。乗り心地も非常に良好だ。ボディ剛性も言うことない。

これさえあれば極地に取り残されても生き残れるんじゃないのか? と感じた素晴らしい4WDピックアップである。
聞けば、知見のある少数精鋭のメンバーで開発を行ったそう。そうした密なコミュニケーションによってこそ、素晴らしい性能を作り出せたのであろう。



【試乗車 諸元・スペック表】
2.4 GSR ディーゼルターボ 4WD
| 型式 | 3DF-LC2T | 最小回転半径 | 6.2m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.36m×1.93m×1.82m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 3.13m |
| ミッション | 6AT | 前トレッド/後トレッド | 1.57m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.77m×1.54m×1.18m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2140kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | 500kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2915kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカ |
||
| オプション色 |
ヤマブキオレンジメタリック、ホワイトダイヤモンド |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | 4N16 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 75リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 2439cc | 燃費(WLTCモード) | 11.3km/L └市街地:8.5km/L └郊外:11.4km/L └高速:13km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 204ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
470(47.9)/2750 |
| 型式 | 3DF-LC2T |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 6AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカ |
| オプション色 | ヤマブキオレンジメタリック、ホワイトダイヤモンド |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 6.2m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.36m×1.93m×1.82m |
| ホイール ベース |
3.13m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.57m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.77m×1.54m×1.18m |
| 車両重量 | 2140kg |
| 最大積載量 | 500kg |
| 車両総重量 | 2915kg |
| 最低地上高 | 0.22m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 4N16 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2439cc |
| 最高出力 | 204ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
470(47.9)/2750 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 75リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 11.3km/L └市街地:8.5km/L └郊外: 11.4km/L └高速: 13km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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