でんきパンダ、真冬に空腹で倒れそうになる
2019/03/04

電欠!? でメーターが真っ白に!
川端康成の小説を読む以前から、トンネルを抜ければ雪国であることは知っている。
何しろ新潟県に生まれて今年で53年。たとえ東京が晴れていても、いや晴れているほどに関越トンネルを抜ければ雪が舞い狂うことは知っている。
ところが今回の帰省で初めて気づいたことがある。「電気自動車は冬に弱い」ことだ。もうすぐ赤城高原SAだというのに、ついにメーターの表示が消えた。
「やばっ!」
あと3km、山を縫うようにして敷かれた鉄橋を上っていく最中。雲のない気持ちよく晴れ渡った正午過ぎ。後で調べると当時の気温は2度。
とうとう電池の残量が1コマもなくなり、さっきまで「さっさと充電しろ」と急かすように点滅していたマーク(ガソリンスタンドのケーブルの先っぽがコンセントになっている)まで消えちゃった。

両手を合わせて祈りたいがカーブの続く高速道路上でハンドルから両手を離せない。
手汗が吹き出て、足が震える。ギューッと膀胱が締め付けられて猛烈にトイレに行きたくなる。
悪夢の約3分間。
なんとか赤城高原SAまでたどり着いた。
ようやく両手を合わせて神様に感謝した。いつもは神様に悪態をつくことが多いのだが、このときばかりはひれ伏した。神様の存在を信じた。
低温でリチウムイオン電池の動きがにぶい
充電をし忘れたわけではない。むしろマメに充電した方だ。
なぜなら、この日はなぜか残量計の減りが早いことには気づいていたからだ。
東京を出たら嵐山PAで充電するのが常だが、残量計を見るとどうやっても足りそうにないので、手前の高坂SAで満充電にした。
さらに赤城高原SAの手前約40kmで一度降りて、道の駅・玉村宿で2/3まで充電した。それだけあればいつもなら十分すぎるほどなのに……。


よくよく考えてみれば、カメラマンは冬の寒い時期に撮影する際に、よくバッテリーを両手でもむようにして、息をかけて温める。
慌ててググッてみると、リチウムイオン電池は電荷移動反応や各種拡散反応が遅くなり(簡単に言えば動きが悪くなり)、電気の発生が鈍くなるのだという。
それでバッテリーの減りも早くなる。スマホでも同様らしい。
そうやって調べていたらあっという間に25分が過ぎた。30分で充電は終了だから早く車に戻らなきゃ、と急いだらあれ?「充電終了」って出てるぞ? (後で調べると充電時間は24分47秒)。
空っぽのバッテリーがもう満腹に?
何が何だか、もう「?」続きである。
そんなわけで慎重に充電をして帰省した結果、本来は4回充電すれば帰省できるところ、6回も充電した。
でんきパンダを飼うには相応の覚悟が必要だ
しかもでんきパンダ、夏に報告したようにエアコンがない。もちろんエンジンがない。つまり熱を発するものがないから、車内は外気温と同じだ(風がないだけバイクよりマシだが)。
おかげで車内でもダウンジャケット、スキー用のグローブ、ヒートテック上下、ヒートテックの靴下、膝掛けが必須。
ただでさえ凍えそうなのに、メーターまで消えたら血の気が本当に引く。まるで修行だ。これで風邪をひいたら話が出来すぎじゃん、と思っていたら本当にひいた。
もし君たちがでんきパンダを飼うことがあるなら真夏と真冬は避けるべし、と伝えたい。


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