ポルシェ タイカンの中古車価格が半年で約180万円もダウン! ハイパフォーマンスEV、今オススメの狙い方は?
2025/08/21

タイカンの中古車平均総額が半年間で約180万円ダウン!
ポルシェ初のBEVとして2019年9月にワールドプレミアされ、日本では同年11月に予約注文受け付け開始となったポルシェ タイカン。
その4ドアスポーツサルーンとしてのパフォーマンスは究極ともいえるもので、伝統的な「911」の熱心な愛好家ですら一目置かざるを得ないというか、むしろ積極的な賛辞を送りたくなる水準にある。
とはいえ、そんなタイカンも登場から5年以上が経過し、中古車平均価格も下落中。特にこの半年ほどは値落ちが進み、昨年末から約180万円も下げている。

そしてそれに伴い、総額600万円前後とかなりお安く狙える物件も増えている。そんな今だからこそ、「中古のタイカン」の買い方を考えてみたい。
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ポルシェ タイカン(初代)モデル概要:ポルシェ初のピュアEV4ドアスポーツ
まずはタイカンとはどんなモデルなのか、簡単におさらいしておこう。
2019年11月に予約受注がスタートし、翌2020年6月に国内価格が発表されたポルシェ タイカンは、ポルシェブランド初のピュアEVとなった4ドア・4シーターのスポーツサルーン。
全長4963mm×全幅1966mm×全高1378mmというディメンションは、911とパナメーラの間にあたるもので、重心高は非常に低い。


日本にまず導入されたのは「4S」「ターボ」「ターボS」の3グレード。前後アクスルに1基ずつのモーターを搭載し、四輪を駆動させるこれらグレードのシステム総合最高出力/最大トルクは、4Sが530ps/640N・m、ターボが680ps/850N・m、ターボSが761ps/1050N・mとなっている。
満充電からの航続可能距離は、上記の順に407km、450km、412kmというのが導入当初のカタログデータだ。
2021年1月には後輪駆動のベーシックモデル「タイカン」を追加。
後輪車軸に搭載されるモーターは、ローンチコントロールおよびオーバーブーストモード使用時に最高出力408psを発生。駆動用リチウムイオンバッテリーは容量79.2kWhの「パフォーマンスバッテリー」が標準で、こちらのバッテリーは4Sにも標準搭載される。
オプションとして容量93.4kWhの「パフォーマンスバッテリープラス」をチョイスしたタイカンおよび4Sはモーター最高出力が強化される他、航続可能距離もアップする。


またこの他、ポルシェ タイカンの各モデルは前後シートそれぞれに2名ずつ着座する4シーターが標準となるが、後席中央にもう1名が(狭いが)座れる「4+1シート」もオプションとして設定された。
なおカーセンサーnetでは、こちらの「4+1シート」と前述した「パフォーマンスバッテリープラス」をオプション装着している物件は、それぞれ独立したグレードとして区分されている。
2021年11月には4Sとターボの中間に位置付けされるシステム最高出力598ps/航続可能距離504km(WLTPモード)の「GTS」を追加。
そして2024年2月に全モデルの大幅なアップデートを行い(※GTSの大幅改良は2024年11月)、同年3月にはシステム最高出力なんと1108psの「ターボGT」を追加した――というのが、ポルシェ タイカンのごく大まかなモデル概要となる。
選択肢①:とにかく安く狙うなら総額600万円台のタイカンまたは4S
2025年8月上旬現在の中古車平均価格が約1050万円となるポルシェ タイカンをとにかく安く狙いたいと考える場合は、「総額600万円台の4Sまたはタイカン(ベースグレード)をチェックする」というアクションが基本となる。

前述日現在、総額600万円台のプライスで流通しているポルシェ タイカンの物件数は全国で約10台。やや心もとない数字ではあるが、まあ探せなくはない台数ではある。
そして、走行距離もせいぜい2万km台から3万km台であることがほとんどであるため、内外装や足回り、パワーユニットなどに大きな問題を抱えている個体は少ないはず。
より高額な物件と比べれば中古車として見劣りする点もあるだろうが、よほど手荒く扱われた物件をつかまない限り、ハイパフォーマンスEVスポーツとしてのタイカンの魅力を普通に堪能できるだろう。
総額600万円台で流通している各グレードの詳細は下記のとおりだ。
【タイカン(ベースグレード)】
・パフォーマンスバッテリー 4+1シート|3台|総額650万~690万円
・パフォーマンスバッテリープラス 4シート|2台|総額650万~670万円
【4S】
・4S パフォーマンスバッテリー 4シート|3台|総額610万~690万円
・4S パフォーマンスバッテリー 4+1シート|1台|総額680万円
・4S パフォーマンスバッテリープラス 4+1シート|1台|総額680万円
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ポルシェ タイカン(初代)×総額700万円未満×タイカン(ベースグレード)/4S系グレード選択肢②:コスパ重視でいくなら2種類の方向性を検討してみる
「コスパ重視」でいきたい場合は2つの方向性が考えられる。
ひとつは、ほどほどのシステム最高出力を発揮する「タイカン」または「4S」を、総額600万円台ではなく700万円台で狙ってみるという方向だ。

爆発的なパワーや圧倒的な優越感などは得にくいチョイスだが、その代わり、総額600万円台の場合よりは明らかに好条件な1台を見つけることができるため、総額700万円台という現実的なコストでもって「しみじみとした満足感」というパフォーマンスを得られるのがこのチョイス。
常識はずれなまでにバカっ速いEVは不要と考える人にオススメの選択肢である。
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ポルシェ タイカン(初代)×総額700万円~800万円未満×タイカン(ベースグレード)/4S系グレードもうひとつの方向性は、その「バカっ速いEV」であるタイカン ターボやターボSを、総額1000万円台から1100万円台ぐらいで狙うというものである。

総額約1000万円台というお金は、当然ながら「安い」とは言えない金額だ。しかし、新車価格が軽く2000万円を超えるターボやターボSの低走行物件を約半値で入手すると考えれば、ある意味安いというか「コストパフォーマンスが良い」と考えることはできる。
また、せっかくポルシェ タイカンに乗るのであれば、やはり700ps級の鬼パワーを堪能したいと考えるのも人情ではある。そのため「ほどほど」では満足できないタイプの人にとっては、これこそが「高コスパな選択肢」となるだろう。
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ポルシェ タイカン(初代)×総額1000万~1200万円未満×ターボ系グレード/ターボS系グレード選択肢③:予算に余裕があるなら後期型で最高レベルの満足度を堪能する
ポルシェ タイカンは2024年2月に大規模なアップデートを行い(※GTSは2024年11月に改良実施)、いわゆる後期型となった。
アップデートの内容は「加速性能の向上」「航続距離の向上」「アダプティブエアサスペンションの標準装備化」「パワートレインとソフトウェアの最適化」「前後デザインの変更」など枚挙にいとまがないが、とにかく徹底的にブラッシュアップされたのが、2024年2月以降の後期型である。



もちろん徹底的にブラッシュアップされ、そして年式的にまだ新しいということで、後期型の中古車価格は決して安くはない。というか、むしろ高額である。
だが金銭感覚というのは人それぞれであるため、下記に記した中古車価格の目安を「意外と高くないな」と感じる人にとって、後期型のポルシェ タイカンはお買い得でオススメな選択肢となるだろう。
【後期型中古車価格の目安】
・4S パフォーマンスバッテリー プラス 4+1シート 4WD|総額1200万~1370万円
・パフォーマンスバッテリー 4+1シート|総額1080万~1250万円
・パフォーマンスバッテリー プラス 4シート|総額990万~1000万円
・パフォーマンスバッテリー プラス 4+1シート|総額1000万~1400万円
・ターボ 4シート 4WD|総額1400万円
・ターボ 4+1シート 4WD|総額1300万円
・ターボGT 4シート 4WD|総額2370万~2430万円
・ターボGT ウィズ ヴァイザッハ パッケージ 2シート 4WD|総額2200万~2700万円
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ポルシェ タイカン(初代)×2024年2月以降生産モデル▼検索条件
ポルシェ タイカン(初代)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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