メルセデス・ベンツ CLS シューティングブレーク (岡崎五朗)【海外試乗】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2013/01/28

積むための機能を徹底的に追求したわけではないが、それでもセダンにはないユーティリティを備えているのは事実。それでいて美しさは並みのセダンを軽く凌ぐ。ファミリーユース時の使い勝手にも気を遣いつつ、一人の男としての時間を大切にする人に勧めたい
右脳に語りかけるもっとも美しきメルセデス
目指したのは羨望
「 美しさを追求したステーションワゴンなど果たして必要なのか? そんな批判もきっと出るでしょう。しかしCLSシューティングブレークが目指したのは“利便性”ではなく“羨望”なのです」
メルセデスというと、とかく堅物メーカーと思われがちだが、実は彼らほど人間の本質を深く理解しているメーカーはない。安全性や環境性能に深くコミットする一方、超高級車や大排気量エンジンを搭載した高性能モデルも送り出し続けているのは、人間の欲望にも深くコミットしているからこそ。CLSシューティングブレークもまた、美しく贅沢なクルマに乗りたいという人間の欲望に応えるべく送り出されたモデルだ。
しっとり穏やか、オトナの走り
落ち込んだルーフラインや傾斜の強いDピラーを見れば明らかなように、CLSをベースに車体後部をリ・デザインしたボディは、荷室容量よりも美しさに主眼を置いたもの。CLSと比べれば荷室は広く、後席のヘッドルームも増したが、大量の荷物を積み込むとなるとEクラスステーションワゴンのほうが使い勝手は良い。
しかし、冒頭で紹介した開発者のコメントからもわかるように、CLSシューティングブレークの持ち味は利便性ではなく、優雅なデザインや妖艶な雰囲気。端的に言えば、CLSと比べてどちらが便利かではなく、どちらがカッコいいと思うか、という観点で選ぶべき車なのである。結果は個人の判断次第だが、僕としては初代と比べてやや保守的になってしまっている現行CLSよりも、シューティングブレークに強い吸引力を感じた。
リアサスに車高調整機能をもつダンパーを採用していることと、CLS550が4MATICになる点を除けばハードウェアはCLSと同じ。快適性とパフォーマンスを高いレベルで両立した走向性能は健在だ。
SPECIFICATIONS
グレード | CLS550 4MATIC BlueEFFICENCY Shooting Brake | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 7AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4970×1880×1420 | ||
ホイールベース(mm) | 2875 | ||
車両重量(kg) | 2030 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 4663 | ||
最高出力[ps/rpm] | 408/5000-5750 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 600/1600-4750 | ||
JC08モード燃費(km/L) | 9.4 | ||
車両本体価格(万円) | 1240 |
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