【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Roc│サプライズという冒険より失敗しないことに重きを置いた優等生SUV!
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
タグ: フォルクスワーゲン / クロスオーバーSUV / FF / T-Roc / EDGEが効いている / c!
2021/07/09
▲ワンランク上の装備を全車標準に設定。SUVとしての利便性を備えながらも、ゴルフのような素直な運転感覚は初めてのSUVという人にオススメできる1台優しさが印象的な、ピュアなディーゼルSUV
4240mmというゴルフ7並みの全長が醸し出すサイズ感も、SUVとはいえシロッコのあいた穴を埋めるスポーティな(4ドア)クーペという立ち位置も、「Iroc(アイロック)」の響きを含んだ歴史感あるネーミングも、とにかくスキがない。
逆にいえば、ティグアンと同じCセグにクーペSUVという新ジャンルを送り出すにあたり、練りも練ったりVW、そんなニュアンスは端々まで伝わってくる。T-Rocは、ニュートラルに言うが間違いのない1台だ。
ルーフのアーチを強調するクロームは、リアエンドに向かってワイドになり、VWの特徴でもある太いCピラーを際立たせる。VW初というボディとルーフのカラーツートンは頑張っている。しかし、クーペ風デザインなのにリアセクションが八方美人すぎる。
まず、セダンのような台形のリアウインドウ、そこにブラックアウトして馴染ませたBピラーの存在感がかなり強く、リアへ向かってルーフラインが絞られない分、シュッとして見えない。かくして、後席のヘッドスペースと左右ウインドウの開閉は確保できたが、リアハッチのウインドウは寝かされ、トランク容量445Lは弟分のT-Crossの455Lに、わずかとはいえ譲る。
フロントマスクは、LEDヘッドライトとグリルを囲うクロームのグラフィックもあって小綺麗な印象を残すが、全体としてクーペSUVというよりゴルフ7という有能なハッチバックが、地面から全体的に持ち上がった感じ、そう見えてしまう。
車内に落ち着くと、視線と着座位置は確かにSUV風だが、ハッチバックよりやや高い程度。ダッシュボードの意匠はゴルフよりもポロやT-Crossの雰囲気に近く、よくいえばアクティブ、悪くいえばライトに思える。
▲特徴的なツートーンルーフは白と黒2つのカラーが用意されている。また、オールブラックカラーも選択可能
▲ボディ骨格は、アウディ Q3と共通のMQBを採用。ひとクラス上のモデルにも採用されるこの骨格のおかげで、様々な先進機能を上位モデルから継承した
▲グリル装飾は各グレードで異なっている。写真の車はサイドベントがLEDで縁取られているStyle
▲Activeは16インチ、Styleは17インチホイールが標準装備。Styleはオプションにて18インチホイールを選択できる(写真は18インチホイール)欧州ではコンサバで鳴るVW、ドイツ車のマジョリティー・ブランドのクーペSUVとしてサプライズらしいサプライズがないのは、パワートレインも同じだ。7速DSGと組み合わされる2LディーゼルのTDI 150ps/340N・m仕様だが、輸入車の2Lディーゼルの180ps/400N・mあたりが標準的な性能である昨今、ほぞをかむほど遅くないが、キビキビもしなければスポーティでもない。
NVH(騒音、振動、ハーシュネスの快適性に影響する要素の指数)という観点では、確かに今どき珍しいぐらいディーゼル音が中でも外でもはっきり目立つ一方で、18インチを履きながら不快な揺れや突き上げは皆無。ハンドリングはVWらしく弱アンダーステアは一貫しているが、曲がり始めの応答性はむしろ素直で、乗り心地もしなやか。
また、ドイツ車にしては珍しくショルダーの張っていないボディ形状ゆえ、SUV特有の見切り悪さや取り回しの難しさがなく、車両感覚は街乗りでもつかみやすいだろう。
試乗は高速道路こそ試せなかったが、非アウトバーン的志向すら感じさせる珍しいVWというか、マツダでいうMX-30のような「裏」を担う感覚が、T-Rocにはある。ノーサプライズであることがバッド・サプライズという人には向かないが、冒険をしない(クーペ)SUVであることに意義がある、T-Rocはそういう1台なのだ。
▲インテリアトリムをボディカラー同色にカスタマイズ可能なデザインパッケージが、Styleに用意されている。これには、ドアミラーやホイールカラーのカスタマイズも含まれる
▲ラゲージ容量は弟分のT-Crossより少ない。しかし、後席を倒せばT-Crossよりも9L多い1290Lまで拡大することができる
▲搭載される2L 4気筒ディーゼルエンジンは全グレード共通。0.03秒でシフトチェンジする高性能なDSGによって、レスポンシブな走りが可能【試乗車 諸元・スペック表】
●TDI スタイル デザイン パッケージ ディーゼルターボ
| 型式 | 3DA-A1DFF | 最小回転半径 | 5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.24m×1.83m×1.59m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.59m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.54m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1430kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ラヴェンナブルーメタリック、アトランティックブルーメタリック、エナジェティックオレンジメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、フラッシュレッド |
||
| オプション色 |
ターメリックイエローメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-A1DFF |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ラヴェンナブルーメタリック、アトランティックブルーメタリック、エナジェティックオレンジメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、フラッシュレッド |
| オプション色 | ターメリックイエローメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.24m×1.83m×1.59m |
| ホイール ベース |
2.59m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.54m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1430kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DFF | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
18.6km/L
└市街地:14.9km/L └郊外:18.5km/L └高速:21km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
340(34.7)/3000 |
| エンジン型式 | DFF |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
340(34.7)/3000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 18.6km/L
└市街地:14.9km/L └郊外: 18.5km/L └高速: 21km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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