【試乗】新型 フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント TDI|必要にして十分な性能。実に感じのいいモデルだ
2023/02/05
▲2022年10月に日本でデビューしたフォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント TDI(ディーゼル)。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けするディーゼルモデルのTDIが追加された
フォルクスワーゲン ゴルフのハッチバックモデルは、高級感ある雰囲気で重みも感じ、しかも扱いやすい。
今日の日本において、ハッチバックというバリエーションを高めたモデルの先駆的な役割は大きい。
そして、ハッチバックよりもスペースパフォーマンス性を向上させたのが、エステートタイプのゴルフヴァリアントである。
ゴルフ3よりエステートを送り出しているが、ヴァリアントネーミングは5代目のゴルフから始まった。
その時から15年を経て、質感や高級感が増した8代目のゴルフヴァリアントは、2021年に登場したが、2022年10月には、新たに2.0LのディーゼルユニットTDIが搭載されたモデルが追加されている。
先行して登場したマイルドハイブリッドのeTSIにはすでに試乗しているが、今回は、箱根でこのTDIモデルに試乗したので、そのインプレッションをお伝えしたい。
気取ってはいないが、“いいもの”だとすぐわかる


初代のワゴンから最新の8まで、すべてのゴルフシリーズに試乗してきたが、世代を重ねるたびにとてもいい車に仕上がっているモデルだ。
4代目ゴルフのワゴンモデルまでは、ハッチバックをベースに後から付けたようなスタイリング感が強かったが、ゴルフ5以降は始めからヴァリアントとしてデザインされているので違和感が少ない。
ゴルフ8は、デコラティブな部分よりも実質的な性能を重んじて開発されモデルだ。派手さはないが作りこみは素晴らしい。
各部ドアやリアハッチの開口部を見ると精度の高さを改めて感じさせる。
インテリアの質感は、簡素で扱いやすいものの高級感あるマテリアルを使っており、所有する喜びを感じさせることであろう。
そしてTDIモデルには、2LディーゼルのEA288ユニットが搭載される。2012年より搭載されているユニットだが、次世代のために改良を重ねられる余力を残しているユニットで、ゴルフ8に搭載されるのはEA288evo4と呼ばれる。
▲搭載される2L ディーゼルターボエンジンは150ps、36.7kg・mを発生するエンジンを始動すると、先代よりもまた一回り静粛性が増した。兄貴分のパサートよりも出力的には低いが、アイドリングと踏み込んだときの静粛性は高いように思える。
36.7kg・mのトルクは、このクラスのFFモデルには十分すぎる出力である。
しっかりと路面をとらえられるのかと不安がよぎったが、箱根の峠の上りでアクセルを強く踏み込んでも、しっかりと制御され、トルクステアもなく路面とのコンタクトは申し分ない。
負荷の大きいところでもエンジンとDSGの制御も細かく、不愉快になるセレクトは試乗した範囲では皆無である。

そして、ヴァリアントタイプは大きく開く開口部があるため、剛性不足とサスペンションのマッチングがずれ、不快なバイブレーションを生じやすいが、この点においても全く申し分のない性能だ。
個人的にはハッチバックよりもコーナーリング時の車体のスタビリティが良好に思える。これは、ハッチバックに比べてホイールベースとリアオーバーハングが長く、そして重量増によるものだ。
ハッチバックに比べておよそ30万円ほど値が張るが、荷室のパフォーマンスと乗り心地のよさに加え、スタビリティも高く、ヴァリアントの方が個人的には好きである。
気取らないがしっかりといいものを感じさせるモデルは、ありそうでない。
ゴルフヴァリアントTDIは、奇をてらわずピュアに乗り回すことができる、対外的にも実に感じのいいドイツ車ワゴンである。
▼検索条件
フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)×TDI系グレード×全国 ※中古車流通台数が0台の可能性があります【試乗車 諸元・スペック表】
●TDI スタイル ディーゼルターボ
| 型式 | 3DA-CDDTSV | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.64m×1.79m×1.49m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.51m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1500kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト |
||
| オプション色 |
ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-CDDTSV |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト |
| オプション色 | ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.64m×1.79m×1.49m |
| ホイール ベース |
2.67m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.51m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1500kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DTS | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 22.1km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
19km/L
└市街地:14.5km/L └郊外:18.8km/L └高速:22.2km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
380(36.7)/2750 |
| エンジン型式 | DTS |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
380(36.7)/2750 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 燃費(JC08モード) | 22.1km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 19km/L
└市街地:14.5km/L └郊外: 18.8km/L └高速: 22.2km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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