【試乗】新型 ルノー ルーテシア|国産同セグメントでは味わえない一つ上の乗り心地
2021/01/15
▲昨年11月にデビューした、Bセグメントハッチバックのルノー ルーテシアに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライター・松本英雄がその様子をレポートするエクステリアから読み取れる、ルーテシアの高い質感
今回試乗するルノー ルーテシアは、フランスでは「クリオ」と呼ばれることを知っている人も多いだろう。
日本名だけ異なる理由は、ホンダの販売チャンネルですでに「クリオ」という名前があったからで、ルノー側は採用できなかったといわれる。だが、そのおかげで日本だけの車名として販売されている。
1990年に初代のルーテシアが誕生し、すでに30年もの歴史があるモデル。今回試乗することになった“ルーテシア インテンス”は5代目となるモデルだ。
まずは試乗の前に外観からチェックしていこう。
エクステリアは、キープコンセプトのデザインだが、先代よりもボディのフォルムに立体的な造形を増やすことで、高級感を演出している。
ドアを開けてインテリアに触れても、ちゃちな印象は本当に少なくなった。コストをかけていることが走らなくても理解できる。今は大衆的なモデルでも、質感の向上は必須な設計要件だ。
フォルクスワーゲン ポロやプジョー 208などのBセグメントの強敵を見ればわかるが、ルノーは質感とデザインに他とは違った工夫がみられる。
しかし、車は運転してみて特徴がわかる工業製品だ。ルーテシアの個性をお伝えしたい。
▲ボディサイドの流れるようなラインも美しい
▲インテリアパネルやシートパイプなどのカラーもオシャレだ出だしも滑らかで実用回転域では鋭い加速性能が楽しめる
運転席に乗り込みドアを閉めると、同様のプラットフォームを使ったルノーと同グループの日産のキックスや新型ノートよりも精度が高く、質感の高さを感じさせる。
エンジンを始動すると、4気筒1.3Lターボユニットは競合のドイツBセグメントに比べると静粛性は劣る。
先代のトランスミッションは、乾式タイプのツインクラッチAT(2ペダルMTといわれるDCT同様のミッション)であったが、新型では湿式に変更されている。
アクセルを軽く踏んで発進すると。DCTのようなギクシャク感はなく、通常のATに近い滑らかな発進が可能だ。エンジンの出力も、1.3Lと考えるとかなり力強く感じた。
そこから少し深く踏んで、出力の雰囲気を確かめてみる。ゆっくり回転を上げながら速度を増すと、7速に増えたギアが滑らかかつ、テンポよくシフトアップする。
しかし、必要以上にシフトアップせず、エンジン効率の良い回転数でとどまらせて、いつでも加速体勢に入ることが可能である。
さらにアクセルを深く踏み込み、高回転域も試してみた。低速から中速のフィーリングよりも頭打ちな感じが否めないが、実用回転域ではシャープでビビッドな加速が十分に楽しめる。
歴史的に小型車を得意とする、ルノーらしい質感の高いスポーツハッチバックに仕上がっている。
▲131psを発揮する1.3Lターボユニット
▲高速域はあまり得意ではないが、実用回転域では必要十分である高速に入り、複合カーブにさしかかるが非常に安定している。ステアリングの剛性も高く正確にトレースできる。ステアリングの操舵力は3段階変えることができるが、ノーマルで試乗している。
高速コーナーでも、Bピラーから前方は剛性が高くしっかり感がある。
しかし、リアはフロントのあんばいから比べると剛性不足を感じる。車のポテンシャルからすると、もう少し強化してもいいかもしれない。
高速からのブレーキングコントロールは極めてリニアでいい。
ちょっとした山間部も走ったが、中速からのブレーキもコントロールしやすい。ただ低速時のストップ&ゴーは、個体差かもしれないが、操作しづらかった。
今回の試乗は、一日で300kmほどを走破した。
そこで感じたことは、座りっぱなしでも疲れを知らないシートと、しなやかなサスペンションであった。
国産車の同Bセグメントでは、味わうことのできない乗り心地だった。しかし、この一つ上の乗り心地が、ドライバーに安心感を与えるのである。
▲適度なホールド感もあり、座り心地の良いシート【試乗車 諸元・スペック表】
●インテンス
| 型式 | 7BA-BJAH5H | 最小回転半径 | 5.2m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.08m×1.73m×1.47m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.59m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.51m/1.5m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1200kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ブラングラシエ |
||
| オプション色 |
ルージュフラムメタリック、オランジュバレンシアメタリック、ブルーセラドンメタリック、ブルーアイロンメタリック、ノワールエトワールメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 7BA-BJAH5H |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラングラシエ |
| オプション色 | ルージュフラムメタリック、オランジュバレンシアメタリック、ブルーセラドンメタリック、ブルーアイロンメタリック、ノワールエトワールメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.2m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.08m×1.73m×1.47m |
| ホイール ベース |
2.59m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.51m/1.5m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1200kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | H5H | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 42リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1333cc | 燃費(WLTCモード) |
17km/L
└市街地:12.7km/L └郊外:17.2km/L └高速:19.8km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 131ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/1600 |
| エンジン型式 | H5H |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1333cc |
| 最高出力 | 131ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/1600 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 42リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 17km/L
└市街地:12.7km/L └郊外: 17.2km/L └高速: 19.8km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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