【試乗】ジャガーXJR575 V8 ファイナル エディション|経済力だけでは乗れないドライバーを選ぶハイパフォーマンスカー
カテゴリー: ジャガーの試乗レポート
2020/02/02
▲2010年に登場した現行型のジャガー XJ。2019年に追加された限定車「XJR575 V8 ファイナル エディション」を自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗し、レポートするジャガー最後のV8搭載・FRモデル??
長年作られているあらゆるモデルの中で、ジャガー XJほどスポーティなサルーンはない。
4ドアというと、どうしても重たいイメージが付きまとってしまう。しかし、ジャガー XJは初代からボンネットフードとルーフを低く見せ、ワイド&ローなイメージを常に示してきた。
現在のXJのスタイリングは懐古主義にピリオドを打ったデザインだが、フロントマスクは時代が変わってもジャガーというアイデンティティを忘れてはいない。

ジャガーを率いたデザイナー“イアン・カラム”氏が作ったジャガーイズムの中心的存在がXJであったが、それもそろそろ終焉へと近づいている。
そこで2018年、集大成ともいえる「XJR575」を発売。ハイパワーなV8スーパーチャージドユニットを搭載したFRモデルで、ジャガー好きとしては少しでも遠くへ運転したい欲求に駆られたモデルだ。
さらに2019年、今回試乗する「XJR575 V8ファイナルエディション」が限定20台で登場した。
2018年のXJR575は、少々荒々しいアクセルの反応と、固められたサスペンションのおかげで高級サルーンとはいいがたく、少しやんちゃな印象だった。
それだけに、このファイナルエディションはどのように仕上がっているか、非常に楽しみである。

ちょっと踏んだだけであふれるパワー! 乗り手を選ぶ1台
試乗は東名高速から小田原厚木道路、通称“小田厚”を通り海側から峠に上がるルートで行うとしよう。
パワーはその名のとおり575馬力。このハイパワーを後輪のみで路面に伝える。
一般道では20パーセントのアクセルの踏み方で十分加速する。この領域からさらに踏み込めば、一瞬にして法定外の速度に達してしまうだろう。
路面はウエットであるが、専用に作られたピレリのタイヤは水はけの良さとスポーツライクな特性を持ち合わせている。
路面のうねりをスムーズにいなしながら高速を巡航する。厚木からの有料道路の小田厚では、雨風ともにさらに勢いを増したが安定感は上々だ。
真鶴道路を抜けて道は山間部へ向かうワインディングへ。上りなので所々登坂車線もあり、スロットルとステアリング操作を車に合わせながら走る。
こういうところを走るとジャガーっていう車は、しっかりした自分の意志で操作しなければならないと感じる。

21世紀のモデルだが、しっかりと状況をつかみながら運転しないとパワーに振り回されしっぺ返しがくる。例えば、コーナーでは基本をしっかり押さえながらアクセルを踏み込んでいく必要があるのだ。そういった意味では、自分の技量を心得ないといけないモデルである。
しかし、以前試乗したモデルよりパワーの出方がスムーズで、乗り心地も上々。これぞ高級サルーンといった仕上がりとなった。
これは、経済的に余裕がある人が選ぶだけではなく、技量が伴ってこそ選べる車だ。
電子デバイスを駆使して容易に扱えるモデルもあるが、イギリス魂に相応しい世界にこびず、ドライバーの技量を試すセッティング。これこそがジャガーが送り出すハイパワースポーツサルーンなのである。



【試乗車 諸元・スペック表】
●XJR575 V8 ファイナル エディション
| 型式 | - | 最小回転半径 | 5.8m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 5.14m×1.91m×1.46m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 3.03m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.63m/1.61m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | -kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.12m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ユーロンホワイトメタリック、インダスシルバーメタリック、ロワールブルーメタリック、ブリティッシュレーシンググリーンM、サントリーニブラックメタリック |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
※20台限定 |
||
| 型式 | - |
|---|---|
| 駆動方式 | FR |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ユーロンホワイトメタリック、インダスシルバーメタリック、ロワールブルーメタリック、ブリティッシュレーシンググリーンM、サントリーニブラックメタリック |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.8m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.14m×1.91m×1.46m |
| ホイール ベース |
3.03m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.63m/1.61m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | -kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.12m |
| 掲載用コメント | ※20台限定 ※諸元・装備情報は一部ベースとなるグレードの情報を掲載しております |
| エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型8気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | スーパーチャージャー | 燃料タンク容量 | 80リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 4999cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 575ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
700(71.4)/3500 |
| エンジン型式 | - |
|---|---|
| 種類 | V型8気筒DOHC |
| 過給器 | スーパーチャージャー |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 4999cc |
| 最高出力 | 575ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
700(71.4)/3500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 80リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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