【試乗】新型 ホンダ オデッセイ|初期型登場から7年が経ち、しっかりと改良の跡が見える「熟成モデル」に進化した
カテゴリー: ホンダの試乗レポート
2021/05/06
▲2020年11月にマイナーチェンジを受けたホンダ オデッセイ。今回はハイブリッドモデルの「e:HEV アブソルート EX」に、自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗。その際のレポートをお届けする見た目と同時に本質的部分も改良されたマイナーチェンジモデル
日本のミニバン市場において、「スタビリティが高く高級な雰囲気」というジャンルを定着させたのは、間違いなくホンダ オデッセイだろう。
初代は1994年登場に登場した。27年目を迎えた現在では、5代目モデルが販売されている。
この5代目、2013年に登場した際に試乗したのだが、そのときの印象はオデッセイ初の両側スライドドアの影響もあってか、ボディの剛性不足が気になった。
そのあとの改良型も試乗したが、サスペンションが硬めでスポーティな印象はあるものの、私には心地よさは感じられなかったというのが正直なところだ。
一方で、インテリアの雰囲気は価格の割に質感が良く、高級感ある雰囲気づくりが上手だと感じていた。
5代目が登場してから7年以上が経過しているが、その間にマイナーチェンジを繰り返してきた。
そして、今回試乗したのが2020年11月のマイナーチェンジモデルだ。進化したホンダセンシングを装備するとともに、目立たないが本質的な部分の性能を向上させてきた。
なかなか試乗するタイミングがなく、少々遅れての試乗にはなったが、数日間にわたってじっくりとドライブすることができた。そのときの様子をお伝えしたい。


ロングライフモデルゆえの改良の跡がしっかり見える
ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルート EX
試乗車は「e:HEV アブソルート EX」という、スポーティなエッセンスを入れた仕様だ。
エクステリアはフロントとリアのレンズ類をリファインして、質感の向上に努めているのが理解できる。
心臓部はe:HEV というホンダのハイブリッドシステムで、バッテリーに十分電力がたまっていればEVモードでスイスイと走り、状況に応じてエンジンがかかり発電、充電しながら走行する。
そして高速などでは、エンジンと駆動用モーターの両方を使って走行条件にあったモードで走らせる。
乗り込んですぐに、以前試乗したときよりもさらにインテリアが上質なデザインになったことがわかる。
上部に設置されたセレクターレバーをDレンジに入れ、市街地から発進だ。
初めはモーターだけで走らせるが、静粛性はとても良い。トルクが発進時から安定している特性のため、大排気量車のような優雅な雰囲気も感じられる。
モーターばかりで走らせていると不意にエンジンが始動し、音と振動を感じるため、いかにEVモードが静かだったかがわかる。

深く踏み込んで加速するとエンジンの回転が上がり、ホンダのこだわりのあるエンジンサウンドを聴くことができる。
様々な国産モデルの4気筒エンジンがあるが、ホンダの4気筒はいつ聴いても良い音だ。
ただし、無段階式のトランスミッションは、合流時などの急な加速を行った際に間延び感があるのは否めない。しかし、通常の市街地を走行しているときはその限りではない。
高速道路の安定感は良好だ。低床プラットフォームの恩恵でスタビリティは高く、強風の橋梁の上もものともせず、安心して走らせることができた。ただし、高速での風切り音はやや気になった。
一時バケツを裏返したような激しい雨に見舞われたが、このときも不安になる要素はなかった。
シートと着座位置がサルーンほど低くはないが、逆に見やすくて安定感あるポジションといった感じである。取り回しもいい。

スポーティな仕様のため決してラグジュアリーな乗り心地ではないが、ブレーキのコントロール性は高く、ハンドリングも軽快。
スポーティながらも燃費も意識しているハイブリッドミニバンということを考えると、とてもよくできているモデルだと感じた。
ロングライフモデルならではの地道な改良の姿は、実際に触れて試乗して理解できるのである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 e:HEV アブソルート EX
| 型式 | 6AA-RC4 | 最小回転半径 | 5.4m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.86m×1.82m×1.7m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.9m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.56m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.92m×1.56m×1.3m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1930kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.15m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
オブシダンブルー・パール |
||
| オプション色 |
プラチナホワイト・パール、スーパープラチナ・メタリック、プレミアムスパークルブラック・パール、プレミアムヴィーナスブラック・パール |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 6AA-RC4 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | オブシダンブルー・パール |
| オプション色 | プラチナホワイト・パール、スーパープラチナ・メタリック、プレミアムスパークルブラック・パール、プレミアムヴィーナスブラック・パール |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 7名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.4m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.86m×1.82m×1.7m |
| ホイール ベース |
2.9m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.56m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 2.92m×1.56m×1.3m |
| 車両重量 | 1930kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.15m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | LFA | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 55リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 24.4km/L |
| 総排気量 | 1993cc | 燃費(WLTCモード) |
19.8km/L
└市街地:19.1km/L └郊外:21.4km/L └高速:19.4km/L |
| 燃費基準達成 | R02年度燃費基準 +50%達成車 |
||
| 最高出力 | 145ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
175(17.8)/4000 |
| エンジン型式 | LFA |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1993cc |
| 最高出力 | 145ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
175(17.8)/4000 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 55リットル |
| 燃費(JC08モード) | 24.4km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 19.8km/L
└市街地:19.1km/L └郊外: 21.4km/L └高速: 19.4km/L |
| 燃費基準達成 | R02年度燃費基準 +50%達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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