【試乗】スバル WRX STI タイプRA-R|最後のSTIコンプリートモデルだけあって納得の完成度の高さだ
2020/03/15
▲2018年7月に限定販売された『スバル WRX STI タイプRA-R』に試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が、その様子をレポートする30年の集大成ともいえるエンジンを搭載したSTIモデル
スバルのスポーツブランドであるSTIの創立30周年を記念し、2018年に限定販売した特別仕様車のWRX STI タイプRA-R。
手を加えられたエンジンや専用のECU、徹底的に軽量化を図ったボディなどスポーツ性能を最大限に引き上げたSTIのコンプリートモデルだ。
搭載されるエンジンは、スバルのモータースポーツを支えたEJ20型。1989年から30年にわたり改良を重ね作り続けられたにも関わらず、このクラスとして常にトップのパフォーマンスを保持してきた。
この環境性能に対してシビアな世の中で、30年以上対応し続けていただけでも奇跡的である。
量産エンジンでありながら第一線のスポーツエンジンと言っても過言ではないだろう。それにSTIにより手を加えられただけあって、どのような仕上がりになっているのか、試乗が楽しみである。

エンジン、足回りは熟成され完成度が高い
エンジンを始動すると、高めのアイドリングと冷えたときにエグゾーストから発するリッチな燃料によって燃えたオイルの匂いがする。なんとも言えないノスタルジーな感じだ。
気温は5°Cを下回っている。とても寒いがこの匂いと音を聴くべく窓を開け、環状8号線の外回りを走り第三京浜方面へと向かう。

シフトアップダウンをを繰り返し、ギアの感触を手で感じながらフィーリングを確かめる。クラッチの切れがとても良いのでスポーツパフォーマンスを重視して作られていることがよくわかる。
軽くヒール&トーをしてブレーキとアクセルペダルの位置を確認してみるが、ブレーキフィールの剛性感が高くて安心感がある。
路面からの入力にステアリングホイールがダイレクトに反応する。一見ハンドルが取られやすそうにも思われるが、路面状況が判断しやすいという側面もある。
アクセルを深く踏むと、エンジンはノーマルよりスムーズに吹け上がる。20馬力以上パワーアップされたエンジンは、特に中速域での加速性能が高められているように感じた。
加速時には、ぐっとリアを沈めて四輪で路面を確実に捉えている。曲がりくねるツイスティな道が楽しみになる。街中の速度域でもワクワクがとまらない。
第三京浜に入り、加速して段階的に車線変更を行う。
ステアリングとアクセルの相性に車はピタリと反応する。これは、通常モデルには装着されていない特別な仕様のサスペンションの恩恵だろう。
S字の高速コーナーは、後輪にトラクションがかかる。トランクリッドにスバルスポーツカーの象徴ともいえる大型スポイラーは装着されていないが、トラクション性能は全く問題ない。

横揺れしない程度にほんの少しステアリングをあてて曲がる。我ながら運転が上手くなった? と感じるほど、ステアリングが正確に反応してくれる。
ボディ剛性が高いので、硬めのサスペンションでも容赦なくねじ伏せる。無駄な動きが一切ない。「もっと速度レンジの高い道で走らせたい」そう思わせるマシンで、個人的には好きな仕様である。
最高潮に熟成したエンジンは、じっくり寝かして初めて完成する。そんな熟成しつくされたモデルを体感できただけでも運がいい。
これから30年後には、作り続けられたひとつの型式の内燃機関を味わうことはまず無理であろう。歴史的なEJ20に感謝である。ありがとう。




【試乗車 諸元・スペック表】
●STI 2.0 タイプ RA-R 4WD
| 型式 | CBA-VAB | 最小回転半径 | 5.6m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.6m×1.8m×1.47m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.65m |
| ミッション | 6MT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.55m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.01m×1.49m×1.21m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1480kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1755kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
クリスタルブラック・シリカ、WRブルー・パール、ピュアレッド |
||
| オプション色 |
クリスタルホワイト・パール |
||
| 掲載コメント |
※500台限定 |
||
| 型式 | CBA-VAB |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 6MT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | クリスタルブラック・シリカ、WRブルー・パール、ピュアレッド |
| オプション色 | クリスタルホワイト・パール |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.6m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.6m×1.8m×1.47m |
| ホイール ベース |
2.65m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.55m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 2.01m×1.49m×1.21m |
| 車両重量 | 1480kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1755kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | ※500台限定 ※2018年7月19日から12月17日までの期間限定受注 -受注は7月19日で終了- |
| エンジン型式 | EJ20 | 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 水平方向4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1994cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 329ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
432(44)/4800 |
| エンジン型式 | EJ20 |
|---|---|
| 種類 | 水平方向4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1994cc |
| 最高出力 | 329ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
432(44)/4800 |
| 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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