新型エクリプス クロスのAWDが凄い! 三菱はクーペSUVにも本気だ
2017/12/28
▲12月某日、三菱の新型クーペSUV「エクリプス クロス」の試乗会が開催された。国内向けには「プロトタイプ」ではあるが、先行して欧州で販売されていることもあり、今後、市販されるモデルと大きな差異はないだろう。インプレッションをお伝えする限られたコースでも十分に実感できる「三菱の本気」
ハッチバックをリフトアップしたような「クーペ」デザインのSUVは、世界的に市場規模を拡大させている。人気は“うなぎ上り”状態。
セダンがメインマーケットであったアメリカですら、今後はクーペタイプのSUVに移行していくのではないかと予想されるほどの勢いだ。国産クーペSUVの販売も、世界的に上々である。
このような背景の昨今、4WDで実績のある三菱も黙って見ているわけがない。
三菱には、他社にない素晴らしいプラットフォームがある。
4WDでは、ランサーエボリューション、アウトランダー、デリカD:5と使われ、レギュレーションに合わせて成長してきた良質な骨格だ。このたび誕生したニューモデル「エクリプス クロス」も、このプラットフォームを使ったモデルである。
▲こちらが、2018年3月に発売を予定している新型コンパクトSUV「エクリプス クロス」デザインは、新しいアイデンティティのフロントマスクをさらに低く鋭角な輪郭にし、スポーティな雰囲気。シャープなサイドグラスのグラフィックが、クーペスタイルを際立たせている。
リアの造形も特徴的だ。ガーニッシュ(装飾パネル)をスポイラーと一体化させたデザインとなっている。ここはオリジナリティを最大限に感じる部分だった。
三菱はかねてから、シャープなプレス面を造りだすのが上手い。エクリプス クロスのパキッと彫刻的なプレスラインからも、その技術力の高さがうかがえる。こうしてボディだけ見ても、国産としては“新しさ”を感じ、期待が高まった。
▲特徴的なリア造形
▲サイドから見ると、クーペスタイルやプレスラインの秀逸さがよく分かる
▲ドア開口部は、車の外装が汚れた状態で降車しても、足元が汚れないよう配慮された設計に。細かなところにも欧州的なアイデアが詰まっているエンジンは1.5L直噴ターボ。ポートインジェクションも併用して採用したそうだ。出力的にはリッター100馬力を少し超える163psであるが、1800回転から2.5Lクラスのトルクを発生する。
トランスミッションは、ステップアップ制御が施されたCVTで、多段ATのようなフィールとのこと。
このあたりのスペックはともかく、大事なのはそれらがどのようにドライバビリティに反映されているかだ。
試乗は、駐車場を利用した簡易的なテストコースのみだったが、スラロームや濡れた路面など、公道にはないスペシャルな部分もあった。細かい点はまた折を見てお伝えしていくとして、今回は、全負荷テストをメインに感想を述べたい。
まずはエンジンの始動性だが、今までの三菱車と比べるとぐっと素早く、振動も少ない。欧州で真っ先にデビューさせたという“本気度”がうかがえる。
アクセルを踏み込むと、エンジンは力強く気持ちの良い加速をみせた。CVTだがステップアップ制御を取り入れてエンジンの美味しい部分をアウトプットしている。
▲搭載される1.5Lダウンサイジング直噴ターボエンジンそれから時速60km以上のスピードでスラロームへ。
適度なロールをさせながらも揺り返しを抑えたセッティングは、オールテレーンに対応させにいっているのだろう。滑りやすい路面でも車を路面に留まらせるようなセッティングだ。
何より素晴らしいのが濡れた路面旋回時のスタビリティである。4WDにマッチしたサスペンションで状況に合わせた動力分配制御をかけたモデルとしては、横置きエンジン車で最も安心したコーナリングを実現したAWDではないだろうか。
動力をかけて制御することは当たり前ではあるが、実はきちんとできていないメーカーもあるのだ。しかしエクリプス クロスは、アクセルオフの状況でも適切にコーナーをトレースして、破綻させずに曲がろうとする。
……改めて言い直そう。これは、4気筒横置きAWDでは最強の性能だ。
久しぶりのニューモデルは、三菱の本気度が理解できる1台であった。限られたコースでの試乗ではあったが、エンジニアの実力が発揮されたモデルであることは確実だと評価する。
▲公道でのインプレッションは、また改めてお伝えしたい
【SPECIFICATIONS】
※試乗(プロトタイプ)時点での開示情報
■エンジン種類:1.5L ダウンサイジング直噴ターボ ■総排気量:1371cc
■駆動方式:電子制御4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4405 × 1805 × 1685(mm) ■ホイールベース:2670mm
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