【試乗】新型 フォルクスワーゲン パサート|今までのワゴンでは体験できない、素晴らしいコンフォート性
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
2025/02/07
▲昨年11月にフルモデルチェンジを受け登場した新型フォルクスワーゲン パサート。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗インプレッションをお届けする正直、歴代モデルは影が薄かったが……
現在、日本におけるフォルクスワーゲンのフラッグシップ“パサート”が新しくなった。
このパサートというブランドは、1973年に登場以来50年以上の歴史を持っており、フォルクスワーゲンの現在生産されているブランドの中で最も歴史があるモデルであることをご存じだろうか。
決して目立つモデルではないが、メーカーがそれだけ力を注いでいるモデルということになる。
今回、新たな装いを得たパサートはB9という7代目のモデルである。そして、今回からステーションワゴン専用のモデルとして登場し、新たな方向を示したのだ。
▲新型パサートはステーションワゴンのみしかし、初代パサートではファストバックの2ドア4ドアとヴァリアントと呼ばれるワゴンタイプのみがラインナップされていた。そのことを考えれば、本流の流れはセダンよりもハッチバックタイプのゲート志向だったということなのだろう。
私自身が初めてパサートのステアリングを握ったのが、1997年に登場したB5という縦置きエンジンの四輪駆動(シンクロ)のワゴンモデルであったが、すこぶる性能がいいワゴンであったことをつい最近のように思い出す。
正直いってパサートで記憶にあるのがこのB5初期モデルと、W8ユニットに独自の四輪駆動システム「4MOTION」を導入したB5後期モデルだけであり、他に心に残るモデルは皆無であった。
エンジンを縦置きから横置きに変更してから、私の記憶ではパサートの全盛期は終わったと感じていたのだ。ただし、今回の新型に試乗するまでは……である。
あれから四半世紀以上が経過して、新型のパサートはどのような進化を遂げたのだろうか。見ていこう。
セダンとステーションワゴンを統合したが、仕上がりに迷いはない
フォルクスワーゲンはEVに力を入れすぎた関係で、内燃機関モデルが危ういという印象は否めない。
そんなところでの新型パサート試乗なので、これまたどこまで伝統あるパサートというブランドを考えているのか知りたかった。
我々が試乗したモデルは“eTSIエレガンス”という1.5リッターターボに48Vのマイルドハイブリッドを搭載したモデルだ。
▲1.5リッターターボ+48V マイルドハイブリッドフォルクスワーゲンは、ダウンサイジングでの高性能を世界に知らしめたが、それにマイルドハイブリッドを搭載し、低速からのトルク変動が大きな部分をフラットにし、ドライバビリティを向上させたパワープラントだ。
エンジンを始動すると振動は皆無である。1.5リッターモデルでは、最も静粛性に優れたユニットの一つといえる。
走り出しは1.5リッターターボとは思えないほどトルクがフラットで厚く、マイルドハイブリッドの恩恵もあり、NA 3リッターに迫るパワーフィールを感じる。
FFであるが、トラクションフィールは今までのFFパサートの中では最も的確に路面をとらえる。

“MQB Evo”と呼ばれるプラットフォームの剛性感は申し分ない。そして、日本のカヤバが製作する“DCC Pro”との相性も抜群で、横置きエンジンを搭載するモデルの中で最も上品な乗り心地とライドフラット感が素晴らしく、本気で作り上げてきた車であることが伝わる。
ホイールベースと全幅も拡大した功績があるが、それ以上にシャシーの改良とサスペンションのセッティングを再構築した要因が決め手である。
箱根のツイスティーな環境でも、タイトにステアリングを切ってもスタビリティに迷いはない。4915mmの全長と2840mmのホイールベースというスペックから見れば、タイトなワインディングは苦手な印象だが、軽快に走らせることができる。これは、サスペンションとディファレンシャルの統合制御による恩恵が大きい。
それによって一定走行での一般道での快適性も格別だ。加減速してもボディはフラットを保ち、路面からの入力に対しても程よく寛容に反応する。
今まで試乗したワゴンタイプでは体験できない、コンフォートな乗り心地を提供できる。セダンをステーションワゴンと統合したが、その仕上がりには迷いはない。
ここ最近の試乗では最も心地よく優秀なステーションワゴンといえるモデルだ。



【試乗車 諸元・スペック表】
●eTSI エレガンス
| 型式 | 3AA-CJ15V | 最小回転半径 | 5.5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.92m×1.85m×1.5m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.84m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.58m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1570kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
オイスターシルバーメタリック、ダイアベースグレーメタリック、グラナディラブラックメタリック、マリポサイトグリーンメタリック、リーフブルーメタリック、チリレッドメタリック |
||
| オプション色 |
オリックスホワイトマザーオブパールE |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3AA-CJ15V |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | オイスターシルバーメタリック、ダイアベースグレーメタリック、グラナディラブラックメタリック、マリポサイトグリーンメタリック、リーフブルーメタリック、チリレッドメタリック |
| オプション色 | オリックスホワイトマザーオブパールE |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.92m×1.85m×1.5m |
| ホイール ベース |
2.84m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.58m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1570kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DXD | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 66リットル |
| 可変気筒装置 | ◯ | 燃費(JC08モード) | 19.2km/L |
| 総排気量 | 1497cc | 燃費(WLTCモード) |
17.4km/L
└市街地:13km/L └郊外:17.6km/L └高速:20.2km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
250(25.5)/3500 |
| エンジン型式 | DXD |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | ◯ |
| 総排気量 | 1497cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
250(25.5)/3500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 66リットル |
| 燃費(JC08モード) | 19.2km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 17.4km/L
└市街地:13km/L └郊外: 17.6km/L └高速: 20.2km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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