ベントレー コンチネンタルGT V8 S (西川淳)【海外試乗】
カテゴリー: ベントレーの試乗レポート
2014/04/21

V8を選ぶ人は、ベントレーを欲しがってはいても考え方のどこかに一定の現実主義があって、社会的な我儘度も低めだと思われる。あくまでも本質重視、スマートエリートの成功者が乗るベントレー、であると言っていいだろう。
V8版の“スピード”コンチGTの大本命だ
まるでひと回り小さいかのよう
ベントレーがまた売れ始めている。昨年は6年ぶりに年産1万台を超え、過去最高を記録。モダンベントレーは世界景況のバロメーターかもしれない。
日本でも、がぜん好調なセールスを取り戻した。主役はもちろんコンチネンタルGT、それもV8だ。それゆえ、ベントレーは昨年のフランクフルトショーで、W12におけるスピードと同じ位置づけのV8 Sを追加設定した。
S化の手法は、スピードと全く同じで、エンジン性能アップにアシ回りの強化、エアロデバイス追加、と至極真っ当。
2t以上の巨体に21ps&20N・mアップだから、正直、「すっげー速くなった」とは思えなかったけれども、ハンドリングのほうはといえば、もともとV8搭載で鼻先が軽くなっているうえに、いっそう硬質で軽快な前アシさばきが備わって、ドライブしていると、まるで、ひと回りも小さいコンチネンタルGTに乗っているかのようだった。
今後はV8エンジンでキマリ
世の中のスーパースポーツの趨勢がV8+過給器になりつつある今、ベントレーはW12ツインターボと並行してV8モデルの充実を進めることで、未来の準備を行っている、というわけだろう。
ウルトラスムーズなW12フィールも確かに捨てがたいけれども、V8モデルがここまで上質かつスポーティに、エキサイティングに走ってくれるのであれば、そろそろW12に引導を渡してもいい。どうしても12気筒が欲しいという人には、それこそ、カーセンサーEDGEで良質なタマを見つけてもらえばいい…。
ベントレーにとって、歴史的に馴染み深いのは、12気筒ではなく8気筒。効率化をにらみつつのパフォーマンス向上にも、まだまだ進化の余地がある。4ドアフライングスパーにもV8仕様が登場したことだし、ベントレーといえば、今後はV8エンジンでキマリ、である。
SPECIFICATIONS
グレード | V8 S | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 8AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4806×1944×1394 | ||
ホイールベース(mm) | 2746 | ||
車両重量(kg) | 2295 | ||
乗車定員(人) | 4 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 4000 | ||
最高出力[ps/rpm] | 528/6000 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 680/1700 | ||
車両本体価格(万円) | 2190 |
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