日産 GT-R/GT-R NISMO (松本英雄)【ニューモデル試乗】
2014/01/10

GT-Rの2014年モデル。写真は最上級グレードのプレミアムエディション。フロントまわりでは稲妻の閃光をイメージした新デザインのLEDポジションランプが新採用されている
成熟したグランツーリスモの片鱗を感じる1台
日産車の中でも最も哲学が明確なモデル
2014年モデルは「洗練された速さを追求した大人が楽しめるGT-R」をテーマに開発されたという。
だが、一般道で試乗した限りでは、60km/h以下での路面のうねりに対してはハンドリングに影響が出る。要するに轍でステアリングが大きく取られるのだ。2013年モデルに比べれば、ハンドリングの修正量が少なくなったが、まだ気になる部分がある。
しかしそれに比べ、高速での静粛性と安定性は見違えるほどだ。ミッションから発せられる高周波音も抑えられ、成熟したGT(グランツーリスモ)の片鱗が垣間見える。
結局のところ、高速から超高速域に命をかけているニュルブルクリンクのレコードブレーカーというGT-Rの“三つ子の魂”は根強く、長距離を優雅に走るGTの本質に到達するまでの道程はまだ遠そうだ。
しかし現時点で日産車における最も哲学と方向性が明確なモデルであることに間違いはない。
パワー、空力、足回り、全てにおいて秀でたNISMO
2014年モデルと同タイミングで登場したGT-R NISMOは、ニュルブルクリンクレコード仕様に限りなく近いというだけあり、“らしさ”を存分に味わえる1台に仕上がっていた。
搭載する600psの専用ユニットは、GT3のレースで実証済みのパーツを投入して組まれたものだ。フルレースモードのセッティングでサーキットを走ったが、600psといっても気難しいことは無い。
それより感心したのが効果絶大な空力パーツだ。3速アクセル全開でのコーナリングでは、異次元のコーナリングフォースを得られ、そこからのフルブレーキングでも空力とサスペンションの恩恵で姿勢は乱れにくく確実なターンインができる。
路面のうねりに対する追従性も良く、高速域での安定性をいかに重要視しているかが良くわかる。車体の動きも分かりやすくステアリングも正確無比。これが量産車だと思うと、このモデルの評価は素晴らしいの一言に尽きる。
SPECIFICATIONS
グレード | GT-R ピュアエディション | GT-R プレミアムエディション | GT-R NISMO |
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | DCT(デュアルクラッチトランスミッション) | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4670×1895×1370 | 4680×1895×1370 | |
ホイールベース(mm) | 2780 | ||
車両重量(kg) | 1740 | 1750 | 1720 |
乗車定員(人) | 4 | ||
エンジン種類 | V6DOHC | ||
総排気量(cc) | 3799 | ||
最高出力[kW(ps)rpm] | 404(550)/6400 | 441(600)/- | |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 632(64.5)/3200~5800 | 652(66.5)/- | |
JC08モード燃費(km/L) | 8.7 | - | |
ガソリン種類/容量(L) | プレミアム/74 | - | |
車両本体価格(万円) | 905.1 | 1011.15 | 1501.5 |
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