トヨタ ミライ【プロトタイプ試乗】(松本英雄)
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2014/11/21
▲水素燃料を使ったトヨタのイノベーションモデル「MIRAI」。この車を試乗するということは、自動車の歴史において記念すべき日になるのだろう
自動車史に残る世界初の量産型燃料電池車
水素燃料で発電した電気でモーターを回し駆動力とする世界初の量産モデル、トヨタの燃料電池車FCV「MIRAI」(ミライ)。プロトタイプとはいえ、このモデルに試乗できることは、自動車史における記念すべき瞬間に立ち会うことと同義である。
何と言っても最大の魅力は走行中のCO2排出がゼロということだろう。また内燃機関に比べ排出する熱が少ない。外観は奇抜に映る。インテリアは、シートや手に触れる部分の作りがとても良く、レクサスに迫るかそれ以上のフィーリングがある。
▲CO2を排出しない優れた環境性能と3分程度の水素の充填でJC08モード航続距離650kmを達成している
▲特殊な工法で身体全体をしっかりと包み込む、フィット感とホールド感に優れたシート
▲インテリアの随所に高輝度のシルバー加飾を配している。インテリアのカラーは全3色展開
システムの起動は、プリウス同様、パワースイッチのボタンを押す。電動ファンの音とコントローラー起動時の高周波音が聞こえる。セレクターをDレンジに入れてスロットルを軽く踏む。モーターだから立ち上がりからトルクは十分。なにより荒々しくないマナーの良いトルクの出し方に感心する。アクセルの踏み具合に応じた自然なアウトプットだ。ハイブリッドシステムで鍛えたトヨタだけに、このあたりの制御には一日の長がある。
十分なトルクとソフトな乗り心地を両立
静粛性は驚くほど高い。全開加速時に少しノイズが気になるが、これも未来的でいい。乗り心地も快適。剛性の高いシャシーの恩恵でサスペンションが良く動き、路面にしっかり追従しながら急激な入力に対しても寛容に受け止める。往年のフランス車をほうふつとさせるソフトな感触だ。回生ブレーキも兼ねたフットブレーキは、昨今様々なHV、EVが存在する中でも非常にコントロール性に優れた部類だ。静かさと快適な乗り心地は、燃料電池車ならではの異空間と言えるだろう。FCVといっても従来車と変わらぬ乗り味を作り出すところもまたトヨタらしい。
気になったのは姿勢制御装置がオン/オフ的に介入する点だ。市販化にあたりプログラムの変更もあり得る。期待しながら量産モデルを温かく迎えたい。
▲衝突する可能性が高いと判断した場合、衝突回避や被害軽減を支援する安全システムを標準装備している
【SPECIFICATIONS】
■グレード:― ■乗車定員:4名
■燃料電池種類:トヨタFCスタック ■総排気量:0cc
■最高出力:113[ps] ■最大トルク:335[N・m]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:―
■全長×全幅×全高:4890×1815×1530(mm) ■ホイールベース:2780mm
■車両重量:1850kg
■車両本体価格:723.6万円(税込)
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