【試乗】新型フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント │ゴルフの知的さと実用性を引き継いだ優雅なワゴンモデル
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
2021/11/13
▲扱いやすさと、快適な走りの両立を目指すワゴンモデルのゴルフ ヴァリアント。eTSI Rライン(左)、1.0 eTSI(右)の2台を試乗した自動車テクノロジーライターの松本英雄氏のレポートをお届けする原点に忠実に、快適さをアップさせたゴルフ ヴァリアント
1974年に登場した初代“フォルクスワーゲン ゴルフ”。
最大の売りは、FFを大きな武器としていることと、巨匠“ジョルジエット・ジウジアーロ”がデザインした2BOXのスタイリングだ。実用的かつ、知的な雰囲気が感じられる。
これは初代から続いており、原点の雰囲気をずっと守っている。そして、今回の新型で8代目となった。
2BOXのベンチマークモデルとして君臨しながら、自ら2BOXゴルフのパッケージングを進化させ、ラゲージパフォーマンスを向上させたモデルが“ゴルフヴァリアント”になる。
しかしながら昨今、ハッチバックモデルにラゲージを加えた形状でもバリューは上がらないのが現状だ。
そこで、プラスアルファの要素を加え、派生したのがワゴンモデルだ。結論から書くと、それが“ゴルフⅧヴァリアント”なのだ。
5ドアハッチモデルと比べると、50mmホイールベースを伸ばしている。これは、後席の快適性もしっかり求めたものだろう。
そう考えると、ゴルフヴァリアントはラゲージスペースもさることながら、全体的に車として、使いやすさなどのコンフォートな部分を高めているようだ。
今回試乗するモデルは1.0 eTSI、eTSI Rラインの2台である。
まずは、1.0 eTSIから乗り込んでみる。

安定感と優雅さを感じられる堅実なワゴン
試乗場所は箱根。最近の欧州車は、規制をクリアするためと、ドライバビリティの向上からマイルドハイブリッドを追加している。試乗する2台もマイルドハイブリッド搭載車だ。
1.0リッターにターボを搭載したヴァリアントeTSIはハッチバックに比べると50㎏ほど重い。
しかも、全長は350mmと長くアップダウンがあり、タイトな箱根での道は、ワインディングがどのようになるか。乗車前から楽しみだ。
そして、これはゴルフでも触れたのだが、3気筒にして素晴らしいエンジンの静粛性である。

バリアブルレシオを採用しているターボチャージャーは、実に、トルクを優雅にアウトプットさせている。ハッチモデルに比べると、走り出しは少々優しい印象だ。
芦ノ湖スカイラインを駆け上がるが、思った以上のパワー不足は感じない。マイルドハイブリッドがトルクの落ち込みを巧みにカバーしてくれている。

ホイールベースを伸ばして開口部を大きくしたヴァリアントであっても、ボディの剛性は万全。
リアサスペンションは少々動きが硬めだが、アライメント変化がない。例えば、路面からのアンジュレーションで沈み込んだとしても、ステアリングに影響はないような、安定したハンドリングである。
1リッターと3気筒というメカニカルであっても、最高のクオリティのワゴン車であることに間違いはないのだ。
間髪入れずに、ヴァリアントのeTSI Rラインの試乗に移る。


こちらは、Rラインだけに様々な部分に追加の加飾がある。
おとなしめでピュアな装いの1.0 eTSIに比べると、フロントマスクと大径のホイールとタイヤによりスポーティー感が増した印象だ。
エンジンは1.5リッターのターボにマイルドハイブリッドが装着される。1.0 eTSIで十分と思って試乗すると、さすがは1.5リッターターボ。
アシストのモーターも相まって、すこぶるパワーがあるユニットとなった。
そして、何よりゆとりのあるトルクは、ドライバーに優雅さを感じさせる。しかも、1.0 eTSI よりも70㎏も車重が増しているにもかかわらず、その重みを逆にしっとりとした乗り味に変えている。
全負荷でも4気筒ユニットの剛性感も高く、静粛性も高い。
リアの動きがしなやかで、乗り心地が1.0 eTSIモデルよりも懐の深さを感じさせるセッティングだ。
独立懸架であっても、アライメントの変化も少ないので、路面をしっかりと捉えて安心感がある。
ロープロファイルのタイヤの剛性もあることから、カーブを曲がっていても終始、スタビリティはとてもいいというのが結論だ。
eTSI Rラインは、価格の違いを走りとパフォーマンスの質感で体感することができる。

【試乗車 諸元・スペック表】
●1.0 eTSI アクティブ
| 型式 | 3AA-CDDLAV | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.64m×1.79m×1.49m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.51m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1360kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト |
||
| オプション色 |
ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3AA-CDDLAV |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト |
| オプション色 | ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.64m×1.79m×1.49m |
| ホイール ベース |
2.67m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.51m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1360kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DLA | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 20.4km/L |
| 総排気量 | 999cc | 燃費(WLTCモード) |
18km/L
└市街地:14.5km/L └郊外:18km/L └高速:20.1km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 110ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/3000 |
| エンジン型式 | DLA |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 999cc |
| 最高出力 | 110ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/3000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 燃費(JC08モード) | 20.4km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 18km/L
└市街地:14.5km/L └郊外: 18km/L └高速: 20.1km/L |
| 燃費基準達成 | - |
【試乗車 諸元・スペック表】
●eTSI Rライン
| 型式 | 3AA-CDDFYV | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.64m×1.79m×1.49m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.51m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1430kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト |
||
| オプション色 |
ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-WKK9K |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 6MT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブルーエトワールM、ノワールメタルM、ジョン ラ・ポスト、グリ・アーバン、ルージュビフ、グリ ハイランドM |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
インパネ |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | -m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.28m×1.83m×1.81m |
| ホイール ベース |
2.7m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.52m/1.54m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1520kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | ※ボディ色:グリ アーバン(グレー、前後ブラックバンパー、ブラックドアミラー) ノワール メタルM(ブラック、前後ブラックバンパー、ブラックドアミラー) ブルー エトワールM(ブルー、前後ブラックバンパー、ブラックドアミラー) グリ ハイランドM(ライトブルーシルバー、前後ブラックバンパー、ブラックドアミラー) ルージュ ビフ(レッド、前後ブラックバンパー、ブラックドアミラー) ジョン ラ ポスト(イエロー、前後ブラックバンパー、ブラックドアミラー) 計6色設定 全国400台限定 |
| エンジン型式 | DFY | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 可変気筒装置 | ◯ | 燃費(JC08モード) | 18.2km/L |
| 総排気量 | 1497cc | 燃費(WLTCモード) |
17km/L
└市街地:12.7km/L └郊外:17.4km/L └高速:19.6km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
250(25.5)/3500 |
| エンジン型式 | DFY |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | ◯ |
| 総排気量 | 1497cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
250(25.5)/3500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 51リットル |
| 燃費(JC08モード) | 18.2km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 17km/L
└市街地:12.7km/L └郊外: 17.4km/L └高速: 19.6km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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