スバル レヴォーグ 2.0GT EyeSight(松本英雄)【試乗レポート】
カテゴリー: スバルの試乗レポート
2014/08/08
▲今回試乗したスバル レヴォーグ2.0GT EyeSight
ジェントルさとやんちゃな面を両立
スバルは今や世界に誇るプレミアムブランドのひとつである。しかし世界規模でドイツプレミアムメーカーと競うことになると、スバルが日本で培ってきたサイズ感では不足が出て来た。そこで世界でも一定の理解を得るために、主な車種であるレガシィは全長、全幅ともに大きくなった。しかしそれだけではスバルの飛躍を見守る日本のスバリストは合点がいかない。それは富士重工業の社員も同様だ。
そこで開発を進めていたのが「LEVORG」だ。まだ日本のサイズ感に適していたと言える先代レガシィ(4代目)に近づけながらも、キャビンは程よいタイトさを生むショルダートレッドと程よい余裕を持つアンダーウエストエリアで構成された1台となっている。
▲歴代レガシィシリーズと並ぶレヴォーグ
今回は2L直噴ターボユニットから300ps、400N・mという4L級の出力を発揮する、2.0GT EyeSightに試乗した。トランスミッションは「スポーツリニアトロニック」というスバルが独自に開発したハイパフォーマンスAWD用のCVTである。
ドアを閉めると剛性の高さが感じられる。コックピットの質感は現行レガシィより高い。エンジンを始動すると現行レガシィより静粛性も向上している。走り出しはごく普通の運転に趣を置いたインテリジェントモード(I)だ。これをスバルでは「SI-DRIVE」と名付けている。スポーティなモデルは3つのドライブモードが選べるが最もオーソドックスなモードである。
アクセルを軽く踏み込むと電子スロットルによりエンジンの回転を抑えつつCVTのギア比を適切に可変させてトルクを稼ぐ。ターボを利かせなくとも燃費に貢献するセッティングで、走り出せば極めて快適だ。
スロットルを戻したエンジンブレーキの際にCVTがハイギアードに移行するときに特有の高周波ノイズがほんの少しだけ聞こえるが、それはキャビンの静粛性が優れていることを裏付ける。電動アシストによるパワーステアリングは素直で重めな、ねっとりとしたダイレクト感もある。
▲長距離移動など、ロングツーリングにも頼れる存在だ
サスペンションはロールを抑えたセッティング。小さな凹凸でもドライバーにわかる程度の固さであるが、高速での継ぎ目は心地よく収めて高速ツアラーとしてのポテンシャルを感じる。その特徴のひとつに高速コーナーはしっかりとしたトレースが描けるので楽しさも倍増だ。
ホイールベースは先代と現行レガシィよりも短く、ハイトを抑えてトレッドを現行と同様にしたこともあり、シャシー剛性は素晴らしく高い。ハッチバックのタイプで荷室を犠牲にしないようなサスペンション形式は剛性の低さが現れやすいが、連続した凹凸で試してもバイブレーションすら起きない。欲を言えば初期の状態からダンパーの動きがリニアであればなお良いが、シャシーはプロトタイプからさらに磨きがかけられている。
山間部ではドライブモードをスポーツモードのSとS#を試してみた。
Sはスロットルのセッティングが素直でコントロールしやすい。自分が加速したい分だけ踏み込めば良い。スポーツトロニックのマナーも良く、CVT特有のメリハリのない加速とは異なり、スロットルを踏んでいくと中速域からステップアップ式にシフトアップされる。ツアラーらしいジェントルな加速と味わいを持たせた。
一方、S#モードはやんちゃな一面をのぞかせた。出力を急激に立ち上げる電子スロットルのセッティングにより300馬力の加速を体感できる。それでもシャシーの安心感もあり不安な要素は感じられない。急な加速でもフロントも抑えられ駆動力によるハンドリングの違和感もない。すべてを凝縮したモデルである。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:2.0GT EyeSight ■乗車定員:5名
■エンジン種類:水平対向4DOHC+ターボ ■総排気量:1998cc
■最高出力:300/5600[ps/rpm] ■最大トルク:400/2000-4800[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4690×1780×1490(mm) ■ホイールベース:2650mm
■車両重量:1560kg
■車両本体価格:334万8000円(税込)
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