メルセデス・ベンツ Cクラス【海外試乗】(島下泰久)
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2014/05/15

今まで上級モデルでしか味わえなかった世界をより開かれたものにしてしまったのだから、欲張りで我儘な大人に、まさにぴったりの1台といえる。そんな大人を代表して、ディーゼルもスポーツグリルじゃない仕様も早く導入してねとさらなる我儘、言っておこう。
王座交替を目論む“ベビーSクラス”
艶っぽい内外装だけでも大いに魅了してくる
何はともあれその艶っぽい内外装だけでも大いに魅了してくるのが新しいメルセデス・ベンツ Cクラスである。伸びやかなロングノーズのプロポーション、そして繊細な面と線が描き出すその姿は、まさにベビーSクラスと呼びたくなる仕上がり。少し似せすぎという気もしないではないけれど、存在感は抜群だ。
インテリアのラグジュアリー感も、このセグメントの水準を超えている。見栄えだけでなく手に触れる部分のタッチも洗練され、スマホ感覚で操作できるタッチパッドの搭載など、使い勝手のアップデートは大きい。
しかし、中身はもっとスゴいのだ。まず、そのボディは全体の50%がアルミ製とされている。おかげで全長が95mm、全幅が40mmのサイズアップにもかかわらず、何と100kgもの軽量化を図っている。
大注目の1台、まさにクラスの常識を覆すモデル
この軽量・高剛性ボディとクラス初のエアサスペンションは、あるいはEクラス以上とすら感じさせる絶品の乗り心地を実現。極上の静粛性と相まって圧倒的な快適性をもたらしている。それでいていざ鞭を入れても、四輪の接地感がとにかく高く、安心してハイペースを維持できるのだから、まったく大したものだ。
エンジンは2LターボのC250や同ディーゼルのC250ブルーテックなどいくつかを試したが、いずれも扱いやすい躾けが光る。面白みはあまりないが、それもメルセデス・ベンツらしいところである。
抜かりがないのは安全装備についても同様。その内容は何と昨年改良されたばかりのEクラスとほぼ同等なのだ。
こんな風に新型Cクラスは、見栄えも装備も走りの質も、まさにクラスの常識を覆すモデルに仕上がっている。BMW3シリーズから、このセグメントのベンチマークの地位を奪い取りそうな完成度の高さには圧倒されてしまった。今夏の導入が待ち遠しい大注目の1台である。
SPECIFICATIONS
グレード | C250 | ||
駆動方式 | FR | ||
トランスミッション | 7DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4686×1810×1442 | ||
ホイールベース(mm) | 2840 | ||
車両重量(kg) | 1480 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 1991 | ||
最高出力[ps/rpm] | 211/5500 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 350/1200-4000 | ||
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