レクサス CT200h (松本英雄)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: レクサスの試乗レポート
2014/04/04
登場から3年を経て、見えないところを着実に進化させてきたCT200h。発売当初とは違う剛性感をもち、質も大幅に向上した
成熟度を増し、生まれ変わったCT
シャシー剛性の向上による恩恵は絶大
日本では2011年1月にデビューしたCT200hは、FFハイブリッドにして次世代の欧州でも通用するリアサスペンションを携えて登場した。
あれから3年。イヤーモデルの度に進化を遂げて成熟度を増した。特に「F SPORT」はサスペンションとシートのポテンシャルを向上させて、見た目に大きな変化はないものの見えないところを着実に進化させるという欧州型の煮詰め方をしている。
さて、この度のマイナーチェンジではどこまで熟成しているのだろう。ただ単にスピンドルグリルの導入だけではないはずだ。
そこで「version L」と「F SPORT」に試乗した。個人的に気に入っているF SPORTから先に乗ってみる。ドアを開けた瞬間、これは以前とは別物になっていると気づく。ドアノブからドアパネルに共振する振動を低減させているのだ。そしてドアを閉めてみると全く以前とは剛性感が違う。精度を高めた閉まり具合だ。もう一度降りて今度はテールゲートを開けて閉め直す。これまた剛性感を感じ、発売当初と比べると質が良い。これは見えない部分に手間暇をかけて仕上げたようだ。期待が高まる。
走り出しはEVモードである。そこからエンジンが始動するのだが、以前はこの音が懸念材料であった。しかしエンジンのノイズは抑えられ耳障りなノイズはない。もっともさらに負荷を与えればそれなりのノイズは発生するものの、静粛性はかなり向上している。対策済みだ。
サスペンションはマイナーチェンジ前と比べるとハードに振っているようだ。しかしシャシーのバイブレーションもなく、以前に比べてスポーティさが増した。シャシー剛性の向上を強く感じられた。ハンドリングはシャシー剛性の向上による恩恵を得て思った通りのラインをトレースする。
スポーティさを演じながら良い乗り心地も実現するversion L
一方、version Lはシャシーに合わせたセッティングとなっていて、先代モデルに比べるとすこぶる印象が良い。
ラグジュアリー仕様と言っても、レクサスが狙うスポーティなハッチバックを演じながら良い乗り心地も実現している。コーナリングも路面からの入力をいなして疲労を低減している。長距離でも疲れないのは断然version Lである。
車に一家言あるユーザーでも、新しくなったversion Lのセッティングは満足いくはずである。しかし良い点ばかりではない。個人的には先代のエンジンと電気式CVTの制御を好んでいた。これはパドルで任意にシフトアップ、ダウンを行うととても歯切れ良く気持ち良さが伝わって来たためなのだが、新しいCTの制御はこの部分をマイルドにして燃費に重きを置いている。
パドルを使用してスポーティに走らせる人は少ないかもしれないが、苦渋の決断で行ったのだろうと思う。いずれにしても既存のモデルに工夫してさらに良い車を作り出そうとする努力はとても感じられる。乗ればその良さを感じるのは言うまでもないが、乗らずともテールゲートを開け閉めした瞬間に生まれ変わったCTを感じられるはずだ。
SPECIFICATIONS
| グレード | CT200h | CT200h version L |
| 駆動方式 | FF | |
| トランスミッション | CVT | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4350×1765×1450 | 4350×1765×1460 |
| ホイールベース(mm) | 2600 | |
| 車両重量(kg) | 1380 | 1440 |
| 乗車定員(人) | 5 | |
| エンジン種類 | 直4DOHC+モーター | |
| 総排気量(cc) | 1797 | |
| 最高出力[kW(ps)rpm] | 73(99)/5200+60(82) | |
| 最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 142(14.5)/4000+207(21.1) | |
| JC08モード燃費(km/L) | 30.4 | 26.6 |
| ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/45 | |
| 車両本体価格(万円) | 356.0 | 448.0 |
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