祖母からもらったのは、フィットというプライベート空間
2021/07/21

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
初のマイカーはおばあちゃんからの贈り物
車は昔から好きだが、決してマニアというほどではないレベルの車好きだった吉田優斗さん。
だが、「車があれば人生の幅が広がるはず」ということはよくわかっていたため、いつかは自分の車が欲しいと思っていた。
そんなある日――まだ大学生だった頃の話だ――運転免許を取得するとほぼ同時に、祖母から白いホンダ フィットを譲り受けることになった。
「おばあちゃんがフィットからトヨタ プリウスに乗り替えるらしいと聞いたので、教習所に通っていた頃からずっと“クレクレ光線”を照射していたんです(笑)。そうしたら本当に『じゃあ、これに乗りなさい』みたいな感じで譲ってくれて。やさしいおばあちゃんに感謝ですね」

以来5年。荷室と後席の広さが売りのひとつであるホンダ フィットの特性を生かし、友人らと行うサバゲー(サバイバルゲーム)の機材車として、あるいは車中泊のお供として、白いフィットは大活躍。
「車があれば、人生の幅はもっともっと広がるに違いない」と、大学時代に夢想したことは間違いではなかったと、身をもって知ることになった。

欲しい車はあるけれど……
だが車の魅力を知るほど、「さらにいい車」に目が行くのが人の常。実はセダンが好きな吉田さんの場合は、ホンダ グレイスというセダンに乗り替えたいとも思っている。
しかし、グレイスへの乗り替えは、まだずいぶん先のことになるはずだ。
なぜならば、電動ミラー以外は故障らしい故障はしていない。
しかも運転しやすく、自分のもうひとつの部屋というか秘密基地として活躍してくれている「元おばあちゃんのフィット」に対して、いつしか愛着が湧いてしまい、「壊れてないのに手放す」なんてことはまったく想像できないからだ。

リラックスできるもうひとつの部屋で過ごす時間
吉田さんのフィットには、趣味であるサバゲ―の道具の他に、いくつかのぬいぐるみが置かれている。
「ぬいぐるみはクレーンゲーム機で取ったんです。結構得意なんですよ。車内に置いてるのは、男性ドライバーとしては珍しいことなのかもしれませんね。でも車って『もうひとつの自分の部屋』だと思っているので、ついついこういうのを置きたくなるんですよね」
車を「クルマ」と考えるなら、車内にぬいぐるみを置く男性ドライバーは少数派なのかもしれない。
しかし、車を「自分の(もうひとつの)部屋」としてとらえるなら、自分好みの何かをディスプレイしたくなるのは当然のことだ。
そして部屋としてとらえた場合は、吉田さんが内心欲しいと思っているホンダのセダンよりも、このフィットの方が「住み心地」や「部屋としての使い勝手」は優れているようにも思える。
「まあそのあたりはなんとも言えませんが、いずれにせよこのフィットには、完全に壊れちゃうまではずっと乗りますよ。壊れもしてないのに他の車に乗り替えることは、今はちょっと考えられません」
「おばあちゃんに愛されていたフィット」は今、その孫にもしっかりと愛されているようだ。


吉田優斗さんのマイカーレビュー
ホンダ フィット(2代目)
●購入金額/祖母からの贈り物
●走行距離/100,000km
●マイカーの好きなところ/サイズが小さいのに荷物がたくさん積めるところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/ちょっと電動ミラーの調子が悪い
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/全然壊れないので、長く乗りたい人にオススメです

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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