イタリア車の代表的なメーカー一覧|人気の理由や注目モデルを輸入中古車評論家が解説!
カテゴリー: 特選車
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2023/08/13
決して超メジャーではないが、妙に気になる存在
日本ではさほどメジャーな存在ではないものの、好きな人はものすごく好きなのが「イタリア車」。そしてイタリア車について特別な知識があるわけではない人も、あの独特の雰囲気というか色気のようなものが、ちょっと気になっているかもしれません。
そんなイタリア車の具体的な特徴や魅力とは、いったいなんなのでしょうか? というかそもそもイタリアにはどんな自動車メーカーがあって、メーカーはそれぞれどのような個性をもっているのでしょうか?
この記事では、なぜかちょっと気になる「イタリア車」に特化して、その概略と個別のオススメモデルをご紹介いたします。
代表的なイタリア車メーカーは計6ブランド
現在、イタリアを本拠地としている主な自動車メーカーおよびブランドは下記のとおりです。
●フィアット
●アルファ ロメオ
●アバルト
●マセラティ
●フェラーリ
●ランボルギーニ
上記のうちフィアットとアルファ ロメオ、アバルト、マセラティは「ステランティス」という巨大自動車メーカーに属しているブランドです。そしてフェラーリとランボルギーニはそれぞれ独立したメーカーとして、スーパーカーや超高性能SUVなどを製造しています。
イタリア車の特徴とは?
様々な特徴と魅力を備えているイタリア車ですが、その中でも代表的な特徴は「デザイン性が高い」ということと「エンジンフィールが良好である」ということ、そして「ハンドリングがクイックで小気味よい」ということになるでしょう。
まず「デザイン性が高い」という部分についていうと、昨今はどこの国の車もそれなり以上に“デザイン”に気を配っていますが、中でもとりわけイタリア車はデザインコンシャスであるといえます。
車全体のフォルムは言うに及ばず、例えば同じ「青」や「赤」というボディカラーでも、他国製のそれよりも妙におしゃれな色味であったり、インテリアのちょっとした部分の造形も、やたらと気が利いていたりするのです。
▲写真はアルファ ロメオ ジュリアというイタリア車のフロント部分。どことなくモダンアート(現代美術)の作品を思わせるかのような造形かも「エンジンフィールが良好である」というのは、「高回転域まで気持ちよく軽快に吹け上がる」みたいな話です。
普通に市街地や高速道路を走る分には、エンジンの回転数というのはそれほど上げる必要がなく、むしろエンジン回転数を上げると燃費は悪化してしまいます。そのため近年のエンジンは低~中回転域で効率的に力を発揮できるように設計されていて、もちろんイタリア車のエンジンも、そういったトレンドに乗った作りにはなっています。
しかし、それでもイタリア車のエンジンは他国製のそれと比較すると、どういった理由によるものかはわかりませんが、高回転域まで一気呵成に気持ちよ~く吹け上がっていく場合が多いのです。
▲筆者が以前乗っていたアルファ ロメオ GTVというクーペのV6 DOHCエンジン。燃費は正直いまひとつだったが、その分だけ「音」と「フィーリング」の良さに関しては世界トップレベルと感じられたそして最後の「ハンドリングがクイックで小気味よい」というのは、ざっくり言うと「よく曲がる」ということです。
もちろんどこの国の車であってもハンドルを回せば、車はそれに応答して曲がります(曲がってくれないと困ります)。しかしイタリア車は、ハンドルを回してから車が曲がり始めるまでの応答時間が短いというか、短く感じられる場合が多いのです。
擬音による説明で恐縮ですが、「ハンドルをシュッと回すと、すぐさまキュッと曲がる……」みたいな感じと言えばいいでしょうか。
▲ハンドルを回すとクイックに曲がるというか、感覚的には「ハンドルを回そう」と脳内でイメージした瞬間に曲がり始める――みたいなニュアンスである場合が多いのが、イタリア車全般の特徴となるこれらの特徴をイタリア車にもたらしている根本的な要因は、イタリアの方々が「“美”と“快楽”を重視する」というような感性を持っているからでしょう。
車を製造したり運転したりするうえでは、美と快楽以上に優先すべき課題はたくさんあります。それは「安全性」だったり「耐久性」だったり、その他もろもろだったりするわけですが、当然ながらイタリアの人々も、そういった部分を重視しないわけでは決してありません。
しかし「それはそれとして、同時に“美しくないもの”や“快楽に乏しいもの”には意味と価値がない」、「美しくなくて、なおかつ運転するのがつまらない車に乗るぐらいなら、私は歩く!」……とまでイタリアの方々が思ってらっしゃるかどうかは知りませんが、これに近い感性は確実にお持ちなはずです。
そういった感性が自然に発露する結果として、イタリア車はどうしたって「デザイン性が高く、エンジンフィールが良好で、ハンドリングもクイックで小気味よい」というものになるのです。
▲このような街並みがそこかしこに当たり前にある国に住んでいると、自然と審美眼のようなものが磨かれるのか? 写真はアルファ ロメオ ジュリア(左)とステルヴィオ(右)のクアドリフォリオ100周年記念モデル代表的なイタリア車メーカー① フィアット
イタリア北部のトリノを本拠とするイタリア最大の自動車メーカー。現在は巨大多国籍企業「ステランティス」の子会社となっています。
創業は1899年で、第一次世界大戦後には早くもモータースポーツで活躍。そして第二次世界大戦が終わると「ヌォーヴァ500」などの大ヒットも連発し、イタリア最大の自動車メーカーへと成長していきました。
成長の課程でフィアット社は様々な自動車メーカーを買収したため、フィアットグループ全体としては、多種多様なキャラクターの車を製造してきました。しかし、その中でも「フィアット」というブランドに限れば、実用的で経済的な小型~中型クラスの乗用車づくりを得意としています。
1899年、イタリア北部のトリノで創業。同年には最初の自社製乗用車を発売し、1908年には航空機用エンジンも開発。
その後、第一次世界大戦と第二次世界大戦を経てイタリア最大の自動車メーカーとなっていき、1960年代から1980年代にかけてイタリア国内の自動車メーカーを次々と買収。その結果、イタリアの自動車製造業界を事実上、独占しました。
その後、2000年代半ばにかけては経営不振に苦しみましたが、2000年代後半に完全復活し、アメリカのクライスラーや日本のマツダなどと提携。そして2021年にはフランス最大の自動車メーカーであるPSA(プジョー・シトロエン)と対等合併を行い、新会社である「ステランティス」が誕生しています。
▲こちらは1957年に発売され、イタリアの国民車的存在となったフィアット ヌォーヴァ500
中古車価格帯:総額30万~330万円
▲ヌォーヴァ500を現代のテクノォロジーでよみがえらせた「500」1957年から1975年まで販売され、日本では「ルパン三世が乗ってる車」としてもお馴染みのヌォーヴァ500を現代のセンスと技術でリメイクした、2007年発売のコンパクトカー。
ポップでかわいい内外装デザインが最大の特徴ではあるものの、決してそれだけの車ではなく、軽快で小気味のよい、いかにもイタリア車らしい走行感覚を味わえる車でもあります。
搭載エンジンは1.4Lまたは1.2Lの直4自然吸気と、0.9L 2気筒ターボが基本ですが、2022年には電気自動車(EV)の「500e」も追加されています。また、オープンモデルである「500C」もラインナップし、そちらも一部で人気となっています。
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フィアット 500(2代目)
中古車価格帯:総額100万~500万円
▲アメリカ車の「ジープ レネゲード」とメカニズムを共用するコンパクトSUV「フィアット 500X」上記のフィアット 500とよく似たカタチのコンパクトクロスオーバーSUV。同じ企業グループに属するジープブランドのレネゲードというコンパクトSUVと、基本メカニズムの大半を共用しています。
ボディサイズは500よりひと回り大きい全長4270mm × 全幅1795mm × 全高1625mm。駆動方式はFFと4WDの双方が用意されていましたが、2019年5月のマイナーチェンジでFFに一本化されました。
マイナーチェンジ以降の搭載エンジンは、最高出力151psの1.3L 直4ガソリンターボです。
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フィアット 500X(初代)代表的なイタリア車メーカー② アバルト
もともとは1949年にトリノで設立された、フィアット車を改造してモータースポーツ競技に参戦し、改造部品の製造販売を行っていたメーカー。1971年にはフィアットに買収され、同社の自動車競技部門としてWRC(世界ラリー選手権)向け車両などの開発を行うことに。
その後はフィアット市販車の一部スポーツモデルに「アバルト」という名前が冠として使われるのみとなりましたが、2007年にフィアットの子会社としてアバルト社が復活。以降、フィアット車をベースとするスポーティでパワフルな市販モデルを製造販売しています。
二輪レーサーとして活躍したカルロ・アバルトが1949年、トリノに「Abarth & C.」社を設立。自動車用マフラーなどの販売と、フィアット車をベースとする改造車や競技用車両の製造を開始しました。
1950年代から60年代にかけて、各種のレースでアバルトの競技用車両は暴れまくりましたが、1971年にフィアットがAbarth & C.を買収。以降はフィアットのモータースポーツ部門としてラリー用車両の開発などを行い、1981年にAbrth & C.社は会社としての活動を停止。
その後はフィアット社におけるモータースポーツ部門の黒子に徹し、ときおり市販車の高性能スポーツモデルに「アバルト」の冠が付くだけになっていましたが、2007年にAbarth & C.社はフィアットグループ内の子会社として復活。
そして現在は、フィアット 500をベースとする高性能モデル「695コンペティツィオーネ」などの人気モデルを、アバルト名義で製造販売しています。
▲「フィアット 131」をベースにアバルトが高性能化を図った「131ラリー」。1976~1981年の6年間に18の国際ラリーで勝利を飾った
中古車価格帯:総額420万~480万円
▲フィアット 500をベースに、アバルトがスパルタンなチューンを加えた595および695シリーズフィアット 500をベースとする、最高出力180psの強力な1.4L 直4ターボエンジンを搭載したスポーツモデル。「695」シリーズはこれまで限定モデルの扱いでしたが、2023年3月からはカタログモデルになっています。
695はKONI製サスペンションやブレンボ製のブレーキキャリパーを標準装備するスポーツモデルですが、Beats製のプレミアムサウンドシステムを全グレードに標準採用するなど、快適装備も充実しています。
ラインナップはスタンダードな695ツーリズモと、オープンバージョンである695Cツーリズモ、よりスポーティな意匠と装備が特徴となる695コンペティツィオーネの3種類。695コンペティツィオーネには5速セミAT仕様に加えて5速MTも設定されています。
また、現在は「F595」以外は新車の販売を行っていない595シリーズであれば、上記の中古車価格帯よりも手頃なレンジで中古車を見つけることが可能です。
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アバルト 695(初代)
中古車価格帯:総額310万~550万円
▲現行型マツダ ロードスターの車台を使い、アバルトが独自のスポーツカーに仕立てた「124スパイダー」現行型マツダ ロードスターをベースに、アバルト独自のデザインとパワートレインなどをプラスして生まれた2シーターオープンスポーツ。生産は広島のマツダ本社工場で行われています。
搭載エンジンは、最高出力170psのフィアット製1.4L 直4ターボで、トランスミッションは6速MTまたは6速ATを搭載。
ボディサイズは全長4060mm × 全幅1740mm × 全高1240mmで、車幅と高さはマツダ ロードスターとおおむね同じですが、全長は124スパイダーの方が約15cm長いという違いがあります。
足回りには機械式LSDやブレンボ製4ピストン対向キャリパー、ビルシュタイン製モノチューブダンパーなどが採用されており、特に「SPORT」モードではきわめてスポーティな走りが可能となりますが、通常モードにおいては、意外と快適な乗り味を堪能することもできる車です。
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アバルト 124スパイダー(初代)代表的なイタリア車メーカー③ マセラティ
1914年にイタリア北部の都市、ボローニャで創業された自動車メーカー。
1950年代後半からは「ラグジュアリーなモデル」の開発と製造に特化しているブランドですが、もともとは市販車のレーシングチューンを行う会社としてスタートし、その後もF1などで成功を収めていただけあって、単にラグジュアリーなだけではない「きわめてスポーティで高性能なラグジュアリーカー」を作るブランドであるというのが、マセラティの特徴です。
1993年にはフィアットグループ傘下となり、現在は「ステランティス」の一員となっています。
マセラティ兄弟の三男、アルフィエーリ・マセラティによって1914年、イタリアのボローニャで創業。当初はスポーツカーを専門的にチューンナップするファクトリーでしたが、第一次世界大戦後、本格的に乗用車の製造販売を開始。
第二次世界大戦終了後もF1に参戦しつつスポーツカー製造を継続し、1957年にはレーシングカーのエンジンをデチューンして搭載した「3500GT」を発売。この3500GTが商業的に大きな成功を収め、以後マセラティはF1などのカーレースから撤退し、市販車の製造に注力することに。
その後は経営が安定せず、様々な会社の子会社となりましたが、1997年にフィアット傘下に入ったことでようやく経営が安定。現在はスポーティかつラグジュアリーな車を作るステランティス傘下のブランドとして、世界中の「スポーツカーを愛する富裕層」から熱く支持されています。
▲マセラティ初のロードカーとして1947年に発表されたA6 1500。画期的なメカニズムと優美なデザインとを兼ね備えていた
中古車価格帯:総額250万~1900万円
▲マセラティのミドルサイズセダンである「ギブリ」。写真はギブリGTハイブリッド日本へは2013年11月に上陸したマセラティの4ドアスポーツセダン。
当初の搭載エンジンは最高出力330psの3L V6ガソリンツインターボで、トランスミッションは8速AT。その後3L V6ディーゼルターボエンジンを追加し、最高出力580psをマークする3.8LガソリンV8ツインターボも追加。
さらに2021年には、2L 直4ガソリンターボエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた仕様も導入されました。
デビューからいささか時間はたっているモデルではありますが、同クラスの売れ筋ドイツ車ではいまひとつ満足できない好事家から、今なお愛され続けています。
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マセラティ ギブリ(3代目)
中古車価格帯:総額450万~2400万円
▲マセラティ初のSUVとなった「レヴァンテ」。写真は最高出力580psの3.8L V8ツインターボエンジンを搭載するトロフェオ2016年に発売されたマセラティ初のSUV。プラットフォームはミドルサイズセダンであるギブリがベースで、ボディサイズは全長5003mm × 全幅1968mm × 全高1679mmと、なかなか大ぶりです。
当初の搭載エンジンは最高出力350psまたは430psの3L V6ガソリンターボと、同275psの3L V6ディーゼルターボ。ちなみにガソリンの方はフェラーリとマセラティが共同開発したものです。
その後は最高出力590psの3.8L V8ガソリンツインターボやハイブリッドバージョンなども追加され、人気のドイツ製SUVに対抗しながら販売を続けています。
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マセラティ レヴァンテ(初代)代表的なイタリア車メーカー④ フェラーリ
レーシングドライバー兼レーシングチームオーナーだったエンツォ・フェラーリにより1947年に創業された、レーシングカーと高性能スポーツカーのみを製造する自動車メーカー。
F1コンストラクターとしての長い歴史を有しており、一説によると「フェラーリの市販車は、F1で戦う資金を作るためだけに製造されていた」という時期もあったとか。
日本では1970年代に巻き起こった「スーパーカーブーム」で一躍有名になったフェラーリですが、その後もV8ミッドシップモデルを中心に最高レベルのスーパーカーを作り続けており、近年はブランド初のSUVもリリース。
そしてスーパーカーの方では、V8ガソリンエンジンではなく「V6エンジンをベースとするハイブリッドシステム」へと移行しています。
アルファ ロメオのレーシングドライバーで、その後はアルファ ロメオの販売ディーラーの経営をしていたエンツォ・フェラーリが1929年、裕福なモータースポーツ愛好家をサポートする「ソチェタ・アノーニマ・スクーデリア・フェラーリ」を創設。
その後はアルファ ロメオのセミワークスチームとしてレースに携わり、第二次世界大戦終了後に自前のレーシングカー開発をスタート。1947年にフェラーリ社を設立し、数々の著名なレースで優勝を飾ると、レーシングカーをベースとする市販車の製造も開始しました。
1950年代からは、レーシングカーをベースとしない純粋な市販車の製造もスタートさせ、その後も続々と超高性能市販車を開発しつつ、様々なレースでも勝利を重ね続けました。
その後は経営状態の悪化やフィアット傘下入り、超ワンマン経営者だったエンツォの死の影響など、様々なことがありましたが、現在では(フィアット社の影響はあるものの)再び独立した自動車メーカーとなり、世界中のスーパー富裕層に向け、スーパーな車の少量生産を続けています。
▲フェラーリが1973年に発売した365GT4BB。最高速度は公称302km/h
中古車価格帯:総額4000万~5000万円
▲フェラーリ最後の純ガソリンV8エンジン搭載ミッドシップスポーツとなったF8トリブート直近では、フェラーリのミッドシップスポーツモデルは「V6エンジン+モーター」というハイブリッドシステムを採用する296GTBが新車として販売されていますが、その直前まで販売されていた純ガソリンV8エンジン搭載モデルが、こちらF8トリブートです。
リアミッドに搭載される3.9L V8ターボエンジンの最高出力は720ps。ボディデザインは空力性能をつき詰めたもので、効率的なダウンフォースを発生させるF1由来の超近代的デバイスが数多く採用されています。
それでいてF8トリブートは過去のV8モデルに対する“敬意(トリブート)”を示す意味で、過去のモデルのデザインモチーフを各所に用いているというのが、シブくてニクいところです。
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フェラーリ F8トリブート(初代)
中古車価格帯:――
▲フェラーリ初の4ドアモデルとなった「プロサングエ」日本では2022年11月に初披露され、2023年後半にデリバリーが始まるフェラーリ初の4ドア4シーターモデル。フェラーリ・ジャパンは「プロサングエはSUVではなく“新しい形のスポーツカー”です」と言っていますが、どこかSUV的であることは間違いありません。
観音開きのドアが特徴的なボディのサイズは全長4973mm × 全幅2028mm ×全高1589mmで、車内には独立した4座のシートがレイアウトされます。
フロントに搭載されるパワーユニットは、最高出力725psの6.5L V12の自然吸気ガソリンエンジンで、8速DCTを介して4輪を駆動。0-100km/h加速3.3秒、最高速は310km/h以上と公表されています。
そのほか四輪操舵システムや新開発の電子制御サスペンション、「ABS evo」といった最新のダイナミクス制御も採用しているプロサングエは、「4枚ドアの車」としては地上最強レベルの運動性能を発揮することになるのでしょう。
代表的なイタリア車メーカー⑤ ランボルギーニ
イタリア北部のボローニャに本拠を置く、高級スポーツカーおよび高性能SUVを製造する自動車メーカー。もともとはトラクターの製造会社としてスタートしましたが、現在ではフェラーリに勝るとも劣らぬ高性能スポーツカーやSUVを製造販売し、アグレッシブでありながらも美しいデザインなどにより、世界中で大人気を博しています。
ランボルギーニの最大の特徴は「V12エンジン」ということになるでしょうか。ライバルであるフェラーリがV6エンジン+モーターという、いわばダウンサイジング的なハイブリッドシステムに移行しつつあるのに対し、ランボルギーニは「伝統のV12エンジンにモーターを加える」という独自路線を突っ走っています。
第二次世界大戦終了後、軍が放出したトラックを民生向けに改造して販売する事業で富を得たフェルッチオ・ランボルギーニが1949年、トラクターの自社開発を行う「ランボルギーニ・トラットリーチSpA」を設立。その事業でも富を得たフェルッチオはフェラーリオーナーとなり、それをきっかけに「自身でスーパースポーツカーを開発する」ということを決意しました。
そして1964年には第1号市販車である「350GT」を発表。さらに1966年には「ミウラ」、1971年には「カウンタック」を発売し、スーパーカーメーカーとしてのポジションを確固たるものにしました。
その後は1978年に倒産してイタリア政府の管理下に置かれてしまいましたが、1999年にアウディ傘下となってからは再び躍進。「アヴェンタドール」や「ウラカン」などのスーパーカーを世界中で大ヒットさせながら、2023年に創業60周年の節目を迎えています。
▲1974年に登場したランボルギーニ初の市販モデル「カウンタックLP400」
中古車価格帯:総額3500万~1億1000万円
▲純ガソリンのV12自然吸気エンジンをミッドに搭載する「アヴェンタドールSVJ」ランボルギーニの最新のフラッグシップモデルは、V12エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせた「レヴエルト」です。
しかし、2023年6月に上陸したレヴエルトはまだ新車のデリバリーも完全には始まっていない状況であるため、現時点におけるランボルギーニの代表的なモデルは、1世代前のフラッグシップであるアヴェンタドールということになるでしょう。
アヴェンタドールは、前身であるムルシエラゴに代わって2011年9月に登場した、V12エンジンをミッドに搭載するスーパーカー。ボディサイズは全長4780mm × 全幅2030mm × 全高1136mmと大柄ですが、モノコックおよびアウターパネルの多くにカーボンファイバーを用いるなどして、車両重量はムルシエラゴより軽量に仕上がっています。
登場時のエンジンは最高出力700psの6.5L V12で、0-100km/h加速2.9秒、最高速350km/hをマークしました。その後は様々なエンジンを追加しましたが、直近の中古車市場で一番人気となっているのは2018年11月に発売された「アヴェンタドールSVJ」です。
こちらは最高出力770psの6.5L V12を搭載。ベースとなった「アヴェンタドールS」と比べてエクステリアが大幅に変更された他、空力負荷を積極的に変える「アエロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)」や、すべての車載電子システムを制御する「ランボルギーニ・ディナミカ・ビークル・アッティーヴァ(LDVA)2.0」など、様々なハイテクが駆使されています。
▼検索条件
ランボルギーニ アヴェンタドール(初代)
中古車価格帯:総額3300万~5300万円
▲650~666psの4L V8ツインターボエンジンを搭載するスーパーSUV「ウルス」2017年12月に発表されたランボルギーニ初のSUV。
ボディサイズは全長5112mm × 全幅2016mm × 全高1638mmで、最低地上高はエアサスペンションにより158~248mmの間で変化。当初のパワーユニットは最高出力650psの4L V8ツインターボで、ミッドシップのスーパーカーである他のランボルギーニ車とは異なりフロントに搭載されています。
2022年8月には最高出力を666psに向上させた「ウルス ペルフォルマンテ」が発表され、2023年のマイナーチェンジではベースグレードのウルスが「ウルスS」へと進化。こちらにも666psの4L V8ツインターボエンジンが搭載されました。
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ランボルギーニ ウルス(初代)代表的なイタリア車メーカー⑥ アルファ ロメオ
現在はステランティス傘下となっている、イタリア北部のミラノに本社を自動車メーカー。スポーティな乗用モデルを製造販売しています。
第二次世界大戦前から「自動車レース界の強豪でもある高性能車メーカー」として名声を確立。戦後もランチアと並ぶイタリアの代表的な上級車メーカーとして人気を博し、1986年にフィアット傘下となってからも、創業当時からのブランドイメージどおりの「スポーツ性を前面に打ち出した上級モデル」の開発と生産を行っています。
1910年、まずは「ロンバルダ自動車製造株式会社」(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili 、A.L.F.A.)として開業。創業1年にして早くもモータースポーツ競技に参戦したA.L.F.A.は1918年、ニコラ・ロメオ社と合併し、ブランド名を「アルファ ロメオ」としました。
以降もアルファ ロメオはモータースポーツの世界で快進撃を続けるとともに、スポーティな高級乗用車も開発。第二次世界大戦の戦火を経て、戦後は国営企業となり、戦前と比べれば大衆的ではあるものの、それでもきわめてスポーティではある量産乗用車を次々に開発し、イタリアを代表する自動車メーカーになっていきました。
しかし1970年代になると経営状況が悪化し、国有企業からフィアット傘下の民営企業へと転換。それ以降は再び競争力と商品力を獲得し、独特な個性を持つスポーティでラグジュアリーな乗用車多数を世界中でヒットさせてきました。
そして親会社であるフィアットとフランスPSA(プジョー・シトロエン)の対等合併に伴い、現在はステランティスグループの一員となっています。
▲1993年に、ドイツツーリングカー選手権参戦のために作られたレーシングカー「アルファロメオ 155 2.5 V6 TI」。全20戦中12勝を記録し、同年のチャンピオンマシンとなった
中古車価格帯:総額230万~2400万円
▲プレミアムDセグメントのスポーツサルーン、現行型アルファ ロメオ ジュリア日本では2017年10月に販売開始となったアルファ ロメオのフラッグシップセダン。メルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズなどと同じ「プレミアムDセグメント」と呼ばれるカテゴリーに属し、ボディサイズは全長4643mm × 全幅1860mm × 全高1436mm。
アルファロメオの車としてはおよそ四半世紀ぶりにFR(後輪駆動)レイアウトが採用されました。
当初のエンジンは3種類で、ベーシックな「ジュリア」とラグジュアリーグレードである「ジュリア スーパー」には最高出力200psの2L 直4ターボを搭載。
4WDのスポーティグレード「ジュリア ヴェローチェ」には、同じ2L 直4ターボながら同280psをマークするバージョンが搭載されました。そしてトップグレードの「ジュリア クアドリフォリオ」は、最高出力510psの 2.9L V6ツインターボです。
2019年4月には2.2L 直4ディーゼルターボエンジンが追加され、2021年には最高出力540psの2.9L V6ツインターボを搭載する「ジュリアGTA」および「同GTAm」を追加。そして2023年5月には一部仕様変更が行われ、これに伴い、直近では最高出力280psの2L直4ガソリンターボエンジンを搭載する2023年モデルの「2.0ターボ ヴェローチェ」が新車として販売されています。
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アルファ ロメオ ジュリア(2代目)
中古車価格帯:総額300万~1200万円
▲アルファロメオ独自の4WDシステムを採用したSUV、アルファロメオ ステルヴィオ2018年7月に上陸したアルファ ロメオ初のSUV。
ボディサイズは全長4690mm × 全幅1905mm × 全高1680mmで、あらゆる路面で安定性を発揮するアルファ ロメオ独自の4WDシステム「Alfa Romeo Q4」を採用。
初期の搭載エンジンは最高出力280psの2L 直4ガソリンターボで、2019年4月には同210psの2.2L 直4ディーゼルターボエンジンを追加。2020年8月には一部改良を行ってインフォテインメントシステムや運転支援システムを大幅に強化し、翌2021年6月にはスポーツ性能と上質感を兼ね備えたグレードとして「ヴェローチェ」をラインナップ。
さらに、2022年3月にも仕様変更を行いながら各部のブラッシュアップを行い、直近の世代は登場時よりもしなやかな乗り味を獲得するに至っています。
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アルファ ロメオ ステルヴィオ(初代)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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この記事で紹介している物件
アルファ ロメオ
ジュリエッタ スプリント ジュニア ETC バックカメラ ナビ TV クリアランスソナー AT オートライト HID キーレスエントリー 電動格納ミラー シートヒーター アルミホイール パワーシート 盗難防止システム
本体価格59.0万円
支払総額77.8万円
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