非ノスタルジーの“タメ車”世代が新たなネオクラシックブームを牽引する!?
2021/04/23
▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム個性と排他性を満たす選択肢としてのネオクラ
80~90年代前半に登場したネオクラシックカー(以下、ネオクラ)と呼ばれる車が注目を集めている。
この盛り上がりをけん引しているのは、40代後半以降のオジサン世代。当時はまだ若くて金銭的に余裕がなかったが、子育てのピークも過ぎ、お小遣いにも少し余裕が出きたところで、青春時代に憧れていた車を手に入れよう、といったところか。
だが、人気どころのトヨタ スープラや日産 スカイラインGT-R、マツダ RX-7などのスポーツカーは、海外でもカルト的な人気を誇っており、中古車が軒並み海外へ流出。
その結果、国内での流通量が激減したことで相場は高騰。こうした飢餓感もまた、ネオクラブームを盛り上げる格好のスパイスとなっているようだ。
そんなネオクラブーム、実はノスタルジー世代だけのものではないようだ。
というのも、車好きが集まるイベントでネオクラに乗った若者を見る機会が多かったり、車に詳しくない若者がネオクラを買っていくケースが増えているという話を販売店から聞いたりすることがあるからだ。
甘酸っぱい青春時代へのノスタルジーに駆られたオジサン世代はいざ知らず、リアルタイムを知らない若者たちがなぜネオクラに興味を抱くのだろうか。
ひとつは、親の影響を受けるパターン。親が読んでいた漫画や雑誌、親の熱いトークを通して、小さい頃からネオクラの薫陶を受けていたバリバリの英才教育群といったところか。
もうひとつは、アナログレコードやカセットテープ同様、ノスタルジーとは真逆の目新しいカルチャーとして、若い世代がネオクラを発見するパターンも考えられる。

上のグラフ①をご覧いただこう。中古車は個性的な車が多いと思う20代の割合は、他の世代に比べて高い。
これはリアルタイムを知らない20代の若者にとって、古い中古車が新鮮に映る可能性を示唆していないだろうか。
また、グラフ②が示すように、20代は誰とも被らない自分だけの車に乗りたい、と思う傾向が強く出ている。
80~90年代前半に誕生した、自分たちと近い年代の“タメ車”的なネオクラは、まさにこうした排他性や差別化を満足させてくれる格好のアイテムに違いない。
ブームのおかげでスポーツカーを中心とする一部のネオクラは相場が高騰しているが、ネオクラを“タメ車”的に新鮮に捉え個性を表現する手段として選ぶなら、下に取り上げた3車種のように、まだまだ手頃な価格で手に入るモデルは多い。
とはいえ、物件の流通量は限られており、この先供給量が増えることも期待できないため、小さなきっかけで相場が急騰する可能性もある。
新しいネオクラのムーブメントを起動するかもしれない“タメ車”感覚の若い世代のセンスに、大いに期待したい。
予算100万円で狙える! 20代にオススメの“タメ車”3選
1:ダイハツ ネイキッド(初代)
▲1999年11月~2003年11月に生産された軽自動車。ネオクラ的には年式が新しめだが、四角いフォルムやアウターヒンジなど武骨な雰囲気がクラシック感を高めている2:三菱 パジェロミニ(初代)
▲1994年12月~1998年9月に生産された軽のSUV。丸目とカクカクしたフォルムの組み合わせが、いかにも90年代っぽい。ネオクラ予備軍の2代目もナイスな選択肢だ3:日産 ラシーン(初代)
▲1994年12月~2000年8月に生産されたSUV。昨今のSUVとは一線を画す“ゆるキャラ”的ないでたちが魅力的。専門店があるため初心者でも安心して選べるのが◎【関連リンク】
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