愛車と両親のための鎌倉ガレージハウス【EDGE HOUSE】
カテゴリー: カーライフ
タグ: ポルシェ / 911 / EDGEが効いている / ガレージハウス
2022/11/28

ショールームのようなガレージもあれば、趣味のベースキャンプとしてのガレージもある。鎌倉にあるガレージはそれぞれの美味しいところを取り入れた一軒だ。朝から晩まで、ずっと愛車を眺められる一方で、多彩な趣味を支える基地でもある。そんな木の香りが漂う、古都・鎌倉のガレージハウスだ。
いつでも愛車が見える、そしてすぐに乗り込める
外の木々が揺れている。今日はウインドサーフィンを楽しめそうだと、コーヒーカップをテーブルに置く。すると今度は愛車の美しいリアが目に入る。施主はそんな日々を鎌倉で手に入れた。
いつかはポルシェ、と考えていた施主は、2年前に思い切って997型の911カレラ4を購入した。当時はマンション住まい。青空駐車場だったため、台風の日などは不安で眠れなかったという。「やっぱりガレージハウスが必要だ」。そう思った施主は昨年、鎌倉に土地を見つけた。この地を選んだのは、趣味のウインドサーフィンを楽しむためだ。
以前は天気予報を見て海へ出掛けたが、行ってみると凪いでいたりすることが何度もあったという。しかし海の近くなら木の枝の揺れ具合を確認してから海へ行っても、良い風をつかまえられる。そこで車がないと不便な地元で生活していた高齢の両親も呼び寄せ、同居できる2世帯住宅兼ガレージハウスを建てることにした。
施主の土地選びを手伝い、設計したのは、「本格的なガレージハウスはそう手掛けたことがない」という建築家の北村佳巳さん。しかし、高い断熱性能や耐震性能を重視し木の温もりを大切にする北村さんの設計は、施主にとって理想的だった。
なぜなら、両親のためにも家の快適性・安全性は重要。また、登山をはじめ多彩な自然相手のスポーツを楽しみ、ログハウスも好きだという施主は、木を感じられるモダンなデザインを好んだ。こうして無機質なコンクリートではなく、木の温もりを感じられるガレージハウスが完成した。


1 階は施主、2 階は両親が過ごすというゾーニング。施主のリクエストは、1階のLDKからガレージの愛車が眺められることと玄関やリビングからすぐに出入りできること。
さらに、多彩なアウトドアスポーツを楽しむ施主の道具を、すべてガレージに収納するため、一定の広さも必要だった。本来、窓やドアなどの開口部が多いほど、建物の強度は確保しにくい。開口部と広さを確保しながら、高い耐震性能を得る。
そんな課題を見事にクリアしていく中で、特に北村さんはLDKからの眺めにこだわった。「愛車を眺めるといっても車全体を見たいのか、一部だけ窓で切り取って絵のように飾りたいか、いろいろあります。施主と会話をするうちに、911の美しいリアラインをいつでも見られるようにしようと考えたのです」



天地に大きく広げられたその窓は、ダイニングテーブルから外の木々を眺めていても、ソファに座ってテレビを見ていても、自然と愛車が目に入るようにレイアウトされている。
玄関と廊下には大きなガラス窓やガラス製のドアが備えられた。だからガレージを閉じていても、帰宅するとLDKに入るまでずっと愛車を視界に収めることができる。
もちろん木の枝の揺れも、空も。天気の良いときにしか911には乗らないという施主にとって、リビングから見える外の様子でポルシェ日和だとわかれば、すぐに乗れるのが理想的。それを叶えた鎌倉のガレージハウスだ。



■主要用途:専用住宅
■構造:木造
■敷地面積:231.42㎡
■建築面積:91.50㎡
■延床面積:155.80㎡
■設計・監理/北村建築工房
■TEL:046-865-4321
※カーセンサーEDGE 2023年1月号(2022年11月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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