フォルクスワーゲン ポロ新車価格値上げの裏で、中古車は1年で約20万円ダウン! 定番輸入コンパクトカー、今オススメの買い方・選び方は?
2024/05/09
▲1975年に登場した初代から数えて6代目となる現行型ポロ。衝突被害軽減ブレーキはもちろん、先進運転支援機能も充実している。写真は2022年6月のマイナーチェンジ後ポロの新車値上げの陰で、中古車の価格は1年で20万円以上値下がり!
2024年3月1日より、フォルクスワーゲンの各モデルの新車価格(車両本体価格)の値上げが発表された。ポロとT-Roc、ゴルフトゥーランが約3%、その他のモデルで約2%の価格上昇となる。ポロで言えば、今回は6万~12.8万円の値上げだ。
「またか」と思う人もいるだろう。何しろ現行型である6代目は、2018年3月の日本デビュー以来、価格が改定されるのは今回が8回目だ。デビュー時のエントリーグレードだったTSI トレンドラインの車両本体価格は209万8000円。それから約5年、現時点のエントリーグレードであるTSI アクティブ ベーシックは279万9000円。途中に一部改良やマイナーチェンジ、グレード構成の変更があったものの、ポロの入り口が約70万円も高くなったのだ。
確かに緊迫した世界情勢を背景に原材料が高騰しているし、日用品など車以外の値段も上がっているのは皆さんもご承知のとおり。
それに伴い賃金も上昇させると政府は言うけれど、まだまだ足りないんだよ! なんてお嘆きの方に朗報がある。6代目ポロの新車値上げの陰で、実は中古車平均価格は、1年間で20万円近く値落ちしているのだ。
まずは、下記の中古車平均価格の推移グラフを見ていただきたい。
▲2023年に下落トレンド入った中古車平均価格。直近はやや値上がりしたものの、引き続き180万円台で推移新車の納車遅れを背景に2022年の中古車平均価格は1年を通して右肩上がり、つまり上昇していた。しかし、2023年に入ると一転して下落トレンドとなり、2024年3月には前年同月と比べて17.5万円安い184.8万円となっている。
一方で中古車流通量はというと、2024年に入ってついに1000台の大台を超え、2月時点で過去最高の1024台まで増えている。つまり「安くなったポロが選びやすい」状態にあるのだ。
では、どんな6代目(現行型)ポロの中古車を選べばお買い得感があるのか? 以下であらためてモデル概要を確認してから見てみよう。
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フォルクスワーゲン ポロ(6代目・現行型)×全国【モデル概要】いよいよ3ナンバーサイズになった、最新機能充実のコンパクトカー
▲先代(5代目)と比べ、全長は+65mmの4060mmに抑えられたが、全幅は+65mmの1750mmとなった多くの車がフルモデルチェンジのたびに大きくなっていく。2018年3月に日本へやって来た6代目ポロもご多分に漏れず、全長は約4mだが、全幅はついに1700mmを50mm超えて3ナンバー車となった。
しかしこのサイズ、実は3代目ゴルフにかなり近い。3代目ゴルフより全幅が約50mm短い程度だ。もちろん、3代目ゴルフより乗り心地はよく走行性能も高い。
ポロの兄貴分であるゴルフもまた大きく育っているので、末っ子ハッチバックというポロのポジショニングは変わっていないが、安全性能や快適性、先進性は兄貴と比べてもひけを取らなくなっている。それこそ3代目ゴルフのサイズ感で、8代目(現行型)ゴルフとほぼ同じ使いやすさ、と言ってもいいくらいだ。
▲トランク容量は先代(5代目)と比べて+71Lの351Lに拡大例えばデビュー時に全車標準で備えられた、最新のインフォテインメントシステム「コンポジション・メディア」は、ゴルフと同等。タッチパネル式で、Apple CarPlayなどスマートフォンと連携することもできる。また、ゴルフと同じ純正カーナビの「ディスカバープロ」を備えることも可能だ。
衝突被害軽減ブレーキは全車に標準装備。さらに、上級グレード(TSIハイライン)にはストップ&ゴー機能付きのアダプティブクルーズコントロールが標準で備わるから、高速道路での運転も楽になる。
▲メーター部分にゴルフ同様の液晶ディスプレイが採用された(デビュー時TSIコンフォートラインとTSIハイラインにオプション)。純正カーナビと連動して、メーター部分にナビ画面を表示することもできる
▲標準装備のメーターはアナログ式。TSIハイラインはステアリングにオーディオ操作のスイッチが備わる
▲シート柄はグレードによって異なる。写真はTSIハイライン専用柄デビュー時に用意されたエンジンは1Lターボ。これに7速AT(デュアルクラッチ式)が組み合わされた3グレードから発売が開始された。次いで同年7月には早くも、2Lターボを搭載するスポーツグレード「GTI」が、翌2019年1月には1.5Lターボを搭載するTSI Rラインが追加された。
マイナーチェンジは2022年6月。エクステリアデザインやグレード展開が変わった他、装備の拡充も図られた。
例えば、安全装備では同社のパサートをはじめとした上級車と同様の機能が採用されている。また、全車標準のインフォテインメントシステムは「レディ2ディスカバー」へと進化し、スマホとの連動がよりスムーズになった他、一部操作はジャスチャーコントロール(手ぶりで操作)も可能になっている。
▲マイナーチェンジでヘッドライトは先行車などを感知すると相手が眩しくないよう最適な配光を行うLEDライトが採用された
▲エアコン操作部分も含めて物理的スイッチが最小限となり、たいていの操作はタッチ式になった以上が、6代目ポロの現時点までのモデル概要だ。では、現時点で中古車で狙うならどのグレードや年式がいいのか、以下ケースごとにチェックしていこう。
手頃な価格で手に入れたいなら「前期型のTSIハイライン」がオススメ
▲デビュー時のTSIハイラインは、1Lターボ車で唯一LEDヘッドライトや、プッシュボタンスターターが標準で備えられた手頃な価格で6代目ポロを手に入れたいなら、前期型の「TSIハイライン」がオススメだ。
1Lターボを搭載するモデルの中では最も装備が充実していたグレードゆえ、デビュー時点の車両本体価格はTSIコンフォートラインより35.1万円、TSIトレンドラインより55.2万円高かったのだが、現状の中古車価格を比較すると、新車時の価格差がかなり縮まっているのだ。だから、手頃な価格の割にお買い得感が高いというわけ。
原稿執筆時点で走行距離5万km未満の中古車を比較すると、いずれもディーラー車で、TSIハイラインが約140万円、TSIコンフォートラインとTSIトレンドラインがどちらも約120万円で見つけられる。つまりTSIハイラインと他の2代の価格差は約20万円だ。もちろん、コンディションによって中古車の価格は変わるが、少なくとも3モデルの新車時の価格差はグンと縮まっていることがわかる。
それならばデビュー時からアダプティブクルーズコントロールやLEDヘッドライト、マルチファンクションステアリング、16インチアルミホイールが標準で備わるなど装備が充実しているTSIハイラインの方がお買い得ではないだろうか。手頃になっている上級モデルで、ぜひ6代目ポロを味わっていただきたいと思う。
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フォルクスワーゲン ポロ(6代目・現行型)×TSIハイライン×全国後期型狙いなら装備充実でも手頃な「TSIスタイル」がオススメ
▲TSIスタイルにはアダプティブクルーズコントロールに加え、車が同一車線を保とうとするステアリングアシスト機能も標準で備わる現在新車で販売されている後期型をなるべく安く手に入れたいなら、装備が充実しているTSIスタイルがオススメだ。同グレードは、前期型のTSIハイラインと同等のグレード。
しかも2022年のマイナーチェンジの際、その上に位置づけられていたTSI Rラインが、マイナーチェンジで1.5Lターボから、他のTSIモデルと同じ1Lターボに変わった。つまりTSIスタイル(前期型のTSIハイラインの位置付け)とTSI Rラインが同じエンジンとなったのだ。
一方で両グレードの違いは、TSI Rラインにスポーティな内外装と、電子制御式ディファレンスロック「XDS」など専用のスポーティな足回りが備わること。この内容でマイナーチェンジ時の車両本体価格はTSIスタイルが324万5000円なのに対し、TSI Rラインは329万9000円と5万4000円高いだけなので、新車のTSI Rラインがお買い得に思えるくらいだ。
しかし、原稿執筆時点で中古車価格を比べると、この差が広がっている。走行距離3万km未満でTSIスタイルが支払総額約225万円から見つかるのに対し、TSI Rラインは約250万円からとなる。
そして、TSIスタイルの1つ下のグレード、TSIアクティブの新車時の車両本体価格は、マイナーチェンジ時で282万1900円。それが走行距離3万km未満の中古車の場合約215万円から見つけられる。つまり新車時の約42万円という差が10万円ほどにまでグッと縮まっていて、TSIスタイルがお買い得になっているのだ。
もちろん、後期型自体まだ流通量が少ないため、上記の中古車の価格差は現時点の限定的なもの。この先流通量が増えてもう少し価格がこなれてくると、また違う結果になるのかもしれない。
しかし、あくまで現時点ではTSIスタイルのお買い得感は高いと言える。後期型のポロを狙うならTSIスタイルのこのお買い得感を見逃す手はないだろう。
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フォルクスワーゲン ポロ(6代目・現行型)×TSIスタイル×全国GTI狙いなら手頃で中古車流通量も多くて選びやすい「前期型」がオススメ
▲GTIを象徴する“レッド”が内外装にちりばめられた。専用17インチアルミホイールを履き、リアスポイラーを装着。シートはGTI電動のタータンチェック柄だクーペスタイルではなく、買い物に使えるコンパクトなハッチバックに高性能なエンジンや足回りを備えた車は、かつて“ホットハッチ”と呼ばれていた時代があった。その代表格が、ポロの兄貴分であるゴルフの、初代から連綿と設定されている「GTI」だろう。そして、弟分のポロもまた、3代目からGTIが設定されるようになった。
6代目ポロの前期型GTIは最新の2Lターボを搭載し、6速AT(デュアルクラッチ式)が組み合わされている。さらにゴルフGTI同様、高速コーナリングのアンダーステア(車が外側に膨らむこと)を抑制してくれる電子制御式ディファレンスロック「XDS」をはじめ、“ホットハッチ”らしい装備が備わる。
一方で、ポロの最上級グレードという位置づけのため、アダプティブクルーズコントロールをはじめ先進運転支援機能が充実。内外装もGTI専用のエアロパーツやシート地などが装備されている。このように、前期型でも十分走りが楽しめて日常も扱いやすい、ホットハッチの王道モデルだ。
では、2022年11月に追加された後期型はどう変わったかというと、2Lターボの最高出力が200psから207psに上がり、トランスミッションは6速から7速AT(デュアルクラッチ式)となった。また、前期型では標準装備だった「“Sport Select”シャシー付きスポーツパフォーマンスキット」がオプション扱いとなっている。
以上を踏まえると、走りを楽しむためなら前期型GTIで十二分だと言えるのではないだろうか。肝心の中古車価格は、前期型なら3万km未満で総額約210万円から見つけられ、原稿執筆時点の掲載台数は約40台。
一方の後期型は3万km未満で総額約310万円からとなり、掲載台数も約10台。やはりオススメは、ざっと100万円安くて、台数が多くて選びやすい前期型GTIだ。
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フォルクスワーゲン ポロ(6代目・現行型)×2018年3月~2022年5月生産×GTI×全国▼検索条件
フォルクスワーゲン ポロ(6代目・現行型)×全国※記事内の情報は2024年4月22日時点のものです。

ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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