BMW 1シリーズカブリオレ 【ニューモデル】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2008/05/07
■しっかり感のあるボディでソフトトップでも高い静粛性
◆コンセプト
市場拡大のための新モデル、ソフトトップは22秒で開閉
日本市場におけるBMWの躍進は、1シリーズやX3といった新シリーズ投入に負うところが大きい。全く新しいモデルを投入することで、既存のBMW市場を侵食することなく、新たなユーザーを獲得できているのだという。ブランドのエントリーユーザー獲得が1シリーズの使命だが、加えてマニアックなユーザーの満足度を高める役割もある。ハッチバックの130iや先日登場したノッチバッククーペ135iはその好例だ。
今回新たに加わったのは、そのクーペをベースとする120iカブリオレ。2L直4+6ATを積む。
あえて流行りのリトラクタブルハードルーフとせず、ワンタッチ電動フルオートのソフトトップを採用した。開閉時間は約22秒。40km/h以下での操作が可能である。
◆室内&荷室空間
ベースは1シリーズクーペで重量はHBの140kg増
基本のメカニズム的には既存のハッチバック1シリーズとほぼ同じ。クーペをベースにカブリオレ化しているが、ハッチバックの120iに比べて140kgも重い。その重量変化のためか、BMWが常に主張する前後重量配分50:50には、“およそ”というただし書きがつく。インテリアも1シリーズそのもの。横方向に延びたウイングタイプのダッシュボードに、ドライバー側へとやや向けられたセンターコンソールという構成だ。
HDDナビゲーションシステムとiDriveの組み合わせはメーカーオプション(30万円)である。6.5インチモニターはダッシュボードセンターにあり格納式だ。
エアロパーツやスポーツサス、スポーツシートなどを奢ったMスポーツパッケージも設定される。
◆ドライブフィール
重量増はボディ剛性に寄与、ただし2Lではパワー不足
う! 重い!! 乗り初めてまず思ったのがそれだった。最近の車は、低速域で可能な限り軽くする傾向にある。BMWでもアクティブステアリングを選べば非常にラクだ。ところが、最近のBMWのノンアクティブ系パワーステア
リングは操作フィールが悪すぎる。重いだけでなく、妙なひっかかりも感じるのだ。太すぎるハンドルもいただけない。重厚さの演出にしては度が過ぎると思う。クローズドで特筆すべきは静粛性の高さとボディのしっかり感だった。これなら重量移動の影響が出やすいハードルーフ式でなくても十分に快適だと思う。
オプションのデフレクターを立てればオープンでも風の巻き込みは最小で、爽快に走れる。ただし、パワー不足な感は否めなかった。
◆こんな人にオススメ
コンセプトや価格、性能を考えると誰に勧めるべきか正直悩んでしまいました。経済的に余裕があって小粋なカブリオレが欲しいという人(そう多くはないでしょうが)にはぴったりですが、洒落っ気に少し欠けるような気がします。いっそもっとスポーティな性能のほうが嬉しいかも。若い人が乗るには値段が高いですしねえ。難しい車です。主要諸元のグレード | 120iカブリオレ |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4370×1750×1410 |
ホイールベース(mm) | 2660 |
車両重量(kg) | 1530 |
乗車定員(人) | 4 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1995 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 115kW(156ps)/6400rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 200N・m(20.4kg-m)/1300~5000rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 11.2 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/50 |
車両本体価格 | 434万円 |
BMW 1シリーズカブリオレ 【ニューモデル】/試乗レポート
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