人気のGT3マシンも参戦! レギュレーション変更でさらなる盛り上がりを見せる“24時間耐久レース”【EDGE Motorsports】
カテゴリー: カーライフ
タグ: マクラーレン / トヨタ / BMW / ポルシェ / アストンマーティン / プジョー / フェラーリ / ランボルギーニ / ヴァンテージ / 911 / ウラカン / M4クーペ / 720S / 296GTB / EDGEが効いている / 藤野太一
2024/07/01

レギュレーション変更で参戦車両が増加
6月15~16日、フランスのサルト・サーキットで第92回「ル・マン24時間」レースが行われた。ル・マン24時間は、年間8戦で争われるFIA世界耐久選手権(WEC)の第4戦にあたり、シーズンを通して唯一の24時間耐久ということから、各チームがプライドをかけた最も注力する特別なレースだ。
今シーズンはレギュレーションが変更されており、最上位クラスの「ハイパーカー」と市販車に近いGTカーをベースとする「LMGT3」の2クラスが混走するレースとなっている(なお、昨年まであった「LMP2」クラスは廃止となったものの、ル・マン24時間だけにはLMP2マシンの参戦が可能となっている)。

まず最上位クラスの「ハイパーカー」だが、この数年でレギュレーションが大きく変わってきた。このクラスは2019年まで「LMP1」と呼ばれていたが、技術的にもコスト的にも新規参入のハードルが高くLMP1への参戦メーカーは、近年はトヨタのみという状況にあった。
そこで主催者は、LMP1に変えてル・マンハイパーカー(LMH)というクラスを新設。このLMH規定ではハイパーカーと呼ばれる高性能ロードカーのレース仕様車か、もしくは純レーシングカーとして設計されたプロトタイプのいずれかによって参戦可能とした。ここでも当初はトヨタのみのエントリーだったが、2022年シーズン後半から準備を進めていたプジョーが、ようやくLMHクラスへニューマシン「9X8」で参戦を開始する。

しかし、それでもまだ参入のハードルは高く、さらに新規メーカーを呼び込むため2023年からはLMDh(ル・マン デイトナハイブリッド)車両での参戦が認められることになった。これはもともと米国IMSAのデイトナプロト(DPi)に代わる車両規定として考案されたもので、WECの他IMSAシリーズへの参戦も可能というもの。オレカ、ダラーラ、リジェ、マルチマテックという4社が製作する次世代LMP2シャシーがベースで、これに標準ハイブリッドシステム(ボッシュ製モーターユニット、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製バッテリー、Xトラック社製ギアボックス)の搭載が義務づけられている。要はコストのかかるシャシーやハイブリッドシステムを新規開発する必要がないため、低コスト化が図れるメリットがある。
トヨタをはじめプジョー、フェラーリなどは自社でマシンの設計、製作を行うLMH規定にのっとったマシンを用意する一方で、多くのメーカーはLMDhのマシンを採用している。ハイパーカークラスの中にも2種類のマシンが混在しているというわけだ。性能差については、BoP(Balance of Performance)によって調整が行われる。
こうした紆余曲折を経て、今年のル・マン24時間の「ハイパーカー」クラスには、トヨタ、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラックに加えて、アルピーヌ、BMW、ランボルギーニ、イソッタ・フラスキーニと、今世紀最多の9ブランド、23台がエントリーすることになった。さらに2025年にはアストンマーティンが、2台のハイパーカーValkyrie AMR-LMHでWECへの参戦を表明しており、さらなる盛り上がりを見せている。

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▼検索条件
BMW M4クーペ(現行型)× 全国一方でGTマシンのクラスは、昨年までは「LMGTE」(Le Mans Grand Touring Endurance)車両が使われてきたが、今シーズンから世界的に人気の高いGT3マシンへと変更され「LMGT3」クラスとなった。今年のル・マン24時間には、ポルシェ 911、フェラーリ 296、BMW M4、アストンマーティン ヴァンテージ、マクラーレン 720S、ランボルギーニ ウラカン、レクサス RC F、フォード マスタング、シボレー コルベットZ06、と9ブランド、23台がエントリーした。

決勝レースは夜間セッション中に大雨に見舞われるなど、延べ6時間にわたってセーフティーカーが導入される荒れた展開に。
悲願の優勝に向けて、残り2時間までトップを走っていたTOYOTA GAZOO Racingの8号車は、フェラーリAFコルセの51号車との接触によるスピンで勝機を失ってしまった。レース終了まで残すところ30分、ぎりぎりの燃料で逃げるフェラーリAFコルセの50号車フェラーリ 499Pと、それを猛追するTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタ GR010ハイブリッドのバトルに。
結果は、フェラーリ50号車が総合優勝。フェラーリは昨年に続いて2連覇を果たした。トヨタ7号車はわずか14.221秒差で惜しくも2位に。3位がフェラーリAFコルセの51号車、4位はポルシェの6号車、5位はTOYOTA GAZOO Racingの8号車となった。24時間を走り終えて、1~9位までは同一周回という近年まれに見る大接戦だった。「LMGT3」クラスではポルシェ 911が優勝。2位にBMW M4、3位にはフォード マスタングが入った。
2024年9月15日には、富士スピードウェイにてWECの第7戦「FUJI 6時間耐久」が行われる。ぜひ現地で観戦をしてみてはいかがだろうか。

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