絶滅危惧車のツインハイブリッド、実は“改造車”扱いの車だった!?
2018/05/22

軽自動車では初めてのハイブリッドモデル
1999年、東京モーターショーにて2人乗りのシティコミューター「Pu-3コミュータ」がスズキから公開された。生産の可能性、消費者にとっての価値、革新性などの観点が重視される「ザ・ベスト・コンセプトカー賞」を受賞した。
世界的にCO2削減が叫ばれるようになり、コンパクトカーブームが到来することを見越したかのような動きだった。振り返ってみれば、トヨタ ヴィッツが登場したのも1999年だった。
そういう意味では、軽自動車の立ち位置を再確認したようなモデルでもあった。街中での移動手段であることだけにフォーカスし、徹底的に実利と安さを重視していた。
2002年に再度、東京モーターショーにてスズキ ツインとして参考出品され、翌2003年から市販された。エントリーモデルの新車時価格は49万円~、と昨今では前代未聞の低価格が衝撃的だった。ただエアコンやパワーステアリングといった、昨今では当たり前の装備さえもオプション設定だった。


車移動は基本1人か2人と割り切ったボディサイズ、簡素化しながらかわいらしさを漂わせるインテリア、超絶コンパクトなボディサイズながら助手席を倒せばフラットな荷室が生まれる機能性、無駄な電力消費を抑えコストも削減するための運転席のみのパワーウインドウなど、高級化・肥大化を続ける軽自動車が原点に立ち戻ったかのようだった。
新車時価格こそガソリンモデルの倍(129万円~)だったが、軽自動車としては初めてとなるハイブリッドモデルも投入された。
最高出力44psの直3DOHCエンジンの他、トランスミッションとエンジンの間に最大出力5kwのモーターを組み込み6.8psを加えるというもの。発進や上り坂など、負荷がかかる環境でエンジンをアシスト。アイドリングストップ機構も備え、10・15モード燃費は34km/Lだった。
ガソリン車の2倍という価格だったゆえに、さすがにスズキとしてもさほど売れることは見込んでいなかったのではないだろうか? 発売からしばらくは“改造車”という届け出で生産され、後に型式認定を取得した。筆者は、その改造車扱いの車検証を手に入れるだけでも貴重だと思ってしまう。
ただ、世間はそれほど安い、実用重視の軽自動車を欲していなかったようだ。新車販売からわずか2年でツインは生産終了。総生産台数は1万台ちょっとだった。
なかでもハイブリッド車は、ガソリン車の2倍という価格設定だったから新車時にさほど売れなかったのだろう。その証しとして、中古車市場で見かけることが珍しい。カーセンサーnetでも10台未満しか掲載されていない。
ある意味、自動車史に残る車だと断言できる。いずれ、その価値が見いだされてもおかしくはない。少しでも興味を持たれた方は、中古車物件をチェックしてみてほしい。

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