メルセデス・ベンツ AMG GTは走りと向き合いたい人のためにある車である
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2015/02/09

走りと真剣に向き合う。硬派なリアルスポーツ
ポルシェ 911を仮想敵としていること、そしてGTという車名にだまされて、デイリーユースを見越したツアラー的な性格をもったスポーツモデルも想像していたのだが、実際には違っていた。
AMG完全自社開発スポーツカー第2弾として登場したAMG GTは、それこそ911でいうならGT3のような硬派なリアルスポーツだったのだ。
今回試乗できたのは高性能版のGT S。アルミスペースフレームシャシーにマグネシウムやスチールを組み合わせたボディには、確かにゴルフバッグが2個載るほどの荷室が備わるし、地上高にも余裕があり、普段使いに苦労は少なそうに見える。
しかし実際には乗り心地は硬いし室内空間はタイトだったりで、とても通勤やデートに使おうという気にはならない。
しかしながらしかるべきステージで鞭を入れてやれば、最高出力510psを発生するV型8気筒4Lツインターボエンジンは7000rpmまで一気に吹け上がり、7速DCTは多少のショックも厭わず電光石火の変速を行って、強烈に背中を押してくる。
フットワークも、操舵に対して長いノーズがインに入るばかりでなく、自分を中心に車全体がくるりと向きを変えるようなFRらしからぬシャープな仕上がり。これは前後重量配分に優れるトランスアクスルレイアウト、電子制御式LSDのおかげだろう。

あるいは最高出力462psのGTは、もう少しマイルドな乗り味なのかもしれない。けれど、快適性重視ならSLやSLKでもいいわけで、このAMG GTは、やはり走りと真剣に向き合いたい人のための車と解釈するべきなのだろう。
そりゃそうだ。AMG GTはベース車なしに、あのAMGが妥協なしに作り上げた1台なのだから。


【SPECIFICATIONS】
■グレード:S ■乗車定員:2名
■エンジン種類:V8DOHCターボ ■総排気量:3982cc
■最高出力:375(510)/6250[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:650(-)/4800[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4546×1939×1288(mm) ■ホイールベース:2630mm
■JC08モード燃費:-km/L
■車両重量:1570kg
あわせて読みたい
【試乗】新型 アストンマーティン ヴァンキッシュ|V12を積んだ新たなFRフラッグシップは、リアルスポーツからGTまで劇的に変化する乗り味を得た!
【試乗】新型メルセデスAMG G63|改良により心地よさという価値が付加された新たなGクラス
【試乗】新型メルセデス・ベンツ Gクラス EQテクノロジー|電気の力でよりスポーティに、より高級に
マツダ RX-8の魅力は速さじゃない!? 中谷明彦とZ世代モータージャーナリストが、ロータリーエンジン搭載スポーツカーの魅力に迫る【カーセンサー中谷塾】#4
新型ボルボ XC90の新車価格1019万円に絶望した人に贈る「半額500万円で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
トヨタ スープラ(A90型)生産終了の発表に絶望した人に贈る「代わりコレ、新車在庫がなくなったときに備えてどうですか?」5選
【海外試乗】新型 フェラーリ 296 スペチアーレ|こだわったのはドライビングファン! エレガントさを残したハイブリッドスーパースポーツの高性能モデル
今絶対乗っておくべき「マルチシリンダー・大排気量・自然吸気」のMTという絶滅寸前モデル5選!!
NA型 ユーノスロードスター は速くないけど楽しい車! 中谷明彦も思わず欲しいと唸る、その魅力は?【カーセンサー中谷塾】#3
ケンドリック・ラマーの愛車 ビュイック GNXの中古車流通“0台”に絶望した人に贈る「このイケてる車、グラミー受賞ラッパー愛車モデルの代わりにどうですか?」5選