BMW 4シリーズグランクーぺ【試乗レポート】(藤野太一)
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2014/09/01

3シリーズを超える!? ミドルクラスBMWの大本命
セダン、ワゴン、GT、クーペ、カブリオレ……。いま3シリーズセダンを核とした、4シリーズを含むミドルクラスBMWのモデル数はなんと100を超えるのだという。
欲しいものが見つからないとは言わせない全方位の商品企画のツメの一手がこのグランクーペだ。要は4クーペベースのファストバック、5ドアハッチである。

まずデザインがうまい。一瞥してハッチゲートの存在を見破るのは難しいだろう。クーペ比で、ルーフのピークの高さはわずかに12mm、ルーフラインの長さが112mm延伸されており、後席の居住性をきちんと確保しながらもクーペらしいスタイルを確保する。もう3シリーズの出る幕はない?と思いきやそこは3&4シリーズの商品企画担当氏がうまく解説してくれた。
ホイールベース/トレッド比で見るとわかりやすいという。3シリーズセダンは1.82。これがそもそものベンチマーク。これ以下の数値だとハンドリング重視に、これ以上だとGT性能重視と見て取れる。FRの4枚ドアで1.8を切るモデルは珍しく、4クーペは1.78。グランクーペは4枚ドアでそれと同値ということだから、その意図は明快。ちなみに全高も着座位置も高く、ホイールベースの長い3 シリーズGTは1.87、登場したばかりの新型Cクラスも1.82だ。
実際に試乗しても性格がそのまま伝わってくるからおもしろい。大きなハッチゲートを備えるゆえ、剛性面では劣るかと思いきやそれも杞憂に終わった。高速でもワインディングでもシャープな動きでクーペに優るとも劣らない。
スタイルが良くて実用性も高い。意外とありそうでなかった、ミドルクラスBMWの大本命といえる存在かもしれない。


【SPECIFICATIONS】
■グレード:435i Gran Coupe M Sport ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直6DOHCターボ ■総排気量:2979cc
■最高出力:306/5800[ps/rpm] ■最大トルク:400/1200-5000[N・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4670×1825×1395(mm) ■ホイールベース:2810mm
■車両重量:1825kg
■車両本体価格:803万円(税込)
あわせて読みたい
【試乗】新型 アストンマーティン ヴァンキッシュ|V12を積んだ新たなFRフラッグシップは、リアルスポーツからGTまで劇的に変化する乗り味を得た!
メルセデス・ベンツの電気自動車5選|中古車で超お得!新車価格の半額以下なEV物件もあるが、買いか?オススメな選び方を解説
“SUV疲れ”した人に贈る「代わりに、実用性も備えるスタイリッシュフォルムが新鮮なコレ、どうですか?」5選
【試乗】新型 テスラ モデルY|もはや走りにも文句はなくなり全方位進化でBEV最強の1台へ!
【試乗】新型 アウディ A5|堂々たるサイズの新ネーミング基幹車種、ベーシックモデルも必要十分に実用的!
三菱 デリカD:5の新車価格がアップ……。だったら中古車も見てみませんか? 価格や流通台数、オススメを解説
【試乗】新型 BMWアルピナ B4 GT|Dセグメントセダン最上! 良質なライドフィールを濃密に楽しめる“実用スーパーカー”
令和のデートカー5選|現在のオススメをZ世代が紹介!プレリュード復活予定の2025年に選ばれるのはどのモデル?
新型VW パサートのセダン廃止に絶望した人に贈る「代わりこのプレミアムセダン、どうですか?」5選
マツダ RX-8の魅力は速さじゃない!? 中谷明彦とZ世代モータージャーナリストが、ロータリーエンジン搭載スポーツカーの魅力に迫る【カーセンサー中谷塾】#4