BMW X4【試乗レポート】(島下泰久)
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2014/11/06
▲実用性を冷静に判断したら、絶対に候補として引っ掛かってこないであろう車。それをあえて選ぶことは、まさにオーナーの我儘。おそらく、どんな人が乗っているか覗き込まれること必至
狙いどおりに“クーぺ”。格好が気に入れば買い
SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)を標榜してデビューしたX6の弟分として……などという説明は、きっと不要だろう。背の高いSUVでありながら屋根は低くリアゲートも強く寝かされたフォルムは、まさにX6のコンパクト版。X5とX3の外装がそれなりに違った印象なのに対して、こちらは遠目には一瞬、判別できないほど似ている。街中ではきっと並んでしまうこともあるだろうと考えると、もう少し違っていてもいい気はする。だって、どうしたって負けた感じがしてしまうでしょう?
とにかくこの格好が最優先なので、室内空間はハッキリと犠牲になっている。前席は着座位置が下がっているのでむしろスポーティとも言えるが、後席はドアの開口部からして小さく、座面も落ち込んでいて、それなのに頭上の余裕は最小限という具合。とは言え、クーペを標榜している以上、それは責めるべきポイントではないだろう。荷室容量は十分に大きいから、遊び道具を積み込むのには苦労はなさそうだ。
▲4WDと連動しエンジンとブレーキを制御して走行性能を向上させるパフォーマンス・コントロールも備えた
▲後席を40:20:40の三分割式とし使い勝手を向上。ラゲージ容量は通常500L、後席を倒せば最大1400Lに
ラインナップはxDrive28iとxDrive35iの2タイプ。
前者の場合、車重は同じエンジンを積む328iより約300kgも重いのだが、走りは十分に軽快と言える。となれば後者については言わずもがな。直列6気筒ならではの贅沢な味わいも、車のキャラクターによく合っている。
ハンドリングはスポーティな仕立てで、背の高さを意識させることなく爽快に走らせることができる。そのぶん乗り心地は硬めなので、リラックスして乗るには不向きかもしれない。
▲Mスポーツにはホールド性の高いスポーツシートを標準装備。35iはスタンダードとともにネバダ・レザーを用意する
まあしかし、そんなアレコレにも関わらず結局はX4、格好が気に入れば買いという車だろう。一方で、気に入らない人にとっては価値を見いだすのが難しい存在だ、とも言える。それでこそクーペだとするならば、間違いなくX4は狙いどおりの車に仕上がっている。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:X4 xDrive35i M Sport ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直6DOHCターボ ■総排気量:2979cc
■最高出力:306/5800[ps/rpm] ■最大トルク:400/1200-5000[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4680×1900×1625(mm) ■ホイールベース:2810mm
■車両重量:1900kg
■車両本体価格:790万円(税込)
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