ヴィッツから希代の名スポーツカーMR-Sまで、車作りの円熟期を迎えた『平成11年』【平成メモリアル】
2019/02/19
▲大衆コンパクトカーとして、ひとつの完成形を見た初代トヨタ ヴィッツ。今年で生誕20周年!10年でひと昔、20年でふた昔?
20年前っていうと、すごく前の気もするし、ほんのちょっと前の気もします。
今から20年前の平成11年(1999年)といえば、「2000年問題」に不安になっていた時期。
若い世代の人はほとんど知らないと思うけど、これ、当時のコンピューターの多くが西暦年を下2ケタのみで処理していたために、2000年を1900年と勘違いして、年明けとともにいろいろな問題が起きるんじゃないか、いわれていた問題のこと。
電気水道などライフラインが止まるんじゃないかとか、信号機が機能しないらしいよとか、ATMからお金が引き出せなくなる(!)とか、いろんな噂が飛び交ってました。
フタを開けてみると大した影響なくて肩スカシ(当時のエンジニアさんたちが頑張ってくれたおかげかも)。
まあ、トラブルがなくて良かったんですけどね。
1999年といえば、あの嵐が『A・RA・SHI』でデビューした年でもあります。
また、ドコモのiモードがサービス開始した時期でもありました。
ケータイが電話するだけじゃなくて、ネット(みたいなもの)も見られるようになったのは衝撃的なできごと。
そう考えると、すごく昔の気もするなー。
▲東海道・山陽新幹線700系が営業運行を開始したのが1999年。そう聞くと、そんなに昔でもないような気が……現代に通じる車作りの技術が確立
当時、アジア通貨危機の影響でガソリン価格が大幅下落。
リッター90円(レギュラー)の市場最安値を記録したんだって! そんな価格なら、燃費の悪いスポーツカーでも、重量級四駆でも何でも乗り放題だね。
そうした背景の中、平成11年はRV系も堅調ではあったけれどブームが一段落し、クラウンマジェスタのような高級セダン、ヴィッツのようなコンパクトカー、そして多くのスポーツカーが登場した年でした。
▲平成11年、ソニーから4足歩行型エンタテインメントロボットの初代AIBOが登場し、一大ブームになりました。2代目も20年後に語られる名プロダクトになるでしょうか?欧州製スポーツカーにも負けないハンドリングのホンダ S2000
▲ホンダにとって20年ぶりのFR車となったホンダ S2000。オープンなのに剛性感バッチリで、ホンダの車作りも変わったナという印象でした
それではまいりましょう、平成11年に登場した車の私的トップ3。
第3位は、ホンダのS2000。
ホンダから29年ぶりに発売された(RRはNSXがあった)、FR車ということで話題になりました。
オープンボディなのに抜群の剛性感、9000rpmという超高回転まで回り、自然吸気なのに250psも発生するエンジン、その割りに燃費もいい、とっても優等生なスポーツカー。
ボディタイプはオープンのみ、2シーター、トランミッションも6MTのみ、剛性を重視したために狭くなっちゃった車内やトランク……とコダワリすぎた仕様のせいで販売は全然伸びなかったけど、今乗っても間違いなく楽しい名車です。
もっと評価高くてもいいと思う。
2009年まで約10年にわたって生産されました。
▲6MTのみ、というトガッた設定だったホンダ S2000。インテリアは大きく張り出したセンタートンネルが特徴DIYブームの今こそウケそう! ダイハツ ネイキッド
▲バンパーなどが簡単に外せるDIYテイストが話題となった、ダイハツ ネイキッド
ダイハツ ネイキッドは軽自動車=実用的なものばかりでツマラナイ、という概念を覆した、斬新な車でした。
ミラターボみたいな走りのイメージではなく、デザインで勝負したのがエポックメイキングなところ。
ボディパネルは細かく分割され、むき出しのボルトで固定。
ドアヒンジも外に露出していて、欧州製のバンみたいな雰囲気でした。
こうした仕様は見た目のためだけじゃなく、ユーザー自身が簡単にパネルを交換できるように、ドアが大きく開くように、と機能性を重視した結果だったのです。
インテリアも鉄板むき出しで、むしろオシャレ。
東急ハンズとかDIY大好きな若者には、もってこいの車だったことでしょう。
コチラも販売的にはあまり振るわず、2代目が登場することはありませんでしたが、コンセプトが目新しかったので第2位に!
2ペダルなのにマニュアル感覚……は当時新鮮だったトヨタ MR-S
▲MR2でスポーツに走りすぎてしまった経験から、手軽にスポーツ走行を楽しめるオープン2シーターを目指したトヨタ MR-S
良い車がたくさん出た平成11年ですが、第1位は独断と偏見でトヨタ MR-Sを選びます。
若い世代の人じゃなくても、車に興味がない人だったら知らないかもしれない、隠れた名車……だと思うんですよね。
MR2の後を継ぐ、トヨタのミッドシップ2シーターのスポーツ・オープンカー。
ミッドシップつーか、ほとんどリアエンジンということでカリッカリのスポーツカーを想像しちゃうけど、実はホイールベースが長いおかげで結構乗りやすい。
ハンドリングがシビアすぎたり、パワフルすぎたりするスポーツカーが苦手な私にとって、手軽にスポーティな走り&オープンモータリングを楽しめる、素敵な車でした。
特に秀逸だったのが、当時、国産車初採用だったシーケンシャル・マニュアルのトランスミッション(SMT)。
普通のマニュアル車みたいにダイレクト感あって2ペダルって最高じゃん! と感動したのを覚えてます。
もちろん、ハンドリングでいうならユーノス(マツダ)ロードスターにかなわないし、ボディ剛性などスポーツカーとしての完成度だったらホンダ S2000の方が全然上。
でも、気軽に乗れて、その気になれば結構本気でも走れちゃうっていうね、なんていうか、その懐の深さというか、中途半端なところが良かったわけですよ。
しかも新車価格はSMTでも、200万円チョイというリーズナブルさ。
ただ、荷物を入れる場所がシート背面にしかなくて(ボンネットにはスペアタイヤが鎮座、リアにはエンジンがあるので積載不可)、しかもボストンバッグくらいしか入れられないのは難点でしたが。
いろんな意味で、こんな車、トヨタにしか作れない。
▲リアタイヤより少し前方にエンジンを搭載する、ミッドシップ・レイアウトを採用したトヨタ MR-S。デビュー当時の車重はわずか970kg
ということで、平成11年に発売された車ランキング私的トップ3は、コンセプトやデキは良かったけど、販売面では今いち振るわなかった車ばかりとなりました。
でも、売れたか売れなかったなんて、車の魅力とは全く関係ないよねー。
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