【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、中古車の魅力に改めて気づく
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/10/10
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最新世代のBMW Z4 sDrive 20iは正直期待はずれだった
過日、遅ればせながら現行BMW Z4 sDrive 20iに乗る機会があった。当世流行の2L直噴ターボエンジンを搭載するBMWの新鋭(といっても登場は約2年も前だが)ロードスターである。
以下はもちろん私見にすぎないが、ツインスクロールターボのsDrive 35iはともかく、2L直噴ターボとなるZ4 sDrive 20iはあまり感心しなかった。もっと直截に言ってしまえば「これなら安い中古のZ3とか旧型Z4のほうがいいのではないか?」と、本気で思ってしまったのだ。なんというかこう、オプション込みで600万円ほどとなる車としては“エンジンの説得力”に欠けると感じたのである。
もちろん、ヨーイドンで“かけっこ”をすれば現行sDrive 20iが勝つだろう。いや、「だろう」というか間違いなく勝つ。しかし、我々は公道でかけっこをするために輸入車を買うわけではない。「では何のために買うのか?」と問われた場合の返答は人それぞれだろうが、筆者の場合は以下のとおりである。
駐車場で愛車を見て「……やっぱナイスなデザインだなぁ」とひとりごち、そして乗り込み、そこらのテキトーな交差点を曲がったり、ごく普通の高速道路などを直進するその瞬間に「……いやマジでいい車だな、コレ」と心底思いたいがために、わたしは輸入車を買っている。
そして中古車の場合はそこに「や、今回はホントいい買い物でした!」という感じの“おトク感”が加われば、言うことなしである。
中古車は、ときにバリバリの最新モデルを打ち負かす
そういった観点でいくと、現代最高のロードスターのひとつであるBMW Z4 sDrive 20iが悪い車でなどあるはずがなく、例の2L直噴ターボも決して悪いエンジンとは思わないが、「総額600万円で、このエンジンフィールかぁ……」とは思ってしまうのだ。逆に、中古のZ3や旧型Z4であれば「たったの100万円(←例えば)しか払ってないのに、エンジンもシャシーもデザインもこんなにステキでいいんでしょうか!」となることだろう。
“かけっこ”や“金持ち自慢”をしたいのであれば、輸入車は最新型であればあるほど良い。快適な乗り心地を求める場合も、なるべく新しい車のほうが圧倒的に有利だろう。しかしそうでないならば、そして“コスパ”も含めて物事を考えるのであれば、中古車はときにバリバリの最新モデルを打ち負かすことがある。
そしてそれは、今回例として取り上げたBMWのロードスターだけでなく、「ごくフツーっぽいエンジンとなった新型ジュリエッタに対する、旧世代官能エンジンを積む中古アルファロメオ各種」「大きくなってしまった現行型に対する、小ぶりで軽快な旧型ルノーカングー」などでも体験することができるだろう。
つまり、ある種の中古車とは卑下しながら乗るべきものではなく、誇りをもって乗るべきものなのだ……という話である。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
新車以上の満足感が味わえる「誇り高き旧世代」はどうですか?
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