BMWであることの主張を強めたキドニーグリル BMW M440i xDrive Coupe【Car as Art !】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2020/12/24
▲【BMW M440i xDrive Coupe|写真=茂呂幸正】あえて上下に引き伸ばし、ブランドの個性を強烈に印象づける
新型4シリーズについて語るなら、まずはその巨大なキドニーグリルについて触れないわけにはいくまい。
「独創的」「BMWの伝統を見事に体現している」という声がある一方で、「あまりにもアンバランス」「純粋に美しいとは思えない」といったネガティブな声も聞こえてくる新型4シリーズのフロントマスク。
私も2019年フランクフルトショーでそのショーモデルである“コンセプト4”を見たときには「まさか、このままのデザインで市販されることはあるまい」と思っていたのだが、写真をご覧になればおわかりのとおり、“コンセプト4”のデザインは量産モデルでも忠実に再現されている。
これについて、BMWのデザイナーたちは「328や3.0CSLなどの歴史的モデルをモチーフにした」という主旨のことを語っているが、理由はそれだけではあるまい。私自身は、BMWの個性を明確に打ち出すことが、その最大の理由だったのではないかと思っている。
キドニーグリルがBMWの最も特徴的なデザインモチーフであることは疑う余地がないが、最近は空力を意識したり、ヘッドライトの薄型化と歩調を合わせるようにしたことでキドニーグリル自体も薄型化し、フロントグリルに溶け込むようなデザインが多くなっていた。これでは正面からひと目見たときに「あ、BMW!」と感じさせるインパクトが減少するのも仕方ない。そこで、ヘッドライトの薄型化と逆行するようにあえてキドニーグリルを上下に引き伸ばし、BMWブランドの個性を強烈に印象づけることが、新しいデザインに込められた本当の意図だったと私は推測している。
ちなみに、最新の7シリーズにも私は違和感を抱いていたが、先日、760Liと半日ほどをともに過ごしたところ、そのデザインがしっくり馴染んでいるように思えてきたので、4シリーズのキドニーグリルが目に慣れるにも大して時間を必要としないのかもしれない。


その走りにはあっという間に魅了される
とっつきにくかったデザインとは裏腹に、私はM440i xDriveの走りのよさにあっという間に魅了されてしまった。
なによりその乗り心地が素晴らしい。路面の目地段差や細かな凹凸をすっかり切り取ってしまったかのような、実に滑らかな乗り味が満喫できるのだ。しかも、BMWらしいフラット感は健在で、快適性は驚くほど高い。基本的なボディ剛性が高いうえ、足回りに振動が加わった直後にこれを減衰させる能力にも長けていると感じた。私が大好きなタイプの乗り心地だ。
ハンドリングも洗練されている。ハードコーナリング中も路面のアンジュレーションにステアリングをとられることはあまりないし、ブレーキングを軽く残しながらコーナーに進入しても、ブレーキを完全にリリースした瞬間にステアリング特性が微妙に変化することがない。今までBMWのスポーツモデルに共通してあったハンドリングの傾向に、私はどうも馴染めなかったのだが、M440iではこのような傾向が消え去ったことでBMWとの距離感がぐっと縮まったように感じた。
エンジンは387psと500N・mを生み出す排気量3Lのストレート6。もう、これだけでなにも言うことがない。ただスムーズだとかレスポンスがいいとかではなく、ゆっくり走っていても6気筒の官能性をはっきりと伝えてくるあたりは、さすがBMW。良質な機械がバランスよく動いていることをダイレクトに想像させるその回転フィールは、他のエンジン形式では得がたいものだ。
ところで、BMWはこれまでのMとMパフォーマンスというサブブランドのくくりを、Mハイ・パフォーマンスとMパフォーマンスへと微妙に改めている。Mハイ・パフォーマンスはサーキット走行を想定した過激なスポーツモデル、Mパフォーマンスは十分に高性能だけれど日常的な使い勝手にも配慮したモデルという位置づけだ。
このMパフォーマンスというキャラクターが、どうやら私にはぴったりとマッチしているようである。
▲ロングホイールベースにショートオーバーハング、ロングノーズと流れるようなルーフラインをもつ、BMWクーペ伝統のプロポーションに仕立てられた
▲立体的かつ有機的な曲線を描くL字型のコンビランプ
▲高性能3眼カメラやプロセッサー、レーダーを用いた運転支援システムを採用。一定の条件下で手放し運転が可能な「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」も備わった
▲後席は40:20:40可倒式を採用、通常440Lの容量を備えたラゲージとつなぐことで長尺物にも対応することができる【試乗車 諸元・スペック表】
●M440i xドライブ 4WD
| 型式 | 3BA-12AR30 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.78m×1.85m×1.4m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.85m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.58m/1.59m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1740kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | 1960kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
アルピン・ホワイト |
||
| オプション色 |
ミネラル・ホワイトメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、サンレモ・グリーンメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、アークティック・レース・ブルーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3BA-12AR30 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | アルピン・ホワイト |
| オプション色 | ミネラル・ホワイトメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、サンレモ・グリーンメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、アークティック・レース・ブルーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.78m×1.85m×1.4m |
| ホイール ベース |
2.85m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.58m/1.59m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1740kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1960kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | B58B30B | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 59リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 12.4km/L |
| 総排気量 | 2997cc | 燃費(WLTCモード) | 11.2km/L └市街地:7.7km/L └郊外:11.6km/L └高速:13.6km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 387ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
500(51)/5000 |
| エンジン型式 | B58B30B |
|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2997cc |
| 最高出力 | 387ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
500(51)/5000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 59リットル |
| 燃費(JC08モード) | 12.4km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 11.2km/L └市街地:7.7km/L └郊外: 11.6km/L └高速: 13.6km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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